「アレキサンダー」とはどんなカクテル? 味わいの特徴や名前の由来、おいしい作り方を紹介
「アレキサンダー(アレクサンダー/Alexander)」は、ブランデーとカカオリキュール、生クリームを合わせた甘くて濃厚なデザートカクテル。ここでは、「アレキサンダー」の歴史や味わい、カクテル言葉、おいしい作り方から、豊富なアレンジレシピまで紹介します。
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カクテル「アレキサンダー」の基本情報からみていきます。
カクテル「アレキサンダー」とは?
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「アレキサンダー」は甘くて濃厚でクリーミー、「大人のスイーツ」ともいうべき芳醇さを堪能できるカクテルです。
「アレキサンダー」はブランデーベースのデザートカクテル
カフェモカやチョコムースのような色合いの「アレキサンダー」は、ブランデーをベースにしたデザートカクテル。その歴史は意外に古く、20世紀初頭のカクテルブックにはすでにレシピが登場していたそうです。
「アレキサンダー」というカクテル名の由来には諸説ありますが、有名なのは英国皇太子エドワード(のちの英国王エドワード7世)とデンマーク王女アレクサンドラの結婚に由来する、という説です。
1863年のエドワード皇太子とアレクサンドラ王女の結婚式を記念して、または1901年のエドワード7世即位式や1902年の戴冠式の際に献上されたという逸話がよく紹介されています。また、当初は王妃に捧げられたカクテルとして「アレクサンドラ」と呼ばれていたものが、時の流れとともに「アレキサンダー」へと変化したようです。
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映画『酒とバラの日々』で一躍有名に
「アレキサンダー」は100年以上前からあるクラシックなカクテルですが、1本の映画がその存在を一躍有名にしました。1962年製作のアメリカ映画『酒とバラの日々(原題:Days of Wine and Roses)』です。
アルコールに溺れ、絆を見失っていく夫婦の悲哀を描いた物語のなかで、「好きなのはチョコレートでお酒は嫌い」という大企業の秘書カーステンに、酒好きのPR会社社員ジョーが最初にすすめたのが、甘くて飲みやすいデザートカクテル「アレキサンダー」でした。
アカデミー賞(R)歌曲賞を受賞したヘンリー・マンシーニ作曲のテーマ曲でも知られる映画『酒とバラの日々』。興味をもったらぜひ視聴してみてください。
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「アレキサンダー」は生クリームとカカオの風味が生きたまろやかな味わいのカクテル
カクテル「アレキサンダー」の材料はブランデー、カカオリキュール、生クリーム。どれも香りやコクに特徴のある材料です。
「アレキサンダー」の味わいはブランデーの芳香にカカオの濃厚な風味と甘味、生クリームのまろやかさがみごとに溶け合う絶品。ミルキーでソフトな口あたりは上質なチョコレートケーキを思わせます。食後のデザートカクテルとして人気なのも納得のおいしさです。
「アレキサンダー」のカクテル言葉とアルコール度数
「アレキサンダー」のカクテル言葉は「完全無欠」「初恋の思い出」。庶民的な人柄で国民の人気を集めていたといわれる英国皇太子と、美貌のデンマーク王女との結婚にまつわる逸話をもつカクテルにふさわしいカクテル言葉といえるでしょう。
ロマンティックなカクテル言葉をもつスイートなカクテル「アレキサンダー」ですが、アルコール度数は意外と高め。
材料の銘柄によっても異なりますが、アルコール度数40度前後のブランデーとアルコール度数25度前後のカカオリキュールで作った「アレキサンダー」のアルコール度数は、21〜26度くらいになります。
一般的なビールのアルコール度数が5度程度、ワインは12度程度、日本酒は15度程度、焼酎(本格焼酎)は25度程度なので、「アレキサンダー」はビールやワイン、日本酒よりもアルコール度数が高く、焼酎のストレートに匹敵するということになります。
甘くクリーミーな口あたりからついついグラスを重ねてしまいそうになりますが、くれぐれも飲み過ぎには注意しましょう。
「アレキサンダー」のおいしいレシピ
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ここからは「アレキサンダー」を作るために必要な材料や実際の作り方を紹介していきます。
「アレキサンダー」の材料
「アレキサンダー」の材料は、ブランデーとカカオリキュール、生クリームの3つ。分量の黄金比は、2:1:1です。
ちなみにカカオリキュールとは、チョコレートの原料となるカカオ豆の風味を抽出した甘いリキュール。比較的近年に登場したチョコレートリキュールも、カカオリキュールの一種です。
また「クレーム・ド・カカオ」と表記されているリキュールも、カカオリキュールの一種。EUのお酒に関する規則によって、1リットルあたり250グラム以上の甘味料を含むカカオリキュールが「クレーム・ド・カカオ」を名乗ってもよいとされています。
そしてブランデーとは、果実から造った蒸溜酒の総称。「コニャック」や「アルマニャック」、「カルヴァドス」などが有名です。熟成年数によってV.S.O.P.やX.O.などと表示される高級品も多数ありますが、「アレキサンダー」はブランデーとカカオリキュール、生クリームが織りなすハーモニーをたのしむカクテルなので、それぞれの材料に高級品を用意しなくても大丈夫。手に入れやすいブランデーやリキュールで、気軽にトライしてみましょう。
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「アレキサンダー」の作り方
「アレキサンダー」の作り方はかんたん。ブランデーとカカオリキュール、生クリーム、3つの材料を2:1:1の割合でシェイカーに入れ、しっかりシェイクしてできあがりです。
<材料>
ブランデー…30ミリリットル
カカオリキュール…15ミリリットル
生クリーム…15ミリリットル
氷…適量
<作り方>
1. シェイカーに氷を2/3程度入れ、ブランデーとカカオリキュール、生クリームを入れます。
2. 材料が均一に混ざるようしっかりシェイクし、氷を除いてカクテルグラスに注ぎます。
仕上げにナツメグを振るレシピもあります。これは昔、質のよい生クリームが入手しにくかった時代のなごりという説もあり、好みによってプラスしてもしなくてもいいそうです。
「アレキサンダー」はアレンジの幅も豊富!
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「アレキサンダー」のレシピを覚えておくと、ベースをブランデーからほかのお酒に変えるだけで、さまざまなカクテルのバリエーションをたのしむことができます。
いずれも甘くて口あたりのよいデザートカクテルながら、ベースとなるお酒の違いでまったく異なるテイストが感じられるので、家にある材料でいろいろ試し、お気に入りのレパートリーを増やしてみましょう。
◆ジンベース「プリンセス・メアリー」
◆ウォッカベース「バーバラ」
◆テキーラベース「フロストバイト」
◆ラムベース「パナマ」
◆ウイスキーベース「ウイスキー・アレキサンダー」
◆日本酒ベース「ギンザ・ストリート」
◆アマレットベース「ギャツビー」
◆リキュールベース「グラスホッパー」
「アレキサンダー」のアレンジバージョンをもうひとつ。カカオリキュールをミドリ メロンリキュールに変えると「ミドリ・アレキサンダー」というカクテルになります。こちらもフルーティーでおすすめです。