日本酒生産量1位の兵庫のおもな銘柄をチェック!
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兵庫県の日本酒
あまり知られていないかもしれませんが、兵庫県は日本全国で日本酒の生産量1位(2015年国税庁「統計年報」より)! では、兵庫の日本酒と聞いて、どんな酒を想像するでしょうか?
特に昔から酒造りが盛んな兵庫県灘地方の酒造りの歴史は、西宮での醸造が最初とされています。ですが、伝承ではさらに古く1330年頃から行われていたようです。以後、600年以上に渡り灘地方で創業する蔵元が増えていきました。
江戸時代初期には、江戸向けの酒を造る蔵元が栄え、独創的な精米や仕込みの技術が生まれ、江戸でもてはやされていました。
まだ、江戸付近では醸造の技術が進んでない時期に、上方である灘地方からすばらしい日本酒が江戸に運ばれていきました。それを「下り酒」と呼んでいたそうです。江戸時代は日本酒に限らず、上方のほうが文化、技術に優れたものが多かったため、上方からきた優れた製品を「下り物」とそうでないもの「下らない物」といっていたそうです。この「下らない物」が「とるにたらないもの」という意味で現在の「くだらない」の語源となったといわれています。
灘地方の日本酒は高い技術に加え、山田錦などの良質な米、宮水といわれるミネラル豊富な水も揃い、その昔から評判の日本酒だったといえます。
赤穂浪士の出陣酒!?「剣菱」
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兵庫の酒といって思い浮かべる銘柄のひとつが「剣菱」です。1505年以前の創業、500年以上の歴史を持つ兵庫を代表する酒蔵です。大正時代までは伊丹市に、昭和初期に灘に移転しました。山廃仕込みなど伝統的な製法はもちろん、原料米にこだわりを持ち多くの優良な村落と契約を結んでいます。
逸話として、赤穂浪士の出陣酒だったという話があります。赤穂浪士の討ち入り事件を題材にした歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」。現代でも人気の演目ですが、その中で主役の大星由良之助(大石内蔵助がモデル)がいう「酒を持て」というセリフが以前は「剣菱を持て」だったという説があります。この演目が初めて上演された江戸中期には兵庫の日本酒は大人気! 日本酒の代名詞として実際に「酒」と書いて「ケンビシ」と読まれることもあったそうなので、こんな説がささやかれたのかもしれませんね。
しっかりしたコクがありインパクトの強い日本酒としてファンが多い蔵元です。
◆剣菱
http://www.kenbishi.co.jp/
元禄のころより酒造りを続ける「龍力」
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本田商店が作る「龍力(たつりき)」も、人気の高い日本酒です。播州杜氏の総取締役として元禄時代より酒造りを始め、1921年に「龍力」の醸造を始めました。「米の酒は米の味」をかかげ、兵庫県が誇る好適米の山田錦を中心に使っています。
収穫地によって品質の違う山田錦は、厳しい生産条件によってランクづけされています。その中でも特A地区の山田錦を自社精米、米の華やかな香りと力強い味わいを引き出した日本酒を醸造しています。
◆龍力
http://www.taturiki.com/
純米酒にこだわる「富久錦」
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仕込む日本酒のすべてが純米酒というこだわりを持つ富久錦。1839年創業、良質な酒米と蔵の井戸からくみ上げた自然の軟水を原料に米本来の旨味が感じられる日本酒を造り出しています。
純米酒は米と水と米こうじのみで造られる日本酒。地元の山田錦を中心に使用し、シャープでふくらみのある味わいが特徴です。米の旨味を感じながらも、スッキリ飲める純米酒として人気があります。
◆富久錦
http://www.fukunishiki.co.jp/