トニックウォーターとは? 炭酸水との違いや種類、お酒初心者にもおすすめのカクテルを紹介
トニックウォーターは、イギリス発祥の炭酸飲料。清涼飲料水としてそのまま飲むほか、ジンなどお酒の割り材としても用いられています。今回はトニックウォーターの味わいや、炭酸水やサイダーとの違い、種類、トニックウォーターを使ったカクテルなどについて紹介します。
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ビターでさわやかな味わいが特長のトニックウォーターの魅力をみていきます。
トニックウォーターとは? どんな味わい?
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トニックウォーターの基本的な情報や味わいの特徴などについて、確認していきます。
トニックウォーターはイギリス発祥の清涼飲料水
トニックウォーターとは、炭酸水に糖分やハーブ(香草)、柑橘系果皮のエキスなどを加えたイギリス発祥の清涼飲料水のこと。18世紀後半ごろに生まれ、イギリスの植民地であった熱帯地方で飲まれはじめたといわれています。
トニックウォーターにはもともとマラリア対策に飲まれていたもので、当初はアカネ科の常緑高木キナの樹皮から抽出したキニーネが使われていました。キニーネはアルカロイドの一種で、抗マラリア薬が開発されるまでは、マラリアの特効薬とされていたのです。
現在は、キナ皮をアルコールに浸した液体「キナチンキ」や、キナの皮から生成した粉末状の「硫酸キニーネ」で香味をつけるのが一般的です。商品によっては、キナ以外の樹皮や柑橘から抽出した苦味成分や香料などで、フレーバリングしているケースもあります。なお、日本で流通しているトニックウォーターには、キナ抽出成分はほとんど含まれていないようです。
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ハーブや香料由来の苦味が特徴
トニックウォーターの味わいを特徴づけるのは、ハーブや香料に由来する苦味。糖分が入っているので甘味も感じられますが、苦味があるので爽快でスッキリした口当たりもたのしめます。
トニックウォーターは、ジンをはじめウォッカ(ウオッカ/ウオツカ)やテキーラなど、スピリッツ系カクテルの材料として重宝されています。とはいえ、カクテル専用というわけではなく、清涼飲料水としてそのまま飲むこともできます。
天然の炭酸水を飲む文化が根づいているヨーロッパなどでは、ソフトドリンクとして親しまれています。健康志向の高まりから、あえてトニックウォーターを選ぶ人も増えているようです。
トニックウォーターと炭酸水、サイダーの違い
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トニックウォーターと炭酸水の大きな違いは、甘味があるかどうかにあります。サイダーとの違いは、なんといっても苦味でしょう。
トニックウォーターと、炭酸水やサイダーとの違いをくわしくみていきます。
炭酸水には糖分は含まれない
トニックウォーターと炭酸水(プレーンソーダ)の大きな違いは、糖分が含まれているか否か。炭酸水は、水に炭酸ガス(二酸化炭素)を溶かした飲料で、人工的に作られたものだけでなく天然の炭酸水も流通しています。なお、レモンやオレンジなどのフレーバーつき炭酸水も販売されていますが、トニックウォーターのように糖分は含まれていないので甘味はありません。
トニックウォーターと同じように、炭酸水もお酒の割り材(ミキサー)としてなくてはならないものです。両者ともにカクテルをスッキリした味わいに仕上げますが、トニックウォーターで割るほうが、ほのかな甘さとほろ苦さが加わり、複雑な味わいになります。
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サイダーは甘味が強く苦味はほぼない
日本の「サイダー」は、炭酸水に香料や糖分、クエン酸などを加えた清涼飲料水です。トニックウォーターとサイダーの味の大きな違いは、苦味があるかないか。どちらも甘味はありますが、サイダーのほうが甘味は強めのものが多いようです。
ちなみに、日本のサイダーと海外のサイダー(CIDER)は別物です。アメリカや欧州などでは、日本のサイダーにあたる透明な炭酸飲料のことを「SODA(ソーダ)」といいます。一方、「シードル」とも呼ばれるサイダーは、リンゴのお酒やジュースのことを指します。いずれも、トニックウォーターとは別の飲み物です。
カクテルの割り材におすすめのトニックウォーターの種類
トニックウォーターにはいろいろな種類がありますが、ここでは比較的入手しやすく、カクテルベースに最適なトニックウォーターを紹介します。
ウィルキンソン トニック|苦味と酸味の絶妙なバランス
出典:アサヒビール株式会社サイト
炭酸水でおなじみの「ウィルキンソン」は、イギリス出身のウィルキンソン氏が兵庫県で立ち上げた、日本生まれのブランド。トニックウォーターは、1966年から販売しています。
「ウィルキンソン トニック」は、スッキリとした苦味とさわやかな酸味の絶妙なバランスをたのしめる本格トニックウォーター。しっかりとした炭酸感も味わえ、お酒の割り材にぴったりです。幅広いカクテル作りで活躍します。
輸入販売元:アサヒビール株式会社
「ウィルキンソン」ブランドサイトはこちら
「ウィルキンソン トニック」商品詳細はこちら
カナダドライ トニックウォーター|独特のほどよい苦味
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「カナダドライ」は、カナダで生まれた炭酸飲料ブランド。ジンジャーエールが有名ですが、トニックウォーターも作っています。
「カナダドライ トニックウォーター」は、独特のほどよい苦味が利いた味わいが特徴の大人の味わい。洗練された刺激が、ジンやラム、ウォッカなどのスピリッツの味わいを引き立てます。
公式サイトでは、「カナダドライ トニックウォーター」を使った多彩なレシピが紹介されています。興味がある人はチェックしてみてください。
※カナダドライは、Atlantic Industriesの登録商標です。
カクテルレシピはこちら
製造販売元:日本コカ·コーラ株式会社
「カナダドライ」公式ブランドサイトはこちら
フィーバーツリー プレミアム トニックウォーター|プレミアムな味わい
出典:アサヒビール株式会社サイト
「フィーバーツリー(Fever-Tree)」は、イギリスのプレミアムミキサー(割り材)のブランド。スピリッツを引き立てる、6種類のミキサーシリーズを展開しています。
「プレミアム トニックウォーター」は、コンゴ民主共和国産のキナに由来するやさしい苦味が特長のプレミアムなトニックウォーター。メキシコ産ビターオレンジの、繊細でさわやかな香りも魅力です。植物由来の素材を使った、こだわり派も納得の味わい。クラフトジンでプレミアムなジントニックを作るのにも最適です。
「フィーバーツリー」シリーズには、エッセンシャルオイルで香りづけした商品もあります。地中海沿岸産のレモンタイムやローズマリーが香る「メディタレーニアントニックウォーター」や、英国産エルダーフラワーが香る「エルダーフラワートニックウォーター」でジンを割れば、ひと味違うジントニックがたのしめます。
公式サイトでは、プレミアムなジントニックの作り方を紹介しています。動画を見ながら、ぜひ作ってみてくださいね。
カクテルレシピはこちら
輸入販売元:アサヒビール株式会社
「フィーバーツリー」公式ブランドサイトはこちら
トニックウォーターで作る初心者にもおすすめのカクテル
初心者にもおすすめの、トニックウォーターを使ったカクテルを紹介します。トニックハイボールやジントニックは、かんたんに作れて飲みやすいのが魅力です。
トニックハイボール
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トニックハイボールは、ウイスキーとトニックウォーターで作るカクテル。ハイボールはウイスキーを炭酸水で割りますが、トニックハイボールはウイスキーをトニックウォーターで割ります。
トニックハイボールの基本的な作り方は、氷を入れたタンブラーグラスに、ウイスキーとトニックウォーターを1:3から1:5くらいの割合で注ぎ、マドラーなどでグラスの底のほうを軽く混ぜるだけ。お好みでスライスしたレモンを飾れば完成です。
お酒に弱い人は、ウイスキーの量を減らすかトニックウォーターの量を増やして、飲みやすい濃度に調整してください。
ジントニック
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トニックウォーターを使った定番カクテルがジントニックです。マラリア対策として飲まれていたキニーネ入りのトニックウォーターを、飲みやすくするために生まれました。
ジントニックの基本的な材料は、ジンとトニックウォーター、ライムのみ。氷を入れたタンブラーグラスに、ジンとトニックウォーターを1:3から1:4くらいの割合で注いで軽く混ぜ、カットライムをグラスのふちに飾ればできあがりです。
ライムの代わりにレモンを飾ったり、ライムジュースを加えたり、コリアンダーやキュウリのスライスを添えるレシピもあります。シンプルな飲み方ですが、多彩なアレンジが効く奥深いカクテルです。
スプモーニ
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スプモーニは、「カンパリ」と呼ばれるリキュールと、トニックウォーター、グレープフルーツジュースまたはグレープフルーツ果汁で作るイタリア生まれのカクテル。トニックウォーターで割ることで、カンパリ独特の苦味と甘味、グレープフルーツの酸味をさわやかに味わえます。
作り方は、氷を入れたグラスにカンパリ約20ミリリットル、グレープフルーツジュース約30ミリリットルを注ぎ、マドラーなどで軽く混ぜます。トニックウォーターをグラスの8分目くらいまで注いだら、マドラーで下から上に持ち上げるように軽く混ぜます。
カンパリを使わず、ライチリキュールを加えて作るアレンジレシピもあり、フルーティーな味わいをたのしめます。
カクテルベースとして活躍するトニックウォーターは、ハーブや香料由来の苦味が特徴の炭酸飲料です。そのまま飲んでもおいしいですが、ぜひジントニックなどのカクテルを作って、お酒とのハーモニーを味わってみてくださいね。