黒糖焼酎と同じく黒糖を原料とする酒で有名なのは…?
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黒糖焼酎ってどんなもの?
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焼酎はその土地の特産物と密接な関係を持っています。例えばさつまいもの名産地である鹿児島県や宮崎県では芋焼酎、長崎県の穀倉地帯では麦焼酎、長野県や北海道などのそばの産地ではそば焼酎の製造が盛んです。
では、黒糖焼酎の原料は何で、どこで作られているのでしょうか?
その答えは、さとうきび。草丈が3メートルにもなるさとうきびが栽培されているのは沖縄、そして種子島以南の島々です。そのさとうきびから作られる黒糖を原料とする黒糖焼酎は、喜界島、奄美大島、徳之島、沖永良部島、与論島の5つの島からなる奄美群島でのみ、作られています。
同じ黒糖を原料とする酒で有名なのは、カリブ海諸国で作られる「ラム」。黒糖焼酎は「和製ラム」と呼ばれることもありますが、この2つのお酒は全く別物。その違いは発酵過程において、米麹を使っているかどうかです。
黒糖焼酎は原料が砂糖なのでとても甘いと勘違いされがちですが、決してそうではありません。黒糖焼酎だけに限らず、蒸留過程で原料に含まれている糖分はエチルアルコールに変化するからです。
なお、原料の黒糖には蔗糖(ショ糖)、ブドウ糖、果糖、さらにカリウムやカルシウムなどのミネラルやビタミンが含まれており、黒糖焼酎は弱アルカリ性の酒です。健康維持にはアルカリ性食品の摂取が必要といわれており、黒糖焼酎を始め、黒糖成分を口にする機会の多い沖縄や奄美群島に長寿の方が多いのと、関係があるのかもしれませんね。
ほんのり甘さを感じる淡い香りの黒糖焼酎は、焼酎独特の臭みもなく、比較的飲みやすいといわれています。その独特なコクとまろやかさをたのしみたいなら、まずはお湯割りを。人肌より少し熱いくらいの温度で口に含むと、優しくふくよかになった味や香りを堪能できます。強いお酒が苦手な方や甘系が好きな方は、牛乳で割って、砂糖を少し加えてみては。焼酎臭さが抜けてよりマイルドな味わいになり、飲みやすくなります。
ユニークな酒造りが注目度の高い「れんと」
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ここでは、代表的な黒糖焼酎を紹介します。
スピーカーから流れるクラシック音楽が振動として貯蔵タンクに伝わり、ゆっくりと熟成を進めさせる「音響熟成」など、ユニークな酒造方法で知られている奄美大島開運酒造。海のように青いボトルが印象深い「れんと」は飲みやすいと評判のベストセラーです。
奄美大島開運酒造
http://www.lento.co.jp/
生産量が少なく希少な甕仕込みの「龍宮」
写真/PhotoAC
富田酒造場は、奄美大島の中心地にある、家族経営の小さな酒蔵。540リットルの大きなかめ壺を使って昔ながらの仕込み方法が行われています。国産米の黒麹を使った「龍宮」は、かめ仕込み特有のしっかりした味が印象深いです。穏やかな味わいと軽やかな喉越しが愛されています。
富田酒造場
http://www.kokuto-ryugu.co.jp
奄美黒糖焼酎の大定番「朝日」
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