「ブラックアンドホワイト」はスコットランド産ブレンデッドウイスキー! アパレルブランドも

「ブラックアンドホワイト」はスコットランド産ブレンデッドウイスキー! アパレルブランドも
出典 : ChocoPie / Shutterstock.com

「ブラックアンドホワイト(ブラック&ホワイト)」は、スコットランドで造られているブレンデッドウイスキー。1884年に「ブキャナンズ・ブレンド」としてリリースされ、のちに現名称に変更されました。今回は「ブラックアンドホワイト」の魅力について紹介します。

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「ブラックアンドホワイト」には、同名のゴルフ&スポーツウェアのブランドもあり、「ブラック&ホワイト」や英語で「Black&White」と表記されることもあります。黒と白の2匹のテリアがトレードマークとなったブランドの歴史や名前の由来、ウイスキーの魅力などを深掘りします。

「ブラックアンドホワイト(ブラック&ホワイト)」とは?

「ブラックアンドホワイト」はブレンデッドスコッチウイスキー

oni / PIXTA(ピクスタ)

「ブラックアンドホワイト(ブラック&ホワイト)」は、スコットランド生まれのブレンデッドウイスキーです。まずは基本情報からみていきましょう。

「ブラックアンドホワイト」はブレンデッドスコッチウイスキー

「ブラックアンドホワイト」は、スコットランド産ブレンデッドウイスキーのブランド。日本では、「ブラック&ホワイト」や「Black&White」と表記されることもあります。ウイスキーだけでなくアパレルにもライセンスを展開していて、世界的にも認知度の高いブランドのひとつとなっています。

ウイスキーの「ブラックアンドホワイト」は、ジェームズブキャナン社が1884年にリリースした「ブキャナンズ・ブレンド」(「ザ・ブキャナン」)がルーツです。1904年に改名し、「ブラックアンドホワイト」が正式名称となりました。

「ブキャナンズ・ブレンド」の名称を変更した理由は、愛飲家に「ブラックアンドホワイト」と呼ばれ親しまれていたからです。「ブキャナンズ・ブレンド」は、黒いボトルに白いラベルが貼られたスタイリッシュなデザインが特徴的で、お客さんがバーなどでオーダーする際には「あの黒と白(ブラック&ホワイト)のウイスキーを」と伝えていたとか。

そのことを知った創業者のジェームズ(ジェイムズ)・ブキャナン氏は、自身の名を冠したブランド名を、巷で使われていた愛称の「ブラックアンドホワイト」に変更しました。

なお、現行の「ブラックアンドホワイト」は、グリーンのボトルに白いラベルが貼られています。

ブラックアンドホワイトの犬種はテリア

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「ブラックアンドホワイト」のラベルの犬の種類はテリア

「ブラックアンドホワイト」のボトルには、2匹の犬が描かれたラベルが貼られています。犬種は2種類のテリアです。

あるとき、創業者のジェームズ・ブキャナン氏がドッグコンテストを訪れると、2匹のテリアがチャンピオンになりました。ブキャナン氏は、そこで撮影された1枚の写真を自社のウイスキーブランドの広告に使用します。それを機に、2匹のテリアが「ブラックアンドホワイト」のトレードマークになりました。

なお、2匹のテリアのうち、黒い犬はスコティッシュ・テリアという犬種で通称「スコッティ」、白い犬はウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアという犬種で「ウエスティ」と呼ばれています。ちなみに、スコティッシュ・テリアはイギリス原産の狩猟犬で、勇敢で独立心の強い性格。ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアも同じくイギリス原産の犬種で、陽気でマイペースな性格が特徴です。

「ブラックアンドホワイト」に名前が変わり、2匹のテリアが採用されてからは、親しみやすいボトルとして愛され続けています。

ブラックアンドホワイトはゴルフウェアも展開

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アパレルブランドとしても有名

「ブラックアンドホワイト」は、アパレルにもライセンスを展開しています。日本では1983年にブラックアンドホワイトスポーツウェア株式会社(ゴールドウイングループ)が設立され、ゴルフウェアをはじめとしたクオリティーの高いスポーツウェアや、カジュアルウェア、グッズなど幅広いアイテムがリリースされてきました。

アパレルでは、ウイスキーと同じく黒と白の2匹のテリアをトレードマークとし、英国の伝統的風格と品位を現代風に新しく表現。流行や慣習を超えた、ベーシックで洗練された大人のゴルフ&スポーツウェアとして支持されています。Blackは「品性」を、Whiteは「感性」を象徴しています。

なお、日本でも41年の長きにわたって愛されてきた「ブラックアンドホワイト」ですが、残念ながら国内販売元とのライセンス契約が終了に。それに伴い、2024年春夏シーズンをもって、ブラックアンドホワイトスポーツウェア社による企画・製造・販売も終了となっています。
※2024年12月現在の情報です。

ブラックアンドホワイトは英国生まれ

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生みの親であるジェームズ・ブキャナン氏は実業家

「ブラックアンドホワイト」の生みの親であるジェームズ・ブキャナン氏は、ヴィクトリア時代を代表する起業家であり、誉れ高い「ウイスキー男爵」のひとりです。

ブキャナン氏は、スコットランドの港湾都市、グラスゴーの船会社で事務員などを務めたのち、30歳で大英帝国の首都ロンドンに進出。そこでウイスキーのブレンダーに転身し、ブレンド会社チャールズ マッキンレー&カンパニーで働き始めます。

その後独立して、ジェームズ ブキャナン社を設立。1884年に「ブキャナンズ・ブレンド」をリリースし、大成功を収めました。クセの強いモルトウイスキーが主流だった当時、ブキャナン氏が思い描いたスムースでまろやかな味わいが受けて人気となったのです。ブキャナン氏には商才があるだけでなく、ブレンダーとしての腕も確かだったことが伺えます。

余談ですが、ジェームズ ブキャナン社は王室の依頼を受け、1897年に英国の皇太子(のちのエドワード7世)専用のブレンド、「ロイヤル ハウスホールド」を造ります。

「ロイヤル ハウスホールド」は昭和天皇が皇太子時代に英国王室から贈られたことをきっかけに、日本だけに市販が認められた由緒正しいスコッチウイスキー。王室御用達の証しである「THE」が外された今も、一般に流通しているのは日本だけです。

「ブラックアンドホワイト」の味の特徴や評価は?

ブラックアンドホワイトの味

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「ブラックアンドホワイト」は、スムースな飲み口とまろやかな口当たりが特徴のブレンデッドウイスキーです。「ダルウィニー」「グレンダラン」「クライヌリッシュ」を中心に、数十種類のモルト原酒とグレーン原酒がブレンドされています。初心者でも飲みやすく1,000円台で手に入るコスパのよさから、日本でも人気の1本となっています。

「ブラックアンドホワイト」の味わい

「ブラックアンドホワイト」は、スムースな飲み口のブレンデッドウイスキーです。わずかにスモーキーさがあり、フレッシュでスパイシーな味わいと、飲みやすくまろやかな口当たりが特徴。フルーティーな風味も感じられます。
新鮮なグレーンがモルトのよさを最大限に引き立てていて、スタンダードなブレンデッドウイスキーのなかでは古典的なタイプです。とはいえ、初心者でも親しみやすい味わいで、長く愛されています。

キーモルトには「ダルウィニー」「グレンダラン」「クライヌリッシュ」の3つを使用。ほかにも数十種類のモルト原酒とグレーン原酒がブレンドされています。

なお、「ダルウィニー」はスコットランドのハイランド地方で造られているウイスキーで、「ロイヤル ハウスホールド」をはじめ、さまざまなブレンデッドウイスキーの原酒としても使われています。「グレンダラン」は、スコットランドのスペイサイド地域で造られているウイスキーで、おもにブレンド用とアメリカ向けに製造されています。「クライヌリッシュ」もハイランド地方で造られているウイスキーで、「ジョニーウォーカー」のキーモルトとしても知られています。

ブラックアンドホワイトの評価

itakdalee / Shutterstock.com

「ブラックアンドホワイト」の評価と飲み方

「ブラックアンドホワイト」の前身の「ブキャナンズ・ブレンド」は、高品質の味わいと黒と白の都会的なデザインでまたたく間に評判になった銘柄です。ブキャナン氏は、ミュージックホールやホテルのバーなど、従来の酒販店以外にも販路を拡大し、「ブラックアンドホワイト」は人気銘柄として定着しました。1898年には王室御用達になり、1980年代後半には英国下院議会の指定銘柄にもなりました。

1904年に「ブラックアンドホワイト」に改名されてからも、世界中で愛され続けています。日本でも、1,000円代というお手ごろ価格で味わいもよいため、コスパ抜群のブレンデッドスコッチウイスキーとして、ファンに高く評価されています。

「ブラックアンドホワイト」の飲み方としては、ストレートやロックがおすすめ。お好みでハイボールもおいしいと支持されています。いろいろな飲み方を試してみてはいかがでしょう。

「ブラックアンドホワイト」は2匹のテリアがトレードマークの、スコットランド産ブレンデッドウイスキー。創業者のジェームズ・ブキャナン氏が生み出した銘柄は、今も世界中で愛されています。コスパのよい1本なので、機会があれば食卓に迎えてみてくださいね。

※この記事は、2024年12月現在の情報をもとに作成しました。

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