芋焼酎といえば鹿児島ですが、実はかつては米焼酎が作られていました
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焼酎王国鹿児島を知ろう
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鹿児島の焼酎といえば、麦や米ではなく芋焼酎が主流。鹿児島県には日本酒造りを行う蔵元は1軒ほどで、その他の100軒以上が芋焼酎を製造しています。
鹿児島で芋焼酎が造られたのは、約300年前の江戸後期。このころまで雑穀での焼酎造りが行われていましたが、桜島からの火山灰に覆われたシラス台地は米作りに適さず、主原料の米は非常に貴重なものでした。そこで、やせた土地でもよく育つサツマイモの栽培。大量収穫が可能になったことにより、焼酎の主原料も米からサツマイモに切り替わり、芋焼酎が広まっていったのです。
数多くの人気銘柄がある鹿児島の芋焼酎ですが、ここでは、女性や若手の杜氏が造る注目の銘柄を紹介します。
女性杜氏が作る「太古屋久の島」
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1960年屋久島で焼酎造りをはじめた本坊酒造。50年以上に渡り、屋久島の大自然に包まれた焼酎蔵が「屋久島伝承蔵」です。その「屋久島伝承蔵」で、手造り甕仕込みで造られたのが「太古屋久の島」です。屋久島の軟水と良質なサツマイモ、女性杜氏の繊細な技術が生む、豊かな香りと芳醇なコクが特徴。比較的クセがなく飲みやすい味わいです。地元の人は、お湯割りで飲むのが主流ですが、ロックや水割りにしてもおいしいです。
若手杜氏が活躍!「天狗櫻」
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明治27年創業の白石酒造の看板芋焼酎が「天狗櫻」です。麹付けは石室、仕込み用の甕は古式、木樽蒸留など伝統的な昔からの手法を用いて造られています。伝統を重んじ、古くからの手法で芋焼酎造りを行うのは5代目の若き杜氏。地元の契約栽培米を麹米に、地元の無農薬有機栽培のサツマイモを中心に原料として使用し、その土地の風土を大切にした焼酎造りを行っています。
力強い芋の香りとなめらかな口当たりで、地元にもファンの多い銘柄です。
大学との共同開発「進取の気風(しんしゅのきふう)」
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