芋焼酎の原料に含まれる成分「ポリフェノール」に注目! その働きとは?

芋焼酎の原料に含まれる成分「ポリフェノール」に注目! その働きとは?
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芋焼酎の原料や醪には「ポリフェノール」が含まれていることをご存知ですか?ポリフェノールは抗酸化作用を持つ成分で、健康への効果が期待されています。今回は、芋焼酎の原料に含まれるポリフェノールに注目。その働きやおすすめの銘柄などを紹介します。

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芋焼酎の原料に含まれるポリフェノールの働きを知ろう

芋焼酎の原料に含まれるポリフェノールの働きを知ろう

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芋焼酎の原料に豊富に含まれているポリフェノールとは?

芋焼酎の原料であるさつまいもには、ポリフェノールが含まれています。ポリフェノールは、多くの植物に存在する苦味や色素の成分です。ポリフェノールは抗酸化物質としても知られ、活性酸素の発生やその働きを抑制したり、無害な物質に変えたりする作用があるといわれています。

ポリフェノールには8,000以上の種類があることがわかっています。たとえば、赤ワインのアントシアニンや大豆のイソフラボン、緑茶のカテキン、紅茶・烏龍茶のタンニン、コーヒーのクロロゲン酸、カカオのカカオポリフェノール、そばに含まれるルチンなどが代表例として挙げられます。

芋焼酎の原料のさつまいもに含まれるポリフェノールの種類

芋焼酎の原料となるさつまいもには、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸が多く含まれているといわれています。また、焼酎に使われるさつまいものなかには、赤ワインやブルーベリーに含まれるアントシアニンが豊富な品種もあります。

とはいえ、芋焼酎は単式蒸溜機を用いて造られる本格焼酎の一種です。発酵させたもろみを蒸溜してアルコールを抽出する段階で、豊富なポリフェノールの大半が焼酎粕(かす)と呼ばれる廃液に残ります。焼酎に含まれる量はごくごく微量になりますが、その働きには注目が集まっています。

芋焼酎がおすすめの理由

体内で生成される「活性酸素」は必ずしも有害なわけではありませんが、過剰に生成されると、老化、免疫機能低下、生活習慣病、がんなどの原因になるといわれています。こうしたリスクに抗ってくれるのが、ポリフェノールの持つ高い抗酸化作用です。たとえ微量でも、芋焼酎に抗酸化物質が含まれているのは、注目してもよい点かもしれません。

もちろん、低カロリー&糖質ゼロという点や、血栓を融かす働きのある酵素の分泌を促す作用があるといわれる点も芋焼酎の大きな魅力です。

芋焼酎のなかでもポリフェノールが多いといわれる紫芋を使った銘柄に注目!

芋焼酎のなかでもポリフェノールが多いといわれる紫芋を使った銘柄に注目!

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原料芋のなかでも紫芋はポリフェノールが豊富

芋焼酎の原料のなかでも「ムラサキマサリ」や「アヤムラサキ」といった紫芋は、ポリフェノールを豊富に含んでいることで知られています。

なかでも注目すべきは、紫芋の色素成分であるアントシアニン。赤ワインに豊富に含まれていることでも話題となったアントシアニンは、食品用の天然色素として用いられることもあるほか、目の働きを高める効果やメタボ予防など、さまざまな健康効果に期待が寄せられています。

また、原料のさつまいもにアントシアニンが多く含まれているほど、ヨーグルトのような香りを生むジアセチルという成分の濃度が高まるといわれています。つまり、紫芋で造った焼酎の独特な香りには、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが関係しているのです。

紫芋を使った焼酎のおすすめ銘柄

甘くフルーティーな香りで、女性をはじめとするファンを虜にする紫芋の焼酎。ここでは、おすすめ銘柄をいくつか紹介しましょう。

【赤霧島(あかきりしま)】

紫芋「ムラサキマサリ」由来の華やかで気品ある香りと澄んだ甘味が特徴の、食中酒にぴったりな芋焼酎。原料芋に豊富に含まれているポリフェノールが、麹の生成するクエン酸と反応してもろみが真っ赤になることから、「赤霧島」と名づけられました。


製造元:霧島酒造株式会社
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【赤猿(あかざる)】

紫芋の王様と呼ばれる希少な「農林56号」を原料に、白麹でやさしく醸し、すっきりとした飲み口に仕上げられた逸品。華やかでフルーティーな香りと、キレのよさが魅力です。

製造元:小正醸造株式会社
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【紫の赤兎馬(せきとば)】

鹿児島県産の白芋「黄金千貫」と紫芋「エイムラサキ」を原料に、特殊なろ過方法で製造した1本。紫芋由来のフルーティーな香りと、甘くふくよかな味わいをたのしめます。


製造元:濵田酒造株式会社・焼酎蔵薩州濵田屋伝兵衛
公式サイトはこちら

芋焼酎のおいしい飲み方

芋焼酎のおいしい飲み方

kai keisuke/ Shutterstock.com

芋焼酎の魅力を堪能するならこの飲み方

ポリフェノールを多く含むさつまいもを原料とした芋焼酎のおいしさを味わうなら、ロック、水割り、お湯割りといったシンプルな飲み方がおすすめです。

◇ロック
ロックなら、焼酎本来の強い印象から、時間の経過とともに変化するやさしい味わいまで、幅広い魅力を堪能できます。紫芋系焼酎の香味やコクもじっくり味わい尽くせます。

◇水割り
やわらかな風味をたのしむには、水割りがおすすめ。紫芋系焼酎の独特な甘味も、口中で華やかに広がります。また、あらかじめ割り水して一晩から数日程度寝かせた「前割り焼酎」なら、さらにまろやかな味わいがたのしめます。

◇お湯割り
ふんわりと立ち上がる香りを満喫するなら、お湯割りがぴったり。ツンと鼻につくような刺激臭も和らぐので、アルコール感が苦手な人もぜひ試してみてください。また、紫芋系焼酎のフルーティーな香りを存分に満喫できるのもこの飲み方です。

芋焼酎をおいしく味わうための酒器

芋焼酎をおいしく味わうには、酒器も大事な要素のひとつです。鹿児島特産の芋焼酎は、鹿児島を代表する酒器でたのしみたいもの。

ロックや水割りで飲むなら、「薩摩切子(さつまきりこ)」がおすすめです。美しくカットされたグラスは、宝石のような輝きを放ちます。「薩摩切子」で飲めば、贅沢なひとときを過ごせるでしょう。

「前割り焼酎」を温めて飲むなら、薩摩焼きの「黒千代香(くろぢょか)」と「おちょこ」のセットが最適。「黒千代香」は前割りした焼酎を直火などで温められる酒器で、焼酎を入れておくだけでも酒質がやわらなくなるといわれています。

お湯割りで飲む場合は、薩摩焼きの「ぐい呑み」を選んでみてはいかがでしょう。器に厚みがあるので、お湯割りが冷めにくくなります。

芋焼酎の原料に含まれるポリフェノールは蒸溜段階でその大半が失われてしまいますが、ポリフェノールがたっぷり含まれたさつまいも由来の香味は存分に味わえます。また近年、蒸溜後の焼酎粕(かす)に残る脂溶性ポリフェノールが、新たなアンチエイジング素材として、化粧品やサプリメント業界から注目を浴びています。まだ抽出・精製技術の研究段階のようですが、今後の展開に期待したいものですね。

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