岐阜の日本酒【百春(ひゃくしゅん)】若手杜氏が実直に醸す酒

岐阜の日本酒【百春(ひゃくしゅん)】若手杜氏が実直に醸す酒
出典 : 小坂酒造場サイト

「百春」は、濃尾平野の北部に位置する岐阜県美濃市で誕生した地酒。歴史ある蔵元で育まれた酒ですが、伝統の上にあぐらをかくことなく、最近では、新たな日本酒の潮流ともなっている無ろ過生原酒のシリーズも「百春」ファンのすそ野を広げています。

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「百春」は美濃を代表する旧家が手がける酒

「百春」は美濃を代表する旧家が手がける酒

milmed/Shutterstock.com

「百春」の故郷、岐阜県美濃市は、名産品である「美濃和紙」や、「うだつの上がる町並み」で知られる地域です。
「うだつ」とは、もともと民家の屋根に造られた防火壁のこと。江戸時代には豪商らが装飾品としての美しさを競ったそうで、「うだつが上がらない」という慣用句の語源ともいわれています。

「百春」の製造元、小坂酒造場は、「うだつ」が目を引く町家が往時の面影を伝える美濃市の中心街にあり、その一帯は、重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
小坂酒造場の創業は、江戸時代中期の安永元年(1772年)のことですが、当時から大いに栄えていたことをうかがわせるのが、蔵元所有の「小坂家住宅」。珍しい「うだつ」をもつ代表的商家として、国の重要文化財に指定されており、観光スポットとしても有名です。

そんな歴史ある蔵元の代表銘柄「百春」は、芳醇な味わいが特徴。現在は、30代半ばという若き杜氏が、実直かつ、ていねいに仕込んで評価を高めており、2015年には全国新酒鑑評会で金賞を獲得しています。

「百春」の多彩なラインナップ

「百春」の多彩なラインナップ

出典:小坂酒造場サイト

「百春」は、ふだん使いできる清酒から、特別な日に味わいたい大吟醸まで幅広い商品がそろっており、好みやライフシーンで選べるのが魅力。そんな定番商品のなかから、いくつかを紹介しましょう。

【百春 純米吟醸】

深い香りとコクがたのしめる、やや辛口の純米吟醸酒。上質な酒造好適米として知られる「山田錦」と「五百万石」を50%まで精米して醸した逸品です。

【百春 純米上撰】

原料米に五百万石と県内産の「ひだほまれ」を使用。やや辛口のスッキリした飲み飽きしない味わいが特徴です。

【百春 大吟生】

「大吟醸」でなく「大吟生」と名づけたのは、大吟醸酒を火入れしない生酒のまま低温貯蔵したお酒だから。原料米に山田錦と五百万石を使っており、フレッシュな吟醸香を堪能できる1本です。

「百春」で話題を集めている「直汲み」シリーズ

「百春」で話題を集めている「直汲み」シリーズ

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「百春」の名を日本酒ファンに一躍知らしめたのが、無ろ過生原酒をラインナップした「直汲み」シリーズ。
無ろ過生原酒といえば、搾ったままの原酒を、ろ過や熱処理などの加工を一切せずに出荷したもので、最近の日本酒のトレンドのひとつです。

小坂酒造場は、この「直汲み」シリーズにおいても、定番商品と同じく、山田錦や五百万石をはじめ、富山県産「雄山錦」、県内産「美濃錦」といった多様な酒造好適米を使い分け、長い歴史のなかで培ってきた醸造技術を注ぎ込んでいます。さらに、ひと夏熟成させて秋に出荷する「ひやおろし」などの季節限定品も含めて、多彩なバリエーションを生み出しています。

ろ過や熱処理をしないだけに、その味わいは、よい意味での雑味がアクセントとなった個性的なもの。甘味・旨味・酸味に加え、弾けるようなガス感やさわやかな香りが魅力で、「百春」本来のもち味を十二分にたのしめます。

「百春」の直汲みシリーズは、特約酒販店を通して販売されています。非常に人気が高い商品なので、もし見つけたら、よい機会と思って即買いしてはいかがでしょう。

製造元:株式会社小坂酒造場
公式サイトはこちら

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