ごま、栗、ニンジン、海藻…! 個性的な味わいを生む焼酎の原料
- 更新日:
焼酎の原料が多彩な理由
土地に根づいた作物を原料として造られる焼酎は、各土地によって味わいが異なりそれが魅力となっています。その土地で収穫される作物や水を使うため、土地ごとの個性が活かされた酒なのです。
米や麦といったお酒にかかせない原料が育ちにくい環境の土地も多く、自分たちの風土にあった原料で酒造りをしていた、という歴史もあります。
その代表が芋。鹿児島を始め、各地で焼酎に適したサツマイモが研究され、様々な味わいの芋焼酎を生み出しています。
黒糖やそばで造った焼酎も、人気の高い焼酎です。
人気の栗・ごま焼酎
近年、焼酎の好きな人たちの間で定番になりつつあるのが、栗やごまを原料にした焼酎です。
芋焼酎をほうふつとさせる味わいの栗焼酎は、渋皮を除いた後、粉砕して蒸した栗を米麹または麦麹で一次発酵させてもろみに加えて仕込みます。栗のまろやかで濃厚な甘味と香りに、ファンが急増中です。高知県の無手無冠が造る「ダバダ火振り」が有名です。
ごま焼酎の特徴は、芳ばしい香り。ごまの芳ばしい香りが食欲を増進させ、料理がよりおいしく感じます。ごまは脂質が多いため、焼酎に油分が残留しすぎて油臭さが出てしまうと扱いにくい原料なのですが、人気の高さにごま焼酎を造る蔵元が増えています。福岡県の紅乙女酒造の「胡麻祥酎 紅乙女」などがあります。
どちらも素材の個性が全面に表れた焼酎で、一度好きになるとくせになるおいしさです。
JoannaTkaczuk/ Shutterstock.com
ニンジンや海藻、牛乳焼酎もある!
各地の特産品を原料にして造られる焼酎は、これで酒ができるの?と思うような素材もあります。
たとえば、ニンジンで造った焼酎。フルーティーで爽やかな香りと、甘味が特徴です。福岡県の研醸株式会社の「にんじん焼酎 珍」などです。
また、海藻と米で造った焼酎もあります。口に入れるとほんのり磯の香りが漂う焼酎です。こちらは島根県の隠岐酒造の「海藻焼酎 いそっ子」が有名。長期熟成した古酒もあるそうです。
熊本県では、牛乳を原料にして焼酎を造った蔵元もあります。牛乳と米から造られた「牛乳焼酎 牧場の夢」です。アルコール度数が42度とかなり高いのですが、フルーティーでほのかに甘いミルクの香りと軽い飲み口が特徴です。
ほかにも、シソやクマ笹などを原料にした焼酎も! どの焼酎も原料の風味を生かした記憶に残る一味違う焼酎ばかりです。店頭や旅先で出会ったら、ぜひ試飲してみたいですね。
YuliaKotina/ Shutterstock.com