「義侠(ぎきょう)」原料米にこだわった奥行きのある味わい【愛知の日本酒】

「義侠(ぎきょう)」原料米にこだわった奥行きのある味わい【愛知の日本酒】
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「義侠」は、創業200年以上の歴史をもつ、山忠本家酒造が造る日本酒。兵庫県で最高ランクと評される地区で育った酒造好適米「山田錦」を使い、ていねいに醸す日本酒は、全国に熱狂的なファンを生み出しています。そんな「義侠」の魅力を紹介しましょう。

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「義侠」の名は江戸時代に契約していた酒屋さんから贈られたもの

「義侠」の名は江戸時代に契約していた酒屋さんから贈られたもの

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「義侠」を造る山忠本家酒造は、酒造りが盛んな愛知で、江戸時代の寛政年間(1789年~1801年)に創業した、歴史ある蔵元です。

「正義を重んじ、弱い者を助ける」という意味をもつ“義侠”という言葉を銘柄に冠したきっかけは、明治のこと。当時は、蔵元と酒小売商は年間契約を交わして商いをするのが慣習でした。日本酒の価格が高騰した際にも、山忠本家酒造は、採算を度外視して従来通りの卸値での提供を守り続けたのだとか。このことに感謝した小売りの酒屋さんたちから贈られたのが、「義侠」という名前だったといわれています。

そうした蔵元の真摯な姿勢は、現在も脈々と引き継がれています。山忠本家酒造の家訓は、「真心の酒」。南部杜氏を筆頭とする蔵人たちと蔵元が一丸となって、まさに真心を込めた酒造りに励んでいます。

「義侠」は山田錦のポテンシャルを最大限に引き出した酒

「義侠」は山田錦のポテンシャルを最大限に引き出した酒

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「義侠」の酒造りにおいて、山忠本家酒造がもっとも強くこだわっているのが、原材料である米本来の魅力を活かすこと。蔵元の使命を「米のポテンシャルを最大限に引き出し表現すること」とする一方、それだけのポテンシャルをもった良質な米を探し求めた結果、たどりついたのが、全国でも指折りの良質な酒造好適米が栽培される地として知られる、兵庫県東条町産の「山田錦」でした。

この地の農家と契約するだけでなく、「酒造りは米作りから」と、蔵元自らが一緒に田んぼに入り、契約農家とともに品質改善に努めるという徹底ぶり。収穫後は、すべて自社で精米し、仕込み水には湧き水を用いて、全量が純米仕込みの日本酒「義侠」を造り上げていくのです。

こうした山忠本家酒造のこだわりの酒造りは、多くの人の心にインパクトを残しています。心魂の酒「義侠」として、全国各地の地酒ファンから熱狂的な支持を受けるとともに、名蔵元からも注目される銘柄となっています。

「義侠」の特徴はしっかりした厚みと奥行きのある味わい

「義侠」の特徴はしっかりした厚みと奥行きのある味わい

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「義侠」の特徴は、凝縮された米の旨味と、しっかりとした酸味がもたらす、厚みと奥行きある味わいです。米と水と造りのよさで、圧倒的な風格さえ漂わせています。

こうした「義侠」の特徴を支えているのが、さまざまな熟成酒をブレンド・調整するという独自のスタイルです。
長期熟成酒は、醸造年度の違いや瓶ごとの個体差が激しく、品質を一定に保つことが難しいとされています。「義侠」は山忠本家酒造が培ってきた長期熟成への深い造詣と、熟成ブレンドという工夫によって、熟成酒の魅力を存分に味わうことができます。
長期熟成によって深みや奥行きを増した味わいが、ブレンドや加水などの調整によって、より飲みやすく仕上がっているのです。

「義侠」を手にする機会があったら、ぜひラベルに記された熟成年数をチェックしてみてください。積み重ねられた年輪を感じながら飲むことで、よりいっそう、熟成酒の奥深い魅力を堪能できるはずです。

「義侠」というその名に相応しく、特級の山田錦を使って、実直に造られる山忠本家酒造の銘酒。一口飲めば、これまで出会ったことのない日本酒の奥深い旨味に魅了されるかもしれません。

製造元:山忠本家酒造株式会社
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