アイルランドで造られるウイスキー、「アイリッシュウイスキー」って?
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アイリッシュウイスキーとはどんな酒か
ウイスキー発祥の地といわれるアイルランド。英国領北アイルランドを含めた、アイルランド島全域で造るウイスキーをアイリッシュウイスキーと分類します。
アイルランドは、南の「アイルランド共和国」と北部の英国領「北アイルランド」と2つの国家に分かれていますが、ウイスキーについては統一されています。
かつては、生産量世界一を誇っていましたが、1920年以降スコッチやブレンデッドウイスキーに市場を奪われ衰退していました。近年は、愛好家が増え復活の兆しが見えています。
伝統的なアイリッシュウイスキーは、大麦麦芽と未発芽麦芽、そのほかの穀物を加え、ポットスチルで3回蒸留。雑味が少なくなめらかで穏やかな味わいが特徴です。
アイリッシュウイスキーは、モルトウイスキー、グレーンウイスキー、ブレンデッドウイスキーに加え、シングルポットスチルウイスキーの4つに分類されます。
シングルポットスチルウイスキーは、伝統的な本来のアイリッシュウイスキーといえます。
アイリッシュウイスキーの定義
アイリッシュウイスキーには5つの法的定義があります。
1・穀物類を原料とすること。
2・麦芽に含まれる酵素により糖化し、酵母の働きによって発酵させる。
3・蒸留時にアルコール度数は94.8度以下であること。
4・木製樽に詰めること。
5・アイルランド共和国、または北アイルランドの倉庫で3年以上熟成させる(移動させた場合は両方の土地での累計年数が3年以上)
これらを満たして初めて、アイリッシュウイスキーと名のることができるのです。
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複数の人気ブランドを持つ蒸留所
かつては、多くのアイリッシュウイスキーの蒸留所がありましたが、1920年以降、閉鎖される蒸留所が続出。今では、4つの蒸留所が残っています。北のブッシュミルズ蒸留所、南ではミドルトン蒸留所、クーリー蒸留所、キルベガン蒸留所です。
閉鎖された蒸留所の銘柄を引き継いでいるケースもあり、各蒸留所が複数の銘柄を生産しているのもアイリッシュウイスキーの特徴のひとつです。
もし、初めてアイリッシュウイスキーを飲んでみようと思ったら、まずは以下を試してみてはいかがでしょう。
やはりアイリッシュウイスキーを代表する蒸留所、ブッシュミルズ蒸留所では「ブラックブッシュ」を。フルーツのような甘味と深みが感じられます。香りや甘味をたのしむには、ストレートがいいのですが、初心者はロックで。
次はミドルトン蒸留所の「ジェムソンスタンダード」です。ライトな味わいで後口もスムーズ。水割りやロックで飲むと味わいがよりたのしめます。
どちらも、アイリッシュウイスキーの入門編としてセレクトするには、ぴったりな代表選手です。さらに、「カネマラ」「ティーリング」なども試してみたいですね。
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