IBU(アイビーユー)とはビールの苦味の目安!数値が高いほど苦味が強くなるって本当?

IBU(アイビーユー)とはビールの苦味の目安!数値が高いほど苦味が強くなるって本当?
出典 : Jiri Hera / Shutterstock.com

IBUとは、ビールの苦味を表す数値のこと。苦味が強いものほど数字が大きくなる傾向があります。ここでは、IBUの意味や、IBUの数値を左右する要素、人気クラフトビールのIBU一覧、IBUが高いクラフトビール銘柄や低いクラフトビール銘柄について紹介します。

  • 更新日:

IBUはビールの苦味の度合いを表す数値。好みのビール選びに役立ちます。

ビールの数値「IBU」の意味

IBUの意味

Kishivan / Shutterstock.com

まずはIBUの基本情報からみていきましょう。

IBUはビールの苦味の度合いを表す数値

IBUとは「International Bitterness Units」、すなわち「国際苦味単位」の略で、ビールの苦味を数値化したものです。

IBUは世界共通の単位なので、好みのビールを選ぶ際の指標になります。

IBUの数値が高いビールほど苦味が強いって本当?

IBUの数値は、一般的に数値が低いほど苦味が少なく、逆に数値が高いほど苦味が強い傾向があります。

といっても、IBUが同じビールでも、ホップの種類や仕込み方法などが違えば、体感できる苦味の質や強さは変わってきます。IBUの数値は絶対的なものではありません。あくまで苦味の度合いの指標として役立ててください。

ちなみに、国内大手ビールメーカーの主要銘柄はIBU20前後で、日本で一般的に飲まれているビールのIBUは15〜30程度です。苦味の強いものはIBU 50を超え、数値に上限はありません。世界にはIBUが1,000を超えるケタ違いに苦いビールも存在するようです。

IBUの数値はどう決まる?

ビールの苦味はホップに由来

Viacheslav Rubel / Shutterstock.com

ビールのIBUはどのようにして決まるのでしょうか。数値を左右する要素を確認していきます。

ビールの苦味はホップに由来

IBUの数値を左右するイソアルファ酸は、ホップ由来の成分です。

ホップといえば、ビールに華やかな香りとさわやかな苦味を添える、麦芽や水に並ぶ原材料のひとつ。

仕込み工程で、ろ過された麦汁にホップを加え煮沸するときに、熱が加わることでホップの樹脂成分であるアルファ酸が、その異性体(分子式が同じでも、構造の違いから異なる性質を示す化合物)であるイソアルファ酸(イソアルファ酸群)に変化します。このイソアルファ酸こそが、ビールに苦味をもたらす主成分といわれています。

製造過程で生成されたイソアルファ酸がすべてビールに移行するわけではありませんが、苦味の大部分はイソアルファ酸群によるものです。

IBUを左右するのはホップの量や煮沸時間

S_Photo / Shutterstock.com

ホップの量や煮沸時間(煮込み時間)がIBUを左右

一般的に、ビールに含まれる苦味成分イソアルファ酸の含有量は、以下の要素により変わってきます。

◆ホップの種類
ホップの種類によって、アルファ酸の含有量は異なります、アルファ酸を多く含むホップを使うとイソアルファ酸が多く生成され、結果的にIBUは高くなります。

◆ホップの使用量
ホップの使用量が多いほど、製造工程で生成されるイソアルファ酸が多くなるため、IBUは高くなります。

◆煮沸時間(煮込み時間)の長さ
ホップは麦汁を煮沸する工程で添加されます。一般的に煮沸時間が長いほど、苦味成分が多く抽出され、IBUが高くなるといわれています。

IBUの数値が高いビールといえばIPA

IBUの数値が高いビールといえばIPA

Kirill Z / Shutterstock.com

苦味の強さが魅力のビアスタイルに「IPA(インディア・ペールエール))」があります。ホップを大量に使用して造られるIPAは、華やかな香りと強い苦味、アルコール度数の高さが特長。IBU50以上のものが多く、なかには1,000を超えるビールも存在します。

IPAの発祥はイギリスですが、のちに海を渡ってさまざまな派生スタイルが誕生します。
なかでもIBUが高く、苦味が際立っているのが、アメリカンIPA(アメリカンスタイルIPA)とインペリアルIPAです。

アメリカンIPAはアメリカ産ホップならではの柑橘系のさわやかな香りを持つものが多く、日本でもアメリカンIPAのビールは入手しやすく、広く親しまれています。

「インペリアルIPA」や「ダブルIPA(WIPA、DIPA)」「トリプルIPA」「エクストラIPA」などは、通常のIPAよりもさらに多くのホップを使用するスタイル。苦味も強くなり、アルコール度数も高い、飲みごたえのあるビールになります。

人気クラフトビールのIBU一覧

人気クラフトビールのIBU

weyo / PIXTA(ピクスタ)

参考までに、人気の醸造所が手がけるクラフトビールのIBUを紹介します。

◆スルガベイ インペリアル IPA(ベアード・ブルーイング)|IBU 90
◆J-CRAFT HOPPING ガツんとIPA(DHCビール)|IBU 70
◆インドの青鬼/IPA(ヤッホーブルーイング)|IBU 60
◆Triple IPA(湘南ビール)|IBU 60
◆東京IPA(Far Yeast Brewing)|IBU 50
◆ペールエール(常陸野ネストビール)|IBU 45
◆スタウト(箕面ビール)|IBU 32
◆J-CRAFT HOPPING SESSION IPA(DHCビール)|IBU 30
◆ピルスナー(エチゴビール)|IBU 26
◆ヴァイツェン(富士桜高原麦酒)|IBU 12
◆水曜日のネコ/ベルジャンホワイトエール(ヤッホーブルーイング)|IBU 11


IBU非公開の醸造所も多いため、網羅することはできませんが、好みのビアスタイルのIBUを知るうえでの目安として役立ててください。

IBUが高いおすすめクラフトビール

IBUの数値が高い、苦味が特長のクラフトビールを紹介します。

IBU 90|スルガベイ インペリアル IPA(ベアード・ブルーイング)

スルガベイ インペリアルIPA

出典:ベアード・ブルーイング公式サイト

静岡県のクラフトビールメーカー、ベアード・ブルーイングが手がけるインペリアルIPA(ダブルIPA)。加工や粉砕をせずに生のままのホップをたっぷり使用し、瓶内熟成させた、複雑かつバランスのとれたインパクト絶大の1本です。

アルコール度数:8.5%

製造元:合資会社ベアード・ブルーイング
公式サイトはこちら

IBU 70|J-CRAFT HOPPING ガツんとIPA(J-CRAFT HOPPING/DHCビール)

J-CRAFT HOPPING ガツんとIPA

出典:三菱食品サイト

アメリカ西海岸で人気のウエストコーストIPA。4種のホップを使用し、ドライホッピング(二度入れ)で心地よい苦味とグレープフルーツのようなさわやかな香りを表現しています。ガツンとくる苦味がありながら、キレがあって飲みやすいので、ハマる人続出中。

アルコール度数:7%

販売元:三菱食品株式会社
ブランドサイトはこちら

IBU 60|インドの青鬼(ヤッホーブルーイング)

インドの青鬼

画像提供:株式会社ヤッホーブルーイング

国内で広く流通しているIPAの代表的な銘柄。ホップが織りなす強烈な苦味とグレープフルーツを想わせる華やかな香り、深いコクが魅力です。
インターナショナル・ビアカップ2011金賞ほか、複数の受賞歴あり。

アルコール度数:7%

製造元:株式会社ヤッホーブルーイング
ブランドサイトはこちら

IBUが低いおすすめクラフトビール

IBUの数値が低めの、苦味を抑えたクラフトビールを紹介します。

IBU 11|水曜日のネコ(ヤッホーブルーイング)

水曜日のネコ

画像提供:株式会社ヤッホーブルーイング

ビールの苦味が苦手でも安心して飲めると評判のベルジャンホワイトエール。原材料に大麦と小麦を使用。スパイスにオレンジピールとコリアンダーシードを使用し、さわやかな香りと甘酸っぱい味わい、やわらかな口当たりに仕上げています。

アルコール度数:5%

製造元:株式会社ヤッホーブルーイング
ブランドサイトはこちら

IBU 12|ヴァイツェン(富士桜高原麦酒)

富士桜高原麦酒「ヴァイツェン」

出典:富士桜高原麦酒ホームページ

山梨県の富士桜高原麦酒がドイツ仕込みの醸造技術で造る南ドイツ伝統の小麦のビール。酵母をろ過しないヘーフェヴァイツエンというスタイルで、新鮮な酵母がもたらすバナナのような香りと絹のようになめらかな泡が特長です。

アルコール度数:5.5%

製造元:富士桜高原麦酒
公式サイトはこちら

IBUはビールの苦味を表す指標。ビールの苦味が好きな人は数値が高めのものを、苦味があまり得意ではない人は数値が低めのものを選んでみてください。IBUの数値が近いクラフトビールを飲み比べて、原材料やホップの品種、製法によって異なる個性を堪能するのもたのしみ方のひとつです。

おすすめ情報

関連情報

ビア検(日本ビール検定)情報

ビールの基礎知識
広告掲載について

ビア検(日本ビール検定)情報

イベント情報

おすすめ情報

Ranking ランキング

おすすめの記事