ウイスキーは原材料で変わる! ウイスキーの種類を知る
ウイスキーにもいろいろ種類がありますが、まずは原料と蒸留方法の違いで大きく「モルトウイスキー」と「グレーンウイスキー」2つの種類に分けることができます。それぞれの原料の特徴と味わいの差を知って、ひとつうえのウイスキー通を目指しましょう。
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モルトウイスキーの原料と特徴
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モルトウイスキーとは、大麦麦芽(モルト)のみでつくられるウイスキーのことをいいます。単式蒸留器で2~3回蒸留されるモルトウイスキーは、蒸留の過程でさまざまな香りや味わいを持つため、それぞれ個性豊かなウイスキーに仕上がるのが特徴です。
モルトウイスキーのなかでも、単一の蒸留所でつくられた原酒を瓶詰したものを「シングルモルト」、複数の蒸留所でつくられたモルトウイスキーを組み合わせたウイスキーを「ブレンデッドモルト」と呼びます。なかでも「シングルモルト」はそれぞれの蒸留所ごとの独自の味わいが出るため、ウイスキー通の間にも愛好家が多いウイスキーです。
グレーンウイスキーの原料と特徴
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グレーンウイスキーの主原料は、トウモロコシや小麦などの穀物です。蒸留はおもに連続式蒸留器で連続して行われるため、モルトウイスキーにくらべると癖の少ないものに仕上がります。
グレーンウイスキーは大量生産が可能なため、モルトウイスキーよりも手軽な価格でたのしめるのが魅力のひとつ。また、モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドした「ブレンデッドウイスキー」はもっとも流通量が多く、世界のウイスキーの7~8割を占めるといわれています。
また、原材料の51%はトウモロコシを使い、内側を焦した新樽で熟成したアメリカンウイスキーをバーボンと呼びます。バーボンはアメリカの法律で「原料の穀物中にトウモロコシを51%以上含み、80度以下で蒸留し、さらに内面を焦がしたホワイトオークの新樽で、アルコール度数62.5度以下で熟成したもの」と定義されており、このうち2年以上貯蔵されたものが、「ストレートバーボンウイスキー」を名乗ることができます。
ライ麦で造られるウイスキーもある
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大麦やトウモロコシのほかに、ライ麦を原料にしているウイスキーもあります。ライ麦の特徴は、胡椒のようなスパイシーな香り。ライ麦を使って造るウイスキーの代表は、カナディアンウイスキーです。
ライ麦が主原料のフレーバリーウイスキーに、トウモロコシが主原料の雑味のないマイルドに仕上げたベースウイスキーを合わせます。穀物由来のライトでマイルドな風味は初心者にも飲みやすいウイスキーのひとつです。そのほか、トウモロコシが主原料のバーボンにブレンドされたもの、ライ麦のみのライウイスキーも存在します。
たとえば、人気バーボンの「ノブクリーク」。“禁酒法以前の力強いウイスキーの復刻”をコンセプトにした「ノブクリーク ライ」は、コンセプト通りの力強い味わいとライ麦由来のスパイシーさを兼ね備えたウイスキーです。
それぞれの原料の違いでも奥深い味わいを試すことのできるウイスキー。個性を知っておけば、ウイスキー選びがもっとたのしくなりますよ。