芋焼酎にも新酒がある! 焼酎ヌーボー(焼酎ヌーヴォー)のたのしみ方
「焼酎ヌーボー(ヌーヴォー)」という言葉を聞いたことがありますか? フランス・ボージョレ地区で生産され、毎年11月の第3木曜日に解禁となる新酒のワインを「ボージョレ・ヌーヴォー 」と呼びますが、同様に、蒸溜仕立ての芋焼酎の新酒を熟成せずに瓶詰めしたのが「焼酎ヌーボー」。その魅力やたのしみ方を紹介します。
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焼酎ヌーボーが注目される理由
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焼酎ヌーボーは芋焼酎の季節限定商品
「焼酎ヌーボー」とは、毎年、秋に販売される芋焼酎の新酒のこと。「焼酎ヌーボ」や「焼酎ヌーヴォー」「焼酎ヌーヴォ」などと表記されることもありますが、決まったルールはなく、ここでは「焼酎ヌーボー」で統一します。
焼酎ヌーボーは、毎年11月の第3木曜日に解禁されるワインの新酒「ボージョレ・ヌーヴォー」と同じく、特定の時期に、数量も絞って販売される限定品。その時期にしか味わえない稀少な味わいをたのしみたいという人たちの間で注目を集めています。
焼酎ヌーボーの魅力は、蒸溜したての新酒というスペシャル感
焼酎もワインも熟成期間を経ることで味の深みが増しますが、焼酎ヌーボーはボージョレ・ヌーヴォーと同じく、熟成させずに新鮮なまま出荷される「早飲みタイプ」のお酒。まさに「蒸溜したての新酒」と言えるでしょう。
焼酎は本来、蒸溜後に一定期間、熟成させてからたのしむお酒ですが、焼酎ヌーボーはその常識を逆手に取ったお酒。熟成によって角が取れ、まろやかになる前の、荒々しくもフレッシュな香味が焼酎ヌーボーの魅力。加えて、めったに味わえないというスペシャル感も、人気の秘密と言えそうです。
焼酎ヌーボーが芋焼酎限定の理由
焼酎を含む蒸溜酒は、本来は新酒をたのしむ習慣はありません。というのも、蒸溜したてのお酒は蒸溜臭やアルコール臭が強く、飲むのに適していません。
ただし、芋焼酎は別。原料となる芋の香味が強く、新酒ならではのフレッシュさをたのしむことができるからです。その味わいには造り手からも賛否両論があるようですが、もともと試飲用だった焼酎の噂はSNSなどを介して広まり、焼酎ヌーボーとして話題になり、多くの焼酎蔵から発売されるようになったのです。
焼酎ヌーボーが味わえる時期
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焼酎ヌーボーをたのしむなら「本格焼酎の日」に
焼酎ヌーボーの出荷時期は蔵元によりさまざまですが、おおむね、10月の上旬から11月にかけて発売されます。なかには11月1日の「本格焼酎の日」を狙って蔵出しされる銘柄もあるようです。
原料のサツマイモが収穫されるのは8月。それから仕込み、蒸溜を経て、瓶詰めされるのが、この時期というわけです。
焼酎ヌーボーのたのしみ方
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洗練される前の荒削りな魅力を堪能
焼酎ヌーボーの魅力は、なんといっても、熟成によって洗練される前の荒削りな味わいにあります。
とくに初めて飲む場合には、若干の飲みにくさを覚えるかもしれませんが、熟成期間を経て出荷される通常の芋焼酎ではなかなか感じ取れない、原料芋ごとの個性や華やかな香味を堪能できるでしょう。
焼酎ヌーボーのおすすめの飲み方
焼酎ヌーボーは、その銘柄本来の味わいをダイレクトに味わえるのが魅力。まずはロックで味わうのがオススメです。
芋本来の甘味と華やかな香りを満喫したい人には、熟成した焼酎と同様、お湯割りでたのしみましょう。
「焼酎ヌーボー」には明確な定義はありません。「新酒」とは言っても3カ月以上熟成させたものや、新酒と熟成酒をブレンドさせているケースもあるのだとか。蒸溜したての新酒にこだわりたい人は、購入前に蔵元の公式サイトの情報を確認することをおすすめします。