ウイスキーの代名詞、スコッチウイスキーが愛される理由
ウイスキー発祥の地ともいわれ、世界五大ウイスキーのなかでもっとも存在感があるスコッチウイスキー。世界中のウイスキー通のみならず、ウイスキー初心者の心も離さないその味わいとはどんなものなのでしょうか?
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スコッチウイスキーの歴史を紐解く
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なぜスコッチがこれほど突出した存在感を放っているかといえば、原料となる大麦の生産地であり、ピートを作り出す土壌、熟成に向いた冷涼な気候など、ウイスキー造りの理想的な環境がすべて揃っているからです。
スコットランドでは公式記録上1494年にはウイスキーが作られていたとされており、その歴史は500年以上。もっとも、当時は現在のウイスキーとは大きく異なり、ウォッカやジンのような透明なスピリッツ。
今のような琥珀色のウイスキーが生まれたのは、スコットランドがイングランドに併合されるなど歴史的な要素が影響して長らく密造時代が続いていたことが要因。ウイスキーをシェリー樽に隠していたことが偶然、琥珀色のまろやかなウイスキーを生み出したといわれています。
長い密造時代を経て、ウイスキーが公に日の目を見るのは1823年。グレンリベット蒸留所を皮切りに、非合法で製造していた約400の蒸留所がその後10年で合法の蒸留所になり、現在のウイスキー王国の礎となりました。
スコッチウイスキーの香りと味わい
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北海道よりも小さな面積の国で世界のウイスキー全消費量の6割近くが造られているという事実からも、スコットランドがいかにウイスキー王国であるかがわかります。
スコッチウイスキーのおもな種類は、原料と製法の違いで「モルトウイスキー」と「グレーンウイスキー」に大別されます。製品としては、モルトとグレーンを混ぜあわせた「ブレンデッドウイスキー」と、単一の蒸留所のモルトのみを瓶詰めした「シングルモルトウイスキー」が二大勢力。
とくに個性が出やすいシングルモルトは地域、蒸留所ごとに幅広い味わいがあり、旅する気分でシングルモルトの世界をたのしむことができます。とはいえ、スコッチの8割はブレンデットウイスキー。初心者でも飲みやすいタイプから個性派までそのバリエーションは幅広く、スコッチの世界の奥深さを感じさせます。
魅力的なスコッチを生む6つのエリア
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スコットランドが個性豊かなウイスキーを多数生み出している要因のひとつが、地域ごとに風土を活かしたウイスキー造りを行っていること。生産エリアは「ハイランド」「スペイサイド」「ローランド」「キャンベルタウン」「アイラ」「アイランズ」と6地域に分類。
ライトタイプなローランドから、ヨード香、ピート香といったもっとも個性の強いタイプのスコッチをつくるアイラまでバリエーションも幅広く、スコッチのなかだけでも十分、飲み比べがたのしめるほどです。
ウイスキー初心者からツウな愛好者まで、どのステイタスでも受け入れてくれる懐の深さもスコッチウイスキーの魅力です。