焼酎王国鹿児島の黒糖焼酎を飲む
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鹿児島の黒糖焼酎
写真/© K.P.V.B
黒糖焼酎とはその名の通り、黒糖、つまり黒砂糖を原料とした焼酎。その特徴は口当たりの甘さ。でもこれは黒糖の甘さ、つまり糖度によるものではありません。蒸留することにより黒糖に含まれる様々な香味成分がアルコールと混ざり合い、独特の甘い風味を生み出します。焼酎は蒸留の過程で糖分はすべて除去されるので、最終的には糖分は0%。
黒糖を材料にした蒸留酒と言えばラム酒がありますが、黒糖焼酎には米麹も使用されており、ラム酒とは異なる旨みとコク、すっきりとした甘味を生み出しています。
現在、黒糖焼酎は鹿児島市から南へ約380キロメートル離れた奄美大島、喜界島、徳之島、沖永良部島、そして与論島の奄美群島の5島にある27の蔵元でのみ製造されています。軽く華やかな味わいのものからコクのあるタイプまで、島ごと蔵ごとに多彩な個性の黒糖焼酎を造っています。
老舗蔵で造る「朝日」
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奄美群島で最初に朝日を望む喜界島。ここで1916年(大正5年)から酒造りを行う、島で一番の老舗蔵が「朝日酒造」。その社名を冠した代表銘柄が「朝日」です。
原料となる黒糖は沖縄産のサトウキビだけでなく、島内の自社農園で栽培したものも使用します。この黒糖に白麹、隆起サンゴ礁に磨かれた島の湧水を加えて蒸留。できあがった焼酎はアルコール度数30度とやや高めで、その特徴は黒糖の優しい香り、まろやかですっきりとした飲み口です。
飲み方としては黒糖の香りをより引き立てるお湯割り、コクとキレが際立つロックがおすすめです。
さらに黒糖の香りを立たせながらもスッキリとした味わいが楽しめる黒麹仕込みの「壱乃醸 朝日」、低温発酵によって生まれるフルーティーでやわらかな味わいが特徴の「飛乃流 朝日」など、「朝日」の姉妹酒も評判です。
朝日の詳細はこちら
http://www.kokuto-asahi.com/
蔵元のロングセラー「弥生」
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奄美群島の中でも最も大きい奄美大島。島内にある弥生焼酎醸造所は1922年(大正11年)創業の奄美大島最古の蔵元です。その社名をドンと押し出す黒糖焼酎「弥生」は、創業以来のロングセラー銘柄です。
米麹造りも自社で行い、昔ながらの常圧蒸留、さらに甕壺に1~2年間熟成。白麹仕込みの「弥生」の特徴は、やわらかい口当たり、インパクトのある喉ごし、その後じんわり広がる黒糖の香り。その味わいをダイレクトにたのしみたいなら、ぜひロックで。
また、焼酎の主原料かつ、奄美大島の特産である黒糖をアテ(つまみ)に味わう「親子飲み」もおすすめ。お湯割りはもちろん、前日に水で割った前割りでたのしむのもいいですね。
この白麹仕込みの「弥生」はアルコール度数25度、30度の2種類のほか、黒麹で仕込んだ地元鹿児島限定の「黒麹仕込弥生」もあります。
弥生の詳細はこちら
http://www.kokuto-shouchu.co.jp/
奄美の天然水と黒糖で造る「珊瑚」
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