【ビールde バトンリレー】 Vector Brewing 木水朋也さん

【ビールde バトンリレー】 Vector Brewing 木水朋也さん

2021年3月に終了したビール専門の姉妹サイト「ビアパレット」の好評連載記事をたのしいお酒.jpで紹介します。今回はFatBarley Brewingブルワー兼ASHFORD Craft Beer Pubオーナー森さんからご紹介いただいた木水さんを取材しました。取材日:2019年8月

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ビールを愛する、Vector Brewing 木水朋也さん

ビールを愛する、Vector Brewing 木水さん

ビールを愛する、Vector Brewing 木水さん

クラフトビールにはまったきっかけは、自分でつくって、飲んだ時

大学が酒蔵の多い広島県にあったので、学生時代は、日本酒を飲むことが多かったですね。大学卒業後は、飲食店にお酒を卸す仕事をしていたのですが、“売るより作りたい”と思いを持つようになり、神奈川県のクラフトビールメーカー、サンクトガーレンに入りました。その時に初めて自分でビールをつくり、それを飲んだ時にクラフトビールの魅力にはまりました。

お酒を卸す仕事をしている時は、ワインアドバイザーを取得するほど、ワインの方が興味があったんです。でも自分でつくるとなったら、年に1度しか仕込めないワインよりも、年に何度も仕込むことのできるビールのほうが魅力に感じたので、ビールをつくる仕事を選びました。

つくるビールにスタイルは関係ない

ビールを仕込む時は、“ビールスタイルは関係ない”と思ってつくっています。スタイルに合わせて作るのではなく、自分が飲みたいものをつくり、ビールが出来上がったら、スタイルに当てはめるというようにしています。
ビールは、がぶがぶ飲んで酔っ払って楽しい場を作ることができる、気楽な飲み物だと思っています。なので、普段、自分がビールを飲む時は、何人かで楽しみながら飲んでいます。

普段ビールを飲むときは、ネタ探しをする感覚で、“この香りは何だろうな”とか“自分だったらこうするだろうな”とか思うことがありますね。

お客さんの反応が嬉しい

ネットの評判を見て、お客さんが高い評価をしてくれていることや、ビールを卸しているビアバーさんから追加の注文が来ることは嬉しいことです。あとは、今年、『ジャパン・グレードビア・アワーズ2019』で出品した4つのビールすべてが、賞を取ることができたことも、嬉しかったですね。

賞を取ることができたのは、金賞は「ベクターペールエール」「グラン・クリュ」「ねこぱんち」、銀賞は「グラマラスIPA」です。

浅草橋に醸造所が出来上がり、2017年11月からビール醸造を始めました。作り始めてまだ半年くらいの時は、醸造所の設備の癖が分からず、“スパージング”をした際のろ過をするための作業に苦労したことがあります。普通は2、3時間で終わる作業なんですけど、7、8時間かかり、朝の2時くらいまでやっていたことがありました。

醸造所の様子

自分のスタイルを確立したい

今後の目標は、短期的な目標としては2つあります。1つ目は、大きなコンペティションで賞を取れるようなビールをつくりたいなと思います。コンペティションがすべてではないですけど、プロの方に評価してもらうことは、自信にもなります。

2つ目は、もう一か所醸造所を作りたいというのがあります。新宿と浅草橋の2つの醸造所でビールをつくっても、ビールがお店に回し切れていないことがあるので、もう一つ醸造所を作りたいなと思いますね。自分がヘッドブルワーになる浅草橋の醸造所ができたことは、ビール人生での最大の出来事ではあったのですが、次のステップに進みたいなという思いがあります。

沢山ビールをつくれるようになったら、海外に輸出したいというのもありますね。

野望としては、“ここでつくったビールで1つのビールスタイルを確立したい”という想いがあります。だからこそビールをつくる時は、スタイルに合わせてビールをつくっていないんです。

フルーツに例えられるビールが好き

ビールを飲むときは様々なタイプのものを飲みます。好きなビールのタイプは、“ちゃんと何かのフルーツに例えられるビール”が好きですね。

例えば、グレート・ノーション・ブリューイングの「ブルーベリー・マフィン」ですね。名前の通りちゃんとブルーベリーとマフィンの味がするんです。衝撃的でしたね。

あとは、サンフランシスコの「アンカー リバティ エール」というのは、カスケードホップだけで、マスカットの香りがしますし、ベルギーのフランダース・レッド・エールの「ドゥシャス・デ・ブルゴーニュ」は、チェリーの香りがするんです。とても不思議ですごいなと思います。

つくり方がイメージできないし、印象に残るビールというのは興味が沸きます。

クラフトビールを一度飲んでみてほしい

オリジナルビールのオススメは、「ねこぱんち」です。お店でも一番多く提供されています。クラフトビールの良いところどりなビールで、大手のビールを飲んでいた人でも、美味しく飲んでいただけると思います。

若い方にもクラフトビールを飲んでほしいですね。大手のビールよりは、少し高いかもしれませんが、1回飲んだらハマると思います!

左:グラマスBaby 右:Passion Shake 

左:Vectorペールエール 右:ねこぱんち

醸造所の2階でオリジナルビール飲み放題!

ビールをつくっているすぐ上の階で、醸造所でつくっているビールの4種飲み放題をやっています。2時間お一人様3,000円で6名様から受け付けています。食べ物は自由に持ち込んでもらい、ビールもタップからお客様ご自身で注いでもらい、自由に過ごすことができます。

― 飲み放題 ―
営業時間:月曜~土曜
時間:16:00~20:00
電話:03-6380-6844(ライナ株式会社)

オリジナルビールがつくれる!

浅草橋の醸造所で、自分だけのオリジナルビールも作ることができます。オリジナルで結婚式の引き出物やプチギフトを作ることができます。お二人で、ビール仕込み、ラベル貼り、瓶詰めまで行うことができます。もちろん結婚式に関係なく作ることができます。

〈ご参考〉
https://brewing-japan.com/howtoenjoy/specialcraftbeer/post-559/

【木水朋也さん プロフィール】

大学時代を広島で過ごす。卒業後飲食店にお酒を卸す仕事に従事。退職後、神奈川県のクラフトビールメーカー、サンクトガーレン有限会社に入社。ビール醸造を担当。2016年2月にライナ株式会社に入社。2017年「Vector Brewing」のヘットブルワーとなる。

<取材協力>Vector Brewing

Vector Brewingの外観

ライナ株式会社の一事業としてクラフトビールカンパニーがスタート。2013年にVectorBeer という国産のクラフトビールを扱うビアレストランが新宿御苑にオープンした。1年後「新宿BeerBrewing」で自社のビールの製造が始まり、2017年12月に浅草橋に新醸造所を開設。2019年8月にVector Brewingに名称を改めた。

・TEL
03-6380-6844(ライナ株式会社)

・所在地
〒111-0053
東京都台東区浅草橋4-7-3

・アクセス
JR浅草橋駅から徒歩4分

・Vector Brewing公式Facebook
https://www.facebook.com/CraftBeerCompanyAsakusabashi/

・木水さんのつくったビールが楽しめるお店はこちら
https://craftbeercompany.co.jp/#beer

・クラフトビアカンパニー公式HP
https://craftbeercompany.co.jp/

※本記事は「ビアパレット」で掲載していた記事を再編集しています。
お店の情報や商品の価格は取材当時の情報となっています。ご了承ください。

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