幻の日本酒【而今(じこん)】今を生きる酒

幻の日本酒【而今(じこん)】今を生きる酒
出典 : marcin jucha /shutterstock.com

「而今」は「幻の日本酒」として名高い日本酒です。蔵元の木屋正酒造は、江戸時代後期に創業した200年の歴史をもつ老舗。その伝統を大切にしながら、先進的な技術と融合させることで生まれた「而今」は、日本酒ファンから熱い支持を得ています。

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「而今」とは、過去にも、未来にもとらわれない「今を生きる酒」

「而今」とは、過去にも、未来にもとらわれない「今を生きる酒」

Min C. Chiu /shutterstock.com

「而今」という言葉には「過去にも未来にもとらわれず、今をただ精いっぱい生きる」という意味があります。この言葉を銘柄にした日本酒「而今」は、三重県名張市の老舗酒蔵、木屋正酒造の6代目蔵元である大西唯克氏が、まさにその言葉の精神のもとに造り出した日本酒です。

木屋正酒造は文政元年(1818年)創業という老舗の酒蔵。こう聞くと、「而今」もさぞ歴史のある日本酒かと思われがちですが、その誕生は2005年のこと。歴史ある酒蔵から生まれた新しい酒、それが而今の最大の特徴といえるでしょう。

大西氏が蔵を継いだ当時、主力としていたのは「高砂(たかさご)」という銘柄でした。しかし、その品質に飽き足らなかった大西氏は、今の時代のニーズにあった新しい酒造りを実現しようと、新銘柄の開発に挑戦。その成果が花開いたのが「而今」でした。

「而今」が意味する「今を生きる」とは、過去を捨てることでも、新しいものを否定することでもありません。
洗米から麹造りまで、各工程に機械を導入せず、手作業でしか出せない味を追求する一方で、徹底した温度管理などデータと理論による酒造りを導入。そうした工夫を積み重ねることで、フレッシュでジューシーな味に仕上がった日本酒が「而今」です。

木屋正酒造にとっての酒造りとは、「伝統的な匠の技」と「最先端のテクノロジー」の融合であり、その結晶が「而今」という新時代の日本酒にほかならないのです。

「而今」は火入れの技術がさえる酒

「而今」は火入れの技術がさえる酒

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「而今」の大きな特徴のひとつが、多品種少量生産であること。品種の違いは、おもに酒米の種類によるもので、「伊賀山田錦」「愛山」「千本錦」など、各種の好適米を用いて月ごとに違う品種を出荷しています。さらに「生タイプ」と「火入れタイプ」に分ければ「而今」は20種類近くにもなります。

とはいえ、「而今」シリーズの味わいは一貫しており、いずれも香り高く、果実を思わせるジューシー感あふれる甘味と酸みのバランスが絶妙な日本酒です。

どれをとっても魅了される「而今」シリーズですが、なかでも評価が高いのが「火入れ酒」なのだとか。
「火入れ」とは、これ以上発酵が進まないよう、搾られた日本酒に熱処理を加えて品質を安定させること。
一般的には、火入れをすることで、「生酒」のフレッシュ感がなくなる分、落ち着いたまろやかな味わいになるといわれています。
「而今」のすごさは、火入れ酒でありながらも、生のフレッシュ感が失われていないこと。

米本来の甘味を引き出し、過度な酸味が出ないよう工夫した成果が、こうした「而今」ならではの魅力に現れているのです。

「而今」は今も進化を続ける酒

「而今」は今も進化を続ける酒

Billion Photos /shutterstock.com

「而今」は大西氏が精魂を込めた甲斐あって、「新時代の日本酒」として脚光を浴びます。

「而今」が、日本で最も権威のある日本酒品評会といわれる「全国新酒鑑評会」で初めて金賞に輝いたのは、誕生間もない2005年のことでした。
こうした評価に満足することなく、木屋正酒造は、その後も自ら杜氏を務める大西氏の指揮のもと、一切の妥協を許さない「而今の精神」で酒造りを続けています。

その結果、「而今」は同会の受賞常連となっており、今では日本酒好きで「而今」の名を知らぬ者はいないほどの人気となっています。

今も、さらなる進化を続ける名酒「而今」。入手困難な逸品ながら、何度でも手に入れて、その進化を見守り続けたいものです。

「而今」らしさを失うことなく、それでも新しいチャレンジは続けていく。その姿勢から生み出される至高の味わいに、日本酒ファンは惹かれてやみません。


製造元:木屋正酒造合資会社
公式サイトはこちら

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