ビールのアルコールが体から抜ける時間は? 上手にたのしむコツを紹介

ビールのアルコールが体から抜ける時間は? 上手にたのしむコツを紹介
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ビールはアルコール飲料なので、飲めばもちろん酔いますよね。では、飲んだビールのアルコールは、どのくらい時間が経てば体から抜けるのでしょうか? 今回は、酔いのしくみやアルコールが抜ける時間を知る方法、悪酔いしないコツなどを解説します。

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ビールを飲むとなぜ酔うの?

ビールを飲むとなぜ酔うの?

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「酔う」とはアルコールが脳を麻痺させること

そもそもビールを飲むとなぜ酔うのでしょうか? まずはかんたんに、「酔い」のメカニズムから見ていきましょう。

口から入ったアルコールは、胃と小腸で吸収され、血液に溶け込んで全身をめぐります。血液をめぐるアルコール成分が脳にまわると、脳の中枢神経を麻痺させます。これが、酔っている状態を引き起こすのです。お酒をたくさん飲めば、その分、酔いの程度も高まります。

酔いの程度は血中アルコール濃度で決まる

酔いの程度は、脳の中のアルコール濃度によって決まります。これを実際に測ることはできませんが、血液や呼気に含まれる濃度で判定することができます。一般的には、酔い(脳の中枢神経への作用)には血中のアルコール濃度が関係しているため、それを目安にして酔いの程度を知ることができます。

血中アルコール濃度による酔いの程度の目安は、以下のとおりです。(※公益社団法人アルコール健康医学協会「お酒と健康を考える」より)

◇爽快期:0.02~0.04%
◇ほろ酔い期:0.05~0.10%
◇酩酊初期:0.11~0.15%
◇酩酊期:0.16~0.30%
◇泥酔期:0.31~0.40%
◇昏睡期:0.41%~


アルコール成分が脳にまわると、大脳の機能が抑えられ、脳の本能や感情をつかさどる部分の働きが活発化します。すると、解放感を覚えたり、陽気になったりして「よい気分」を味わえます。

たのしくビールを飲めるのは、「ほろ酔い期」まで。酔いが深く進んでしまうと、知覚や運動能力が鈍り、記憶もあいまいになっていきます。さらに酔いが進めば、最悪の場合、健康や生命に危機をもたらすこともあります。

お酒を飲むと、体からお酒の臭いがする理由

体内に入ったアルコールは、約2割が胃、残りの8割は小腸から吸収されます。吸収されたアルコールは血液に溶け込んで全身をめぐり、肝臓に運ばれます。

肝臓では約9割のアルコールが、時間をかけて分解されていきます。しかし、残りの約1割は分解されないまま、汗や尿、呼気となって体から排出されます。ビールを飲んだあと、息や体臭がお酒臭くなるのはこのためです。

ビールのアルコールが抜ける時間を知るには?

ビールのアルコールが抜ける時間を知るには?

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アルコールの抜ける時間(分解時間)は計算できる

ビールのアルコールはどのくらいの時間で分解されるのか、以下の計算式を活用すればかんたんに割り出すことができます。

◇1時間に分解できるアルコール量
体重(キログラム)×0.1=1時間に分解できるアルコール量(グラム)

◇純アルコール量
飲んだビールの量(ミリリットル)×(アルコール度数÷100)×0.8=純アルコール量(グラム)

◇アルコールを分解するのに必要な時間
純アルコール量÷1時間に分解できるアルコール量=分解時間

たとえば、体重70キログラムの人が、350ミリリットルの缶ビール(アルコール度数5%)を飲んだとしましょう。
1時間に分解できるアルコール量は70×0.1=7グラム、飲んだ純アルコール量は350×0.05×0.8=14グラム。したがってアルコール分解に必要な時間は、14÷7=2時間となります。

アルコールの抜ける時間(分解時間)には個人差がある

当然ながら、アルコール処理能力には個人差があるうえ、同じ量のお酒を飲んでも、男性に比べて女性のほうがアルコールを分解するまでに時間がかかる傾向があります。

これは、肝臓の大きさに差があるため。肝臓の大きさは体重に比例します。比較的、男性よりも体重の軽い女性の肝臓は小さいので、分解に時間がかかります。加えて、女性は男性と比べて体に占める水分の割合が小さく、血液中のアルコール濃度が上昇しがちです。つまり、一般的にいえば、体格のよい男性のほうがアルコールを速く分解できることになります。

とはいえ、男性でも女性でも、もともとお酒が弱い人は、アルコールを分解するのに時間がかかります。お酒が強い人であっても、その日の体調によって処理能力は変わってくるので気をつけましょう。

ビールで悪酔いしない飲み方のコツ

ビールで悪酔いしない飲み方のコツ

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食べながら飲めば悪酔いしにくくなる

悪酔いせずにたのしむコツは、料理やつまみを食べながらビールを飲むことです。

何も食べないままビールを飲むと、胃から小腸へアルコールが素早く移動し、小腸から吸収される量が多くなります。すると、アルコール成分が脳に到達する時間も早まり、酔いやすくなります。

一方、食べながら飲むと、胃から小腸へアルコールがゆっくりと移動します。またアルコールが食べ物に包まれるため、小腸に運ばれても吸収されるまでの時間が長くなります。そうすると、血液中のアルコール濃度の急激な上昇が抑えられ、心地よいほろ酔い気分が続くことになります。

また、食べながら飲めば、飲むペースを落とすことができるので、ビールを飲む量も抑えられます。

悪酔いを防ぐのにおすすめの食べ物は?

お酒を飲むときに、積極的に摂取したい食べ物を紹介します。以下のような食べ物を、ビールのお供にしてみてはいかがでしょう。

【チーズ・牛乳】

脂肪分が含まれるチーズには、胃腸の粘膜を保護する働きがあるといわれています。飲む前に食べておけば、アルコールの刺激で胃壁が荒れるのをやわらげることができるでしょう。また、事前に牛乳を飲んでおくと、アルコールの吸収を遅らせることができるともいわれています。

【野菜】

ビールを飲んでいる間は、アルコールによってミネラルやビタミンが失われやすくなります。これらを豊富に含む野菜を積極的に食べるとよいでしょう。また、から揚げなどお酒に合うつまみばかり食べると食物繊維が不足しがちになるので、食物繊維を多く含むキャベツなどを摂るのもおすすめです。

【豆腐・卵】

肝臓がアルコールを分解する際、たんぱく質を必要とします。豆腐や卵料理など、たんぱく質の豊富な食べ物を意識して食べましょう。

【果物】

飲んだあとには、果物を摂ることも効果的です。果物に含まれる果糖は、アルコールの分解を助けてくれます。グレープフルーツジュースなど、柑橘系の果汁が入った飲み物もおすすめです。

おいしいビールを飲むと、ついたくさん飲みたくなりますが、飲み方には注意が必要です。お酒の抜ける時間を考えながら、たのしいビール・ライフを送りましょう。

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