グリーンピースにピーマン?ご当地の個性的なおすすめ焼酎を飲み比べ!
芋、麦、米のほかにも、味のバリエーションがとても豊富なのも焼酎ならでは。意外なものから造られる、ユニークな原料の焼酎に注目してみましょう。
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こんなものからも造られる、多彩な原料
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焼酎の味は、米や麦などで造った麹から醪(もろみ)を造り、その醪に混ぜて蒸留する材料によって決まります。芋焼酎のサツマイモ、麦焼酎の麦、米焼酎の米以外にも、さまざまな材料で焼酎を造ることができるのです。デンプン質の多いものが造りやすいといわれていて、その土地の産物を原料にした焼酎が生まれているのも興味深いところ。
焼酎は酒税法上、蒸留の方法によって「甲類焼酎」と「乙類焼酎」の2種類があります。乙類焼酎を「本格焼酎」といいますが、製造方法の違いだけでこう呼ばれているわけではありません。「本格焼酎」とは、規定の素材、麹、水以外の添加物を一切加えない焼酎のこと。「本格焼酎」と名乗るためには麹原料として必ず穀類か芋類、これらの麹を使わなければならないのですが、加える原材料も法律で細かく決められています。
以下はその決められている原材料です。
あしたば、あずき、あまちゃづる、アロエ、ウーロン茶、梅の種、えのきたけ、オタネニンジン、カボチャ、牛乳、銀杏、くず粉、クマザサ、栗、グリーンピース、こならの実、ゴマ、昆布、サフラン、サボテン、シイタケ、シソ、大根、脱脂粉乳、タマネギ、つのまた、つるつる、とちのきの実、トマト、なつめやしの実、ニンジン、ネギ、のり、ピーマン、ひしの実、ひまわりの種、ふきのとう、べにばな、ホエイパウダー、ほていあおい、またたび、抹茶、まてばしいの実、ゆりね、よもぎ、落花生、緑茶、レンコン、ワカメ
※国税庁HPより
旅先でご当地の個性的な焼酎をたのしんでみてはいかがでしょうか。
野菜で造る! じゃがいも、ニンジン焼酎
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その土地の風土や気候、歴史を色濃く感じさせる、野菜で造る焼酎のバリエーションが増えています。その背景にも目を向けたいもの。
◆じゃがいも焼酎/「じゃがたらお春」
長崎県はいわずと知れた、海外文化の伝来の地。じゃがいもは17世紀頃にオランダ人が長崎の出島に持ち込んだのが日本に伝わった起源といわれています。長崎県は北海道に次ぐじゃがいもの産地で、スッキリ、まろやかな味わいのじゃがいも焼酎は地元で愛飲されています。蔵元は1688年の創業で、現在は14代目が蔵主を務めています。
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◆じゃがいも焼酎/「伍升譚(ごしょたん)」
50以上の品種を作付けしている、全国一のじゃがいもの収穫地・北海道。なかでも大雪山国立公園十勝岳連峰の麓に広がる美瑛町産のじゃがいもを使用した焼酎です。その昔、ひと株に五升(約10キログラム)の実がついたことからじゃがいもは「五升芋(ごしょういも)」とも呼ばれたとか。軽やかな香りと淡麗な味わいが特徴です。
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◆ニンジン焼酎/「かかみ野」
創業明治27年、5代目が杜氏を務める酒蔵が造るニンジン焼酎。地元・各務原は「各務原ニンジン」という通称も持つニンジンの産地で、伊吹農法と冬越し栽培で糖度を高めたニンジンを使って焼酎造りを行なっています。地下を流れる長良川伏流水を仕込み水に使い、ほんのり甘さを感じる、スッキリマイルドな味わいです。
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昆布の旨味が活かされた味わいの昆布焼酎
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海藻でも焼酎を造れることは知っていますか?
◆昆布焼酎/「黄金譚(こんかねたん)」
北海道礼文島産の昆布を使用した、豊かな香りと爽やかな味わいが特徴の焼酎。北の荒海で育った最高級の昆布の旨味が活かされています。夕日の神様が若い漁師夫婦にカモメを通じて伝えたお告げにより、昆布が島の名産になったという民話があり、夕日に照らされた昆布が黄金草(こんかねそう)と呼ばれることからつけられた名前です。
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健康志向でますます人気が高まるゴマ焼酎
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健康によいとされるゴマの秘めた力が注目されるゴマ焼酎も最近の人気ものです。
◆ゴマ焼酎/「黒胡宝(くろこほう)」
2006年に発売開始された日本初の黒ゴマが原料の焼酎。1本(720ミリリットル)の焼酎になんと約3万6000粒を使っていて、その豊かな風味は衝撃的。厳選した黒ゴマを粒のまま焙煎し、すりつぶして米の麹に加えています。黒ゴマを加えるタイミング、そしてその量が大きな鍵なのだとか。ビタミンやカルシウムを含むごゴマ栄養分による健康効果も期待できそう。
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今まで麦、米、芋の焼酎しか飲んだことがなかった人は、ぜひ、一度、さまざまな原料で造られた焼酎を飲み比べしてみては。