「東光(とうこう)」城下町、米沢で育まれた歴史ある名酒【山形の日本酒】

「東光(とうこう)」城下町、米沢で育まれた歴史ある名酒【山形の日本酒】
出典 : 小嶋総本店サイト

「東光」は、おいしい日本酒を探していれば、必ず出会うとまでいわれる銘柄です。ベーシックでありながら、日本酒好きの心をとらえる深い味わいは、どのようにして生み出されているのでしょう? その秘密を探ってみました。

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東光を支える、400年にわたって受け継がれる酒造りへの想い

東光を支える、400年にわたって受け継がれる酒造りへの想い

出典:小嶋総本店サイト

「東光」は、安土桃山時代に創業した、山形県でも有数の老舗蔵、小嶋総本店が醸す日本酒です。この酒蔵は、城下町米沢において約400年にわたって酒造りを続けてきました。江戸時代に何度か「禁酒令」が出された時にも、米沢城主である上杉家の御用酒屋として、特別に酒造りを許されていた数少ない造り酒屋のひとつといわれています。

東光の味わいは、山形杜氏がおいしい米と伏流水を使って仕込み、寒造りの低温長期発酵によって育まれたもの。長い歴史を経ても、基本的な造り方に変わりはありませんが、その味は年々進化しています。その根底には「自然の恵みを微生物が醸して酒になる」という酒造りの原点と、真摯に向き合う姿勢があるのだとか。

日本酒は、天然原料をもとに、複数の微生物の働きによって醸されますが、天然原料は品質にばらつきがあるので、蔵人の目と手仕事が品質を左右します。一つひとつの工程に目を光らせ、手を抜くことなく、きっちりと手をかける、そうしたていねいな作業が、東光の味を向上させ続けているのです。

東光の安定した味は自家精米だから出せる

東光の安定した味は自家精米だから出せる

出典:小嶋総本店サイト

「東光」を生んだ小嶋総本店のモットーは「田んぼから始まる酒造り」。米作りに適した土地柄を最大限に活かすために「米沢酒米研究会」を立ち上げ、契約農家とともに米作りに取り組んできました。酒の仕込みは冬に行われるため、夏は米作り、冬は酒造りというサイクルで、深く原料と向き合っているのです。

東光の原料となるのは、手塩にかけて育てた良質な酒米を自家精米したもの。コンピューターを導入した最新式の精米機で、全量を自家精米するというこだわり方です。
早く削ると米が割れてしまうため、じっくりと行うことが大切なため、60%に磨くまでに24時間、50%までは48時間ほどもかかるそうです。

良質な酒を造るために、原料となる米作りから妥協しない。東光は「日本酒の命は米と水」という当たり前のことを実感できる日本酒だといえるでしょう。

東光の魅力は日常に寄り添う飲み飽きない味

東光の魅力は日常に寄り添う飲み飽きない味

Nishihama/ Shutterstock.com

「東光」がめざしているのは「1日の終わりに飲んで、心をほぐす晩酌の酒」。毎日飲むものだからこそ、おいしい酒を提供したいという信念のもと、食事と一緒にたのしめる酒であることを大切にしています。

最近の日本酒には、合わせる料理を選ぶものもありますが、東光は、食事にそっと寄り添う硬派な酒。酒の味だけが前に出すぎない、誰が飲んでもおいしいと感じる味わいです。

高級酒としては比較的、買いやすい価格帯なので、ワンランク上の普段飲みの酒として、常備しておきたい銘柄です。

東光の蔵元、小嶋総本店では、毎年秋に「蔵開き」を開催しています。蔵の見学や限定酒などに触れることができるイベント。興味がある人は、訪れてみてはいかがでしょうか。

製造元:株式会社小嶋総本店
公式サイトはこちら

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