カンパリ®とはイタリア生まれの赤いハーブリキュール!手軽に作れるカクテルレシピも紹介
カンパリとは、イタリア生まれのハーブリキュール。鮮やかな赤色と独特の苦味が特徴で、食前酒やカクテルベースの定番として世界中で愛されています。今回は、カンパリの歴史や謎に包まれた原料、種類、おすすめのカクテルレシピまで、一挙に紹介します。
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カンパリとは鮮やかな真紅色が目を引くお酒。カクテルベースとしても不動の人気を誇っています。
カンパリ(CAMPARI)とはどんなお酒?
出典:「カンパリ」ブランドサイト
カンパリとは、オレンジやハーブの複雑なアロマと、ほろ苦くほのかに甘い味わいが唯一無二の存在感を放つ、イタリア生まれの真っ赤なリキュール。1860年にガスパーレ・カンパリ氏が創出した門外不出のレシピは160年以上大切に受け継がれ、現在では世界190カ国以上で愛飲されるハーブリキュールの一大ブランドとなっています。
イタリア生まれのハーブリキュール
カンパリはイタリア発祥の有名リキュールのひとつです。
「リキュール」とは、ベースとなるアルコールにさまざまな芳香性原料で風味づけし、糖類などを加えたお酒のこと。リキュールはおもな芳香性原料によって「香草・薬草系」「果実系」「種子・核系」「その他・特殊形」の4タイプに分けられますが、複雑なハーブやスパイスのフレーバーをもつカンパリは「香草・薬草系」のなかでもビター系の代表格ともいえるリキュールです。
カンパリの鮮やかな色彩と豊かな味わいは世界中で愛され、さまざまなカクテルのベースとして重要な存在になっています。さらにカンパリは、アペリティフ(食前酒)としても人気。きっとカンパリ独自のビターテイストと鮮やかな赤色が気持ちをさわやかにリフレッシュさせ、食欲を刺激する役割を果たしているのでしょう。
日本国内で販売されているカンパリのアルコール度数は25度。カンパリをソーダで割って「カンパリソーダ」を作ると、アルコール度数4〜6度程度と、一般的なビールや缶チューハイと同じくらいのアルコール感覚でたのしめるカクテルになります。
出典:「カンパリ」ブランドサイト
鮮やかなカンパリレッドが育む160年の歴史
カンパリの歴史のはじまりは1860年のイタリア。ミラノのドゥオモ(大聖堂)広場の一角でカフェを営むガスパーレ・カンパリ(Gaspare Campari)氏が、独創的なビターフレーバーをもつ自家製リキュール「ビッテル・アルーソ・ドランディア(Bitter All’uso d'Hollandia/オランダ風苦味酒)」を完成させます。
鮮やかな色彩に苦味の利いたこのオリジナルリキュールはたちまち評判となり、1867年にはミラノ文化の中心となる美しいアーケード「ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア」に「カフェ カンパリ」を出店。この店はのちに王族も訪れる名店に成長しました。
その後、息子であるダヴィデ・カンパリ氏が「ビッテル・アルーソ・ドランディア」という長いリキュール名を、家名の「カンパリ」に改名。イタリア国内での販売にとどまらずヨーロッパやアメリカなど世界中に販路を広げ、現在では世界190カ国以上で人気を博すリキュールとなっています。
カンパリの創始者ガスパーレ氏と息子ダヴィデ氏の創造性はカンパリのブランド戦略にも生かされ、1920年代という早い時期から当代一流のアーティストたちとコラボしたプロモーションをスタート。アートや広告の歴史にも確かな足跡を残していきます。
カンパリは、フェデリコ・フェリーニをはじめとする映画監督や世界的スターたちともコラボレーションを展開。これまで、数多くの小説や映画にも登場してきました。ペネロペ・クルスやエヴァ・グリーンを起用したカレンダーは広く注目を集めました。
唯一無二の味わいはもちろんのこと「アーティスティックでおしゃれなお酒」としてのカンパリファンを増やし続けています。
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原料はハーブやスパイス? 謎に包まれたレシピ
カンパリのレシピは1860年の完成当時から160年以上たった今も大切に受け継がれていますが、秘伝のレシピは厳重に管理され、表に出ることはありません。明言できる原料は、水とアルコールだけなのだそう。
謎に包まれたカンパリのレシピを解明するため、専門家が行った分析や官能検査(視覚や味覚、嗅覚など人間の感覚を使った食品や香料等の諸検査)によれば、カンパリの材料にはビターオレンジの果皮、キャラウェイ、コリアンダー、カルダモン、シナモン、ナツメグをはじめとする数十種類のハーブやスパイス、フルーツ、樹皮などが含まれていると推測されています。
しかし実際に使われている芳香性原料の種類や配合、抽出法などは依然として謎のまま。ひょっとすると、こうしたクラシカルでミステリアスなイメージも、カンパリが長く愛される理由のひとつなのかもしれません。
カンパリはどんな味?
出典:「カンパリ」ブランドサイト
カンパリの味わいは、他のどんなリキュールとも似ていない唯一無二のもの。鮮烈なパッションレッドの液体をグラスに注ぐと、まず立ちのぼってくるのは、オレンジやハーブ、かすかな花の香り。そしてほんの少し舌に乗せると、心地よい苦味が口のなかに広がります。さわやかさのあるハーブに加え、柑橘類の果皮や樹皮のほろ苦さがやさしい甘さと調和して、なんともいえない贅沢な味わいを堪能できます。
「香草・薬草系」のビターリキュールといってもいわゆる薬臭さは感じられず、また甘味がある分、ビールなどの苦味をあまり好まない人も飲みやすいかもしれません。
今度カンパリを飲むときは、謎に包まれた複雑な香りや味の正体にも思いをはせつつ、ゆっくり、じっくり味わってみてください。
カンパリの種類
アイコニックなボトルが目を引くカンパリの種類をみていきましょう。
カンパリ|ビターリキュールの代名詞
出典:CAMPARI JAPAN 株式会社サイト
現在国内で広く流通しているのが、鮮やかな赤色が特徴の「カンパリ」です。
「カンパリ」は、アペリティーボ(イタリア語で食前酒のこと)の象徴として、またソーダやトニックウォーターで割るだけの洗練されたイージーミキサーとして、さらに世界中で人気の定番カクテルのベースとしても、揺るぎない存在感を放つビターリキュールの代名詞ともいえるお酒。ほのかな甘味とほろ苦さ、鮮烈な赤色が特長です。
写真は700mlサイズですが、1,000ml、375ml、200mlなど複数のサイズが用意されているので、用途に合わせてチョイスしてください。
出典:「カンパリ」ブランドサイト
かつては無色透明のカンパリがあった!?
カンパリには、かつてふたつの種類がありました。ひとつは赤いカンパリ。「ビター・カンパリ」とも呼ばれるおなじみのカンパリです。もうひとつがほぼ無色透明の「コーディアル カンパリ」。コーディアル カンパリとはラズベリー(フランス語ではフランボワーズ)風味のスイートなリキュールで、残念ながら現在は終売となっています。
また過去には「カンパリ カスク テイル」や「カンパリ カスクテイル トリオ」といったプレミアムラインがリリースされたこともあります。
「カンパリ カスク テイル」は、カンパリを厳選されたバーボン樽に詰めてフィニッシュしたもの。一方の「カンパリ カスクテイル トリオ」は、アメリカ産バーボン(ワイルドターキー)樽、ジャマイカ産ラム(アプルトンエステート)樽、メキシコ産テキーラ(エスポロン)樽で約6カ月間寝かせて仕上げた3種のカンパリをセットにしたものです。
どちらも世界数量限定で発売された人気商品で、なくなり次第終了です。
カンパリを使ったカクテルレシピ
ここからは、カンパリを使った定番カクテルのレシピを紹介します。
カンパリ&ソーダ(カンパリソーダ)
出典:「カンパリ」ブランドサイト
1915年、ダヴィデ・カンパリ氏がミラノのガッレリアに新規オープンしたバー「カンパリーノ」。カンパリ&ソーダはこの店でもっとも人気のメニューであり、1世紀以上たった今も同じ作り方で愛され続けているカクテルです。ちなみに「カンパリーノ」での呼び名は「カンパリセルツ」。カンパリの芳香が炭酸の泡に弾けて、気分まで華やかにしてくれる1杯です。
<材料>
カンパリ…60ミリリットル
ソーダ(炭酸水)…適量
氷…適量
<作り方>
1. 氷を詰めたタンブラーにカンパリを入れます。
2. 冷えたソーダでタンブラーを満たし、軽くステアしてできあがり。
カンパリとソーダの割合は1:3を目安に好みで調整しましょう。ソーダの代わりにトニックウォーターを使うと「カンパリトニック」に、ソーダの半量をトニックにすると「カンパリソニック」になります。
アメリカーノ
出典:「カンパリ」ブランドサイト
カンパリとベルモットで作るシンプルなカクテル。1860年ごろに作られ、当初はミラノで造られるカンパリと、トリノで造られるスイートベルモットを1:1で合わせていたため、「ミラノ-トリノ」と呼ばれていました。
その後1900年代に入って、この「ミラノ-トリノ」をソーダで割るカクテル「アメリカーノ」が誕生しました。ちなみに「アメリカーノ」とはイタリア語でアメリカ人のこと。禁酒法前の時代にアメリカ人旅行客に人気があったことから名づけられたといわれています。
カンパリとベルモットの組み合わせは芳醇な香りと苦味、甘味のバランスがよく、それらを軽やかに仕上げてくれるソーダとの相性も抜群です。
<材料>
カンパリ…30ミリリットル
スイートベルモット(ベルモットロッソ)…30ミリリットル
ソーダ(炭酸水)…適量
氷…適量
<作り方>
1. 氷を詰めたロックグラスにカンパリとスイートベルモットを入れ、軽くステアします。
2. 冷えたソーダを注ぎ、軽くステアしてできあがり。
3. オレンジやレモンの皮を軽く搾ってグラスにあしらうと、より本格的な仕上がりになります。
カンパリ スプリッツ
出典:「カンパリ」ブランドサイト
「カンパリ スプリッツ」はカンパリをプロセッコ(イタリア・ヴェネト州で造られるスパークリングワイン)とソーダ水で割るカクテル。ブドウ本来の豊かな香りと新鮮な果実味が特徴のプロセッコとカンパリの組み合わせは極上です。
同じイタリア産どうしのお酒が互いの持ち味を引き立て合い、軽やかに華やかにたのしめるカンパリ スプリッツは、食前酒としても重宝されています。
<材料>
カンパリ…60ミリリットル
プロセッコ…90ミリリットル
ソーダ…30ミリリットル
氷…適量
<作り方>
1. 氷を詰めたワイングラスにカンパリ、プロセッコ、ソーダを注ぎ、炭酸が抜けないようごく軽くステアします。
2.あればオレンジのスライスをあしらってできあがり。
街のダイニングや居酒屋さんで気軽にたのしめる「カンパリソーダ」や「カンパリオレンジ」から、世界的に有名なイタリアンカクテル「ネグローニ」まで、幅広いシーンで愛されるカンパリ。1本あると家飲みのバリエーションが広がる、おすすめのリキュールです。
国内販売元:CAMPARI JAPAN 株式会社
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