「ラオラオ」は焼酎のルーツのひとつとも言われるラオス版焼酎
「ラオラオ」と呼ばれるお酒を知っていますか? 「ラオラオ」とは、ラオスで使われる「ラーオ語」で蒸溜酒を指す言葉。ラオスの伝統的なお酒ですが、焼酎や琉球泡盛のルーツとも考えられており、日本では“ラオス版焼酎”として注目されています。
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「ラオラオ」の故郷ラオスに関する豆知識
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「ラオラオ」の故郷、ラオスってどんな国?
「ラオラオ」の故郷は、東南アジアのインドシナ半島に位置するラオス人民民主共和国。ビエンチャンに首都を置く、人口は約649万人(2015年、ラオス統計局)の社会主義共和国家です。
ラオスに蒸溜酒が伝わった18世紀頃、ラオスは君主制の国でした。その後、1899年にはフランス領のインドシナに編入され、完全独立を果たしたのは第二次世界大戦後の1953年のこと。度重なる内戦の末、現在の国家が成立したのは、日本が第1次焼酎ブームを迎えた1975年のことでした。
「ラオラオ」の故郷、ラオスの豊かな自然
ラオスは「東南アジア最後の楽園」とも呼ばれる自然の宝庫。国土は日本の本州と同じくらいの広さですが、その約7割を山岳地帯が占め、メコン川沿いに原生林が広がっています。
緑豊かな大地と、美しい川の流れが織りなす景色のなか、世界遺産のワット・プーをはじめ、クアンシーの滝やコンロー洞窟など、数々の絶景スポットで世界中の旅行者に親しまれています。
「ラオラオ」はラオス名物の蒸溜酒
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「ラオラオ」ってどんなお酒?
「ラオラオ」とは、ラオスの公用語、ラーオ語で「ラオスの蒸溜酒」を意味しています。ラオスでは、古くから飲まれてきたポピュラーなお酒で、日本人観光客の間でも“ラオス版焼酎”として親しまれています。
ラオラオは、ラオスの主食であるモチ米を発酵させた醪(もろみ)を蒸溜して造られます。今も、ざるやかめ壺といった伝統的な道具が用いられて、日本では江戸時代に用いられていた「ランビキ」と呼ばれる蒸溜器も使われています。
「ラオラオ」は泡盛のルーツとの説も
蒸溜酒の起源は、紀元前のメソポタミアと言われていて、これが長い年月をかけてヨーロッパやアジアへ伝わったと考えられています。
日本には、シャム(現在のタイ)を経由して琉球に伝来して「泡盛」となり、それが九州に伝わって「焼酎」になったというという説が有力視されています。じつは、泡盛のルーツには諸説あり、ラオスの「ラオラオ」もそのひとつと考えられています。
「ラオラオ」のたのしみ方
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「ラオラオ」はどんな料理にも合う万能の食中酒
「ラオラオ」は、モチ米から造られているだけあって、どんな料理にもマッチする有能な蒸溜酒。一度飲んだらクセになる味わい深いお酒ですが、アルコール度数は50度前後とかなり高めなので、飲み方を工夫する必要があります。
ラオスでは、炭酸やコーラなどで割るのが定番の飲み方。泡盛をたのしむ感覚で、カクテルベースに使ってもおいしくいただけます。もちろん、食事との相性を堪能するなら、水割りもおすすめです。
「ラオラオ」は、日本ではなかなか手に入りませんが、ラオス料理の店に行けば飲める可能性があります。チャンスがあったら、ぜひ味わってみてください。