歴史ある深い味わい! 修道院で作られるトラピストビール

歴史ある深い味わい! 修道院で作られるトラピストビール

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トラピストビールってどんなビール?

T.W. van Urk/ Shutterstock.com

「トラピストビール」とは、トラピスト会の修道院内で造る上面発酵ビール(エール)のことです。瓶詰め後にも瓶内で発酵熟成が行われるのが特徴。アルコール度数が5~12度と比較的高いものが多く、飲みごたえがあります。

そもそもなぜ、修道院でビールが造られていたのでしょうか?修道院では修行のため断食をする習慣があり、断食期間中の栄養補給としてビールが造られていました。断食中でも水分を摂ることは許されていたので、栄養のあるビールを飲んでいたのです。

また、修道院を訪れる人へのおもてなしとしてビールを振る舞ったともいわれています。さらに、修道院では、収入源としてチーズや酒などを作って販売していましたが、そのひとつがビールだといわれています。

「トラピストビール」と呼ぶことのできるビールには、以下の3つの定義があります。
1.修道院内に醸造所を持つトラピスト会の修道院内で造られているビールであること。
2.味や生産量の決定など醸造に関する権限が修道士にあること。
3.ビール販売で得た収入は修道院内で使い、余剰分は慈善事業に使うこと。

「トラピストビール」の名前を名乗ってよいビールは世界中で11カ所のみ(2016年4月時点。ITAより認定)。シメイ、オルヴァル、ウェストマールなどが有名です。一方、トラピスト会以外の修道院でライセンスを得て造ったビールは、「アビィビール(修道院ビール)」と呼ばれ、はっきりと区別されています。

ベルギーの代表的なトラピストビール

Marc Venema/ Shutterstock.com

トラピストビールはベルギーで生まれました。トラピストビールが造られている国はいくつかありますが、その中でも代表的なベルギーのトラピストビールを紹介します。

◆シメイ(スクールモン修道院)/
1850年に創設され、1862年にビールの醸造を開始。トラピストビールの中で初めて一般に市販されたのがシメイです。赤、白、青の3色のラベルのほかに、修道士たちが飲む「ブラック」が存在します。それぞれアルコール度数も味わいも異なります。

◆オルヴァル(オルヴァル修道院)/
特徴のあるドライな味わいは、熟成段階にホップを追加するドライ・ホッピングという技法によるものです。1931年の醸造開始時に招かれた最初のドイツ人醸造士とベルギー人醸造士によって作られました。オレンジやレモンのような香りに明るいオレンジ色の外観が美しいビールです。

◆ウェストマール (聖心ノートルダム修道院)/
1836年に自給自足のための醸造から始まり、1921年から一般にも市販されるようになりました。銘柄はウェストマール・トリプルが有名。ペールエール(ストロング・ペールエール)のスタイル“トリプル”の代名詞といわれています。色が淡色でアルコール度数は9.5度と高めなのが特徴です。

日本でもビアバーやパブ、専門店などで販売しているので探してみてください。

世界のトラピストビール

Alexander Narraina/ Shutterstock.com

ベルギー以外には、オランダやオーストリア、アメリカ、フランスにもトラピストビールを作る修道院があります。ここでは、オランダとオーストリアのトラピストビールを紹介します。

◆ラ・トラップ(コニングスホーヴェン修道院)/
オランダとベルギーの国境線に近いところに位置する修道院。1884年に醸造を開始。外部のブルワリーに生産を委託していたことから、「トラピスト」のロゴがはずされていた時期もありましたが、2005年に復活しました。オレンジ色に近い色の「ブロンド」は、かろやかで飲みやすいと人気が高い銘柄です。

◆グレゴリアス (スティフト・エンゲルスツェル修道院)/
1590年に醸造を開始。1786年には1度修道院が破壊され、第1次大戦の後1925年にグレゴリウスという修道僧により再建されました。再建後再度ビール醸造を始め、2012年にトラピストビールとして認定を受けています。

トラピストビールが作られた長い歴史やその背景を想像しながら、ゆっくりと味わいたいですね。

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