ワインのカロリーと糖質はどのくらい? 赤・白・ロゼで違いは? ほかのお酒とも比べてみました
ワインは美容や健康にプラスとされる成分が含まれるお酒ですが、カロリーや糖質がゼロというわけではありません。今回は、ワインのカロリーや糖質の具体的な数値、ウイスキーなどの蒸溜酒より少しだけ高い理由、ワインを健康的にたのしむポイントなどを紹介します。
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ワインのカロリーと糖質はどのくらいなのでしょうか。健康的にたのしむポイントなども確認していきます。
ワインのカロリーと糖質は?
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まずは、ワインに含まれるカロリーと糖質の具体的な数値をみていきましょう。
ワイン100mlのカロリーは、(白)約75kcal、(赤)68kcal
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」第2章のデータによると、アルコール度数11.4%のワイン100gに含まれるカロリーは75kcal、糖質は2.0gです。成分分析に使われた白ワインは100gが100.2mlに相当することから、100ml中のカロリーは75.15kcal、糖質は2.004gとなります。
同資料によると、アルコール度数11.6%の赤ワイン100gに含まれるカロリーは68kcal、糖質は1.5gです。成分分析に使われた赤ワインは100gが100.4mlに相当することから、100ml中のカロリーは68.272kcal、糖質は1.506gとなります。
以上をまとめると、
<ワイン100ml中のカロリー>
◇白の場合:約75kcal
◇赤の場合:約68kcal
<ワイン100ml中の糖質>
◇白の場合:約2g
◇赤の場合:約1.5g
となります。
(参考資料)
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
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ワイングラス1杯(125ml)あたりのカロリーは(白)約94kcal、(赤)約85kcal
飲食店では、ワインボトル1本をグラスワイン6杯分に振り分けるのが一般的。一部の国産ワインを除き、フルボトルの容量は750mlなので、提供されるワイングラス1杯あたりの容量は125ml前後となります。
上で算出したカロリーと糖質をワイングラス1杯に換算すると、
<ワイングラス1杯分のカロリー>
◇白の場合:約94kcal
◇赤の場合:約85kcal
<ワイングラス1杯分の糖質>
◇白の場合:約2.5g
◇赤の場合:約1.9g
となります。
これはあくまでレストランなど飲食店で一般的とされるケースで、グラスごとの適量にこだわる場合はカロリーや糖質の量が変わってきます。注がれる量がわかったら、100mlあたりの数値から換算してみてくださいね。
ワイン1本(750ml)あたりのカロリーは、(白)約563kcal、(赤)約510kcal
上で算出したカロリーと糖質をフルボトル1本(750ml)分に換算すると、以下のような数値になります。
<ワイン1本分のカロリー>
◇白の場合:約563kcal
◇赤の場合:約510kcal
<ワイン1本分の糖質>
◇白の場合:約15g
◇赤の場合:約11.3g
赤ワイン・白ワイン・ロゼのうちカロリーが低いのは?
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前出の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」を参考に、アルコール度数10.7%のロゼワイン100ml中のカロリーと糖質を算出してみました。白ワインと赤ワインのカロリーや糖質と比較してみましょう。
<白ワイン100ml中のカロリーと糖質>
◇カロリー:約75kcal
◇糖質:約2g
※アルコール度数11.4%の場合
<赤ワイン100ml中のカロリーと糖質>
◇カロリー:約68kcal
◇糖質:約1.5g
※アルコール度数11.6%の場合
<ロゼワイン100ml中のカロリーと糖質>
◇カロリー:約71kcal
◇糖質:約4g
※アルコール度数10.7%の場合
カロリーだけに着目すると、これまでの結果をみるかぎり、
白ワイン>ロゼワイン>赤ワイン
の順で低くなりますが、実際はそうともいいきれません。
これまでは、文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」第2章のデータをもとに具体的な数値をみてきましたが、ワインのカロリーはアルコール度数によって変わってきます。お酒のカロリーの多くは、アルコール自体に含まれるカロリー。アルコール度数が高ければ、その分カロリーも増えるのです。
また、同じアルコール度数でも残糖量によってカロリーや糖質が変わります。残糖とは、ワインに残った糖分のこと。ワインはブドウに含まれる糖分を発酵させて造られるお酒ですが、発酵を止める段階でどれだけ糖分を残すかによって、甘さの度合いが変わります。このときワイン中に残った糖分を「残糖」といいます。甘口のワインは辛口のワインに比べて残糖が多く、糖質の数値も少し高めになります。
糖質は1gあたり4kcalのカロリーを産生するので、糖質が増えた分、カロリーも高くなります。
一般的に、甘口のワインは辛口のワインよりもカロリーや糖質が高くなります。甘口のワインの残糖量はフルボトル(750ml)で45g/L以上。辛口のワインは4g/L以下のものが多く、100mlあたりに換算するとその差は4g以上、カロリーにして16kcal以上。
同じアルコール度数どうしなら、カロリーは、ワインの色よりも残糖量による差のほうが大きいということを覚えておきたいですね。
ワインのカロリーはほかのお酒と比べて高い?
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ワインのカロリーや糖質は、ほかのお酒に比べて高いのでしょうか。その理由を含めて確認していきます。
ワインのカロリーと糖質をほかのお酒と比較
まずは、ほかのお酒100ml中に含まれるカロリーと糖質をみていきましょう。
異なるお酒のカロリーを比較するには、お酒に含まれるアルコール量を表す「純アルコール量」が役に立ちます。純アルコール量は以下の計算式で導くことができます。
酒の量(ミリリットル)× 度数または% / 100 × 比重(≒0.8) = 純アルコール量(グラム)
ここでは、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに、純アルコール量20gあたりのカロリーと糖質を紹介します。なお、ここでは純アルコール量20gとなる酒の量を「飲酒適正量」と呼びます。
◇白ワイン・アルコール度数11.4%
飲酒適正量:219ml
カロリー:164kcal
糖質:4.4g
◇赤ワイン・アルコール度数11.6%
適正飲酒量:216ml
カロリー:147kcal
糖質:3.2g
◇日本酒(純米酒)・アルコール度数15.4%
飲酒適正量:162ml
カロリー:164kcal
糖質:5.8g
◇日本酒(本醸造酒)・アルコール度数15.4%
飲酒適正量:162ml
カロリー:171kcal
糖質:7.2g
◇ビール(淡色)・アルコール度数4.6%
適正飲酒量:543ml
カロリー:213kcal
糖質:17g
◇ビール(黒)・アルコール度数5.3%
適正飲酒量:472ml
カロリー:215kcal
糖質:16.7g
◇焼酎・アルコール度数25%
飲酒適正量:100ml
カロリー:139kcal
糖質:0g
◇ウイスキー・アルコール度数40%
飲酒適正量:63ml
カロリー:140kcal
糖質:0g
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ワインのカロリーと糖質が焼酎やウイスキーより少しだけ高い理由
上の数値から、ワインのカロリーと糖質は焼酎やウイスキーより少しだけ高いことがわかります。
多少の誤差はありますが、焼酎やウイスキーの純アルコール量20gあたりのカロリー140kcal程度。アルコール1gあたり7.1kcalのエネルギーを産生するといわれているので、この数値はアルコールのカロリーと考えることができます。
また、焼酎もウイスキーもいずれも蒸溜酒で、蒸溜段階に糖分が取り除かれることから、糖質0gとなるのもうなずけます。
対して、ワインは日本酒やビールと同じ醸造酒の仲間。蒸溜の工程を経ていない醸造酒は原料由来の糖質を含んでいることから、蒸溜酒よりも少しだけカロリーが高くなります。
ワインを健康的にたのしむポイント
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ワインはカロリーや糖質が特別高いわけではありませんが、いつまでもおいしく飲み続けるためにも、健康的な飲み方を知っておきたいもの。そのポイントと、適量について確認していきます。
ワインには食事と一緒に飲むと健康によい?
ワインにかぎらず、お酒は料理と一緒にゆっくり飲むのがいいといわれています。
空腹の状態ではアルコールが吸収されやすく、ワインを飲むと血液中のエタノール濃度が急激に上がります。血中アルコール濃度は酔いの程度に関係するため、濃度が上がるほど酔いがまわりやすくなります。
食事と一緒に飲むことで、この血中エタノール濃度の急激な上昇を抑えることができるので、軽食でもよいですが、栄養バランスがとれた食事、なかでも牛乳やチーズなど、タンパク質や脂質を含む食べ物をワインと一緒に摂るとアルコールの吸収が緩やかになり、胃腸への負担を軽減できます。また、食事を摂ると胃が動き、弁膜が閉じるため、胃よりもアルコール吸収速度が速い小腸への到達を遅らせることができるそう。
毎日ワインを飲んだからといってすぐさま健康に影響があるわけではありませんが、アルコールの代謝能力は人それぞれ。食事と一緒にゆっくりたのしむ習慣を身につけたいものです。
ワインの適量を知って健康的な飲酒を
ワインを健康的にたのしむためには、自分の適量を知っておくことも大切です。
厚生労働省が推進する21世紀における国民健康づくり運動「健康日本21」では、「節度ある適度な飲酒」を、1日平均純アルコールで約20g程度としています。
ただし、これには以下のような留意事項があります。
出典 厚生労働省|健康日本21(アルコール)1)女性は男性よりも少ない量が適当である
2)少量の飲酒で顔面紅潮を来す等アルコール代謝能力の低い者では通常の代謝能を有する人よりも少ない量が適当である
3)65歳以上の高齢者においては、より少量の飲酒が適当である
4)アルコール依存症者においては適切な支援のもとに完全断酒が必要である
5)飲酒習慣のない人に対してこの量の飲酒を推奨するものではない
純アルコール量20gといえば、白ワイン、赤ワインともにグラスに2杯程度。体が小さい人や、アルコール代謝能力が高くない人は、少なめに設定したほうがいいかもしれません。
ワインのカロリーや糖質はほかのお酒に比べてそれほど高いわけではありませんが、甘口ほど糖質を多く含んでおり、糖質1gにつき4kcal分ほどカロリーが高めです。いつまでもおいしく飲み続けるためにも、適度な量のワインを食事と一緒にゆっくりたのしみたいですね。