富士御殿場醸造所の歴史と銘柄を知ってみよう

富士御殿場醸造所の歴史と銘柄を知ってみよう

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富士御殿場蒸溜所誕生の歴史

富士御殿場蒸溜所誕生の歴史

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1973年にウイスキーの生産を始めた富士御殿場蒸溜所。現在はキリンビールの単独所有になっていますが、もともとはシーグラム社とその傘下のシーバスブラザース社、キリンビール社の3社の共同出資で設立したキリン・シーグラム社の蒸溜所としてスタートしました。

そのため、モルトウイスキー造りは、スコットランドのシーバスブラザース社、グレーンウイスキーはカナダのシーグラム社、それぞれの高い技術が詰め込まれたウイスキーに。また、使用する酵母も各社の約20種類のなかから5種に搾り込んだ酵母を使って、3社の力をあわせて独自のウイスキーを造り上げています。

富士御殿場蒸溜所は、モルトウイスキーとグレーンウイスキーを同時に造る高い技術があり、さらに生産、貯蔵、ボトリングまで一貫して行っている世界でも珍しい、ウイスキー製造のすべてを行う蒸溜所です。

創立当初から変わらないのは、富士山の伏流水と厳選された酵母、アルコール度50%での小樽熟成。まろやかでフルーティーな味わいに、長年愛飲するファンが絶えません。

グレーンウイスキーへのこだわり

グレーンウイスキーへのこだわり

jazz3311/ Shutterstock.com

数々のこだわりを持つ富士御殿場蒸溜所ですが、グレーンウイスキーへのこだわりが最も強いといわれています。グレーンウイスキーの蒸溜には、一般的な連続式蒸溜器のほか、ケルトという蒸溜釜やバーボンで使うダブラーという蒸溜器を使います。これにより、グレーンウイスキーを3種類造り分けています。

ブレンデッドウイスキーを造る場合、通常のグレーンウイスキーの立ち位置は、モルトウイスキーを飲みやすくするために使われることが多いのですが、富士御殿場蒸溜所ではグレーンウイスキーもブレンデッドウイスキーを造る上で味わいを決める重要なものと位置付けています。風味豊かなグレーンウイスキーをブレンドすることで、ブレンデッドウイスキー全体の味わいを引き上げているといえます。

そのこだわりは、「キリンウイスキー 富士山麓 ブレンデッド 18年 2016」が世界的な酒類品評会である「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)2017」で金賞を受賞したことでもわかります。また、同時に「富士御殿場蒸溜所 シングルモルトウイスキー AGED 17 YEARS SMALL BATCH」と「The Fuji Gotemba Distillery Blender’s Choice シングルモルトウイスキー」も金賞を受賞しています。

世界的にも認められたウイスキーをぜひ、飲んでみたいですね。

代表銘柄「富士山麓」

代表銘柄「富士山麓」

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「富士山麓 樽熟50°」は富士御殿場蒸溜所を代表する銘柄。「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ」で2年連続金賞を受賞した実力派です。ミネラル豊かな富士山麓の伏流水100%、富士御殿場蒸溜所独自の酵母を使い、容量180リットルという小樽で熟成されています。
上品で芳醇な甘い香りにピートのほのかな香り、クリーンでフルーティーな味わいはすっきりしたおいしさです。

「富士御殿場蒸溜所 シングルグレーンウイスキー AGED 25 YEARS SMALL BATCH」は、グレーンウイスキーのみのウイスキー。その味わいの素晴らしさは「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ2016」でワールド・ベスト・グレーンウイスキーを受賞し、世界のお墨付きです。フルーツや樽の香り豊かなグレーンウイスキーを25年以上の歳月をかけて古樽で熟成。メープルシロップや黒糖を思わせる濃厚ですが、さらりとした甘さがあります。

ラベルにも描かれた富士山を含め、日本を代表する銘柄といってもいい1本。ストレートで飲みたいですが、少量の水で割っても香りや甘味、その素晴らしさを感じることができます。ぜひ、試してみてください。

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