福井の日本酒【常山(じょうざん)】とびきり辛くてうまい酒

福井の日本酒【常山(じょうざん)】とびきり辛くてうまい酒
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「常山」は辛口酒として定評のある福井の地酒。製造量はけっして多くありませんが、手作業で米の旨味をていねいに引き出していると評価されています。そんな常山の魅力を、江戸時代から続く蔵元の歴史とあわせて紹介します。

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「常山(じょうざん)」という日本酒を造る常山(とこやま)酒造

「常山(じょうざん)」という日本酒を造る常山(とこやま)酒造

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「常山」を醸すのは、文化元年(1804年)に酒造りを始めた老舗蔵元、常山酒造。銘柄は「じょうざん」ですが、蔵元は「とこやま」と読みます。
常山酒造の歴史をたどると、江戸時代初期には「綿屋」という屋号で福井松平藩の御用商人を営んでいたそうです。その後、福井藩公認の両替商を経て、現在の場所に移り、酒造業をスタートさせたのだとか。

常山酒造は、大正期には福井市内の蔵元のなかでも指折りの生産量を誇っていましたが、昭和に入って二度にわたる打撃を受けました。戦時中に大空襲を受け、戦後どうにか立て直したものの、昭和23年(1948年)の福井大地震によって再び壊滅的な被害を受けたのです。

それでも蔵人たちは酒造りを諦めることなく、二度の危機を乗り越えて見事に復興を果たしました。量を追うのでなく、あえて伝統的な手作業で醸し続けることで、歴史のなかで培われた確かな品質を守り続けているのです。

「常山」に込めた杜氏の想い

「常山」に込めた杜氏の想い

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常山酒造のモットーは、「飲む人と酒を通じて対話をする」こと。まるで美術品や音楽のように、一度飲んだら忘れられない、飲むことで心を豊かにするような日本酒造りをめざしています。
単に酔うだけの酒ではなく、特別なひとときに特別な人と飲む特別な酒、そうした幸せな気持ちにする日本酒造りこそが、常山酒造の信条です。

蔵元の名を冠する「常山」には、こうした杜氏たちの並々ならぬ想いが込められています。常山酒造は200年以上の歴史をもつ蔵元ですが、じつは「常山」という銘柄が誕生したのは、平成に入ってからのこと。
時代を超えて受け継がれてきた酒造りの技と精神を、今の時代に再確認するために、そして培ってきた歴史の結晶ともいえる日本酒とするために、あえて蔵の名を冠したのでしょう。
「常山」はまさに、蔵元の気概を込めた、常山酒造のメインブランドなのです。

「常山」らしさが光る超辛口

「常山」らしさが光る超辛口

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「常山」が人気を集める理由のひとつに、兵庫県産の「山田錦」、福井県産の「五百万石」、そして蔵人が栽培する「美山錦」という、多様な原料米の旨味を引き出していることがあります。
使用する米が異なるため、商品ごとに味わいもそれぞれ異なりますが、総じて「辛口」であることが大きな特徴といえます。

なかでもブランドを代表するのが「常山 純米超辛口」。使用する米は厳選された山田錦のみ。もろみを完全発酵させた超辛口で、スッキリとしたクリアな飲み口と、シャープなキレをたのしめます。料理の味を邪魔することなく引き立てるので、魚や米のおいしい福井の地で、食中酒としても好まれています。

常山酒造が得意な「超辛」の日本酒の定番品。辛口が好みであれば、ぜひ、試してみてください。

蔵の規模はけっして大きくないものの、確かな酒質が高評価の日本酒「常山」。飲む機会があったら、何度も復興を遂げてきた蔵元の歴史や杜氏たちの想いも感じてみてはどうでしょうか。

製造元:常山酒造合資会社
公式サイトはこちら

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