ウイスキーとプリン体について、改めて考えてみよう!
プリン体の摂りすぎがカラダによくないのは、いまや誰もが知っています。では、ウイスキーにはどの程度プリン体が含まれているのでしょう? ウイスキー好きには常識ですが、健康が気になる人のために、ウイスキーとプリン体について改めて紹介します。
- 更新日:
プリン体の摂りすぎは痛風の原因に
ThamKC/Shutterstock.com
プリン体とは、窒素と炭素の化合物で、穀物、肉、魚、野菜など食物全般に含まれている旨味成分のこと。なかでも、レバー類や白子、イワシ、カツオ、エビなどの魚介類などに多く含まれています。
通常、プリン体は体内に摂りこまれると、分解されて尿酸に変化し、尿と一緒に体外へと排出されます。しかし、暴飲暴食などが原因でプリン体を摂りすぎると、尿酸の量が排出能力を超えてしまい、体内に尿酸が蓄積され、痛風の原因となるといわれています。
蓄積された尿酸はカラダの関節部分で結晶となり、そのまま放置すれば激しい関節の痛みを繰り返すようになるほか、腎臓や肝臓などにも悪影響を及ぼすおそれもあるのだとか。いずれにしても、プリン体の摂りすぎには注意が必要です。
ウイスキーに含まれるプリン体は控えめ
Eduard Valentinov/Shutterstock.com
ウイスキーなどの蒸溜酒に含まれるプリン体は、ビールなどの醸造酒に比べて少ないとされていますが、実際はどうなのでしょうか。公益財団法人 通風・尿酸財団が発表している「アルコール飲料中のプリン体含有量」をもとに見てみましょう。
アルコール飲料中のプリン体含有量(100ミリリットル中)
焼酎:0.0ミリグラム
ウイスキー:0.1ミリグラム
ブランデー:0.4ミリグラム
日本酒:1.2ミリグラム
ビール:ビール:3.3~6.8ミリグラム
発泡酒:2.8~3.9ミリグラム
紹興酒:11.6ミリグラム
ご覧のように、ウイスキーや焼酎、ブランデーなどの蒸溜酒は、ビールや紹興酒などの醸造酒に比べてプリン体の含有量が大幅に少ないことがわかります。
この結果を見ると、ビールや発泡酒にあえて「プリン体オフ」をうたった商品が多い理由もわかるというものです。
ウイスキーにプリン体が少ない理由
Jake Hukee/Shutterstock.com
ウイスキーのような蒸溜酒にプリン体が少なく、醸造酒に多いのには理由があります。ビールや日本酒などの醸造酒には、原料となる麦芽や米に含まれるプリン体がそのまま含まれています。
一方で、ウイスキーやブランデー、焼酎などの蒸溜酒は、その製造過程で原料に含まれるプリン体の大半が取り除かれます。
ちなみに、ウイスキーの熟成に使用するホワイトオークの樽が発する独特の香りには「ポリフェノール」が含まれていて、尿酸の排出を促し、血中の尿酸濃度を下げる効果が期待できるといわれています。
健康診断などで尿酸値が気になっているという人にとっては、ウイスキーはありがたい飲み物といえるかもしれませんね。
ウイスキーは数あるお酒のなかでもプリン体が少ないのが特徴。最近、尿酸値が気になるという人は、晩酌をビールからウイスキーに変えてみるのもおすすめです。
※このコンテンツはかしこくお酒をたのしむための知識を得るためのものであり、多量の飲酒を推奨したり、お酒に含まれる成分の効果・効能を保証するものではありません。