焼酎の割り方によって変えてみたいグラスいろいろ
おいしいお酒を見つけたら、もっとおいしく飲めるように酒器にもこだわりたいですね。割り方によって酒器を変えるのはよくあります。焼酎は産地によって味わいも違いますが、器の形も様々。今度焼酎を飲むときは、どんな器で飲みましょうか?
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割り方によって酒器を変えよう
Kira Garmashova/ Shutterstock.com
突然ですが、焼酎の飲み方にはルールがあると思いますか?
日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)、NPO法人FBO(料飲専門家団体連合会)公認の「焼酎検定」初級の問題です。
問題・
焼酎の飲み方(割り方)で正しい説明はどれでしょう?
A ・ストレートで飲まなくてはいけない。
B ・お湯割りで飲まなくてはいけない。
C ・ストレート、オンザロック、水割り、お湯割りなど飲み方は自由。
正解はもちろん「C」です。焼酎にはこう飲まなくてはならない、という決まりはありません。
けれども、飲み方によって味や香りのたのしみ方が変わってくるのも本当です。心を込めて造り上げた醸造家たちによる、その1本に最適な飲み方のアドバイスがあります。
ここであらためて、焼酎の飲み方、そしてそれに合う酒器について知っておきましょう。
◆ストレート/
まず、焼酎本来の味や香りを味わいたいなら、常温でそのまま飲みます。小さめのグラスで香りを鼻に集めながら、また日本酒にも使えるような白い猪口で色を確かめながらでもOK。香りの高い、アルコール度数の高めの本格焼酎が最適です。
◆ロック/
ロックグラスに大きめの氷を入れて、濃い味わいを水となじませながら、目と口でたのしみます。氷は高純度の水を凍らせた、溶けにくい、コンビニなどで販売されている市販の氷を使いましょう。グラスはクリスタル製のほか、陶器、磁器の器も雰囲気があります。
◆水割り/
水割りにする時は、最初に焼酎をグラスに入れます。ゆっくりと水を注いで、混ぜないことがコツ。伝統的な水割りの割合は、焼酎対水が8対2。アルコール度数の高い焼酎であれば、7対3くらいがおすすめです。水道水ではなく、ミネラルウォーターを用意して、好みで硬水や軟水を使い分けてみましょう。手に馴染みの良いタンブラーを用意できると、よりリラックスした時間がたのしめます。
◆お湯割り/
器に60〜70度くらいのお湯を注ぎ、その上に置くようなイメージで焼酎を足してみましょう。温度差で対流が起こり、まろやかで、香りがより引き立ってきます。7対3(シチサン)、6対4(ロクヨン)、5対5(ゴーゴー)など、自分にとって最適な香りと味のバランスを探してみたいもの。
◆燗/
焼酎も日本酒のように燗でもたのしめます。鹿児島や沖縄で使われている「ヂョカ」という平たいヤカンのような器は、前もって焼酎と水を混ぜておき、40度前後に弱火で温めて飲みます。ちなみに高台(器の底につけられた台)のついた盃であれば、燗をつけた酒も冷えにくいのでぜひ。
ほかにも炭酸と割って焼酎ハイボールにしたり、スライスレモンや梅干しを加えてみたり、創作カクテルに使われることも。自由にたのしめるお酒、それが焼酎なのです。
産地によっても特色のある酒器がある
写真/Kuma Shochu Makers Association
焼酎は、土地によって器にも特徴があります。
「泡盛」が作られる沖縄では、「カラカラ」と呼ばれるとっくりが使われています。鏡餅状の胴体に細長い注ぎ口がつき、取っ手がありません。取り出せないビー玉のようなものが入っていて、空になった容器を振ると「カラカラ」と音がするため、この名前がついたという説があります。
日本有数の米焼酎である「球磨焼酎」は、ぜひ「ガラ」と「チョク」でたのしみたいもの。フラスコの胴に長い注ぎ口を付けた酒器「ガラ」とやや小ぶりの猪口「チョク」は、熊本県球磨地方で使われる焼酎酒器。このまま1分程度、火にかけて温めて、燗でたのしみます。また、「ソラギュウ」という独特な形の猪口もあります。コマのように底が尖っていて、飲み干すまではテーブルに置けません。
焼酎の香りや味わいの違いをたのしむように、器による違いもたのしめますね。