ビールとパンってじつは合う! その意外な関係って?
ビールとパンは意外に見えて、じつは好相性な取り合わせ。その起源をたどってみると、原料や製造法、食文化など、共通点が多いことに驚かされます。ビールとパンが相性のよい理由や、ビールのおつまみにオススメのパン料理を紹介します。
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ビールとパンが好相性な秘密は原料にあった
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ビールとパンは、どちらも麦と酵母で造られる
ビールもパンも、その歴史は非常に古く、紀元前6000〜4000年代のメソポタミアの遺跡でも、その存在が記録されています。
古代のビール製法には2つの説があります。1つは、麦を発芽させて粉にしたものをパンのように焼いてから、水に浸して発酵させる説。もう1つは、麦芽と麦に酵母を加えて発酵させる説です。現在のビールは後者に近い製法で造られています。
一方、パンの製法は、古代は小麦粉を水でこねて焼くだけでしたが、のちに酵母で発酵させるようになりました。
両者の製法を比較すると「麦」「酵母」という共通点があることがわかります。
ビールはかつて、“液体のパン”と呼ばれていた
ビールもパンも、麦を使う食文化が発展したもので、どちらも酵母のはたらきで発酵させる発酵食品です。
メソポタミアで発展したビールがヨーロッパに伝わったあとは、キリスト教の影響で、「パンはキリストの肉」と言われたのに対し、「ビールは液体のパン」と呼ばれました。
ビールとパンが好相性なのは、同じ原料から造られるというだけでなく、同じ食文化のなかで食べ方や調理法が発展してきたからでもあるのです。
ビールにピッタリ、パンを使ったおつまみ
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ビールに合うシンプルなパン料理「ガーリックトースト」
ビールのおつまみにオススメのパン料理の代表格が「ガーリックトースト」。すりおろしたニンニクを、スライスしたフランスパンに乗せて焼いたものです。
アンチョビやチーズ、しらすや明太子などを加えると、さらにビールとの相性がよくなります。
ビールと一緒につまみたい、おしゃれな「カナッペ」
ビールとパンを気軽にたのしむなら、片手でつまみやすいおつまみ「カナッペ」はいかがでしょう。クラッカーに具材を乗せるのが一般的ですが、薄く切ったフランスパンを使うと食べ応えが増します。
生ハムやサーモン、オイルサーディンなど、お好みの具材を乗せれば、さらにボリュームアップ。プチトマトのスライスやバジルなどで彩りを添えれば、パーティーにもぴったりです。
ビールの苦味とベストマッチ!? 「ほの甘フレンチトースト」
ビールと一緒に、パンのデザートはいかがでしょうか? フランスパンで作るフレンチトーストなら、甘すぎず、満足感もあります。
パンを浸す卵液に、ミルクだけでなくウイスキーを混ぜれば、大人味に仕上がります。
ビールとパンで作る魅力の一皿!
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黒ビールを使った大人味のパン
ビールをパン生地に混ぜることで、ふっくらとしたパンが焼けると評判です。
強力粉や全粒粉、ドライイーストを混ぜたあとに、人肌に温めた黒ビールを混ぜ、発酵の段階を踏んで、焼いてみてください。黒ビールの焙煎香がほのかに漂う、おしゃれなパンが仕上がります。
ビールとパンでお漬物に!? パン床漬
ビールとパンを混ぜて「ぬか床」ならぶ「パン床」を作り、お漬物を漬けてはいかがでしょう。
「パン床」の作り方は、ビールとパン粉(食パンでも可)に塩を加え、よく練り混ぜるだけ。そこに野菜を漬けて、常温で1日置くだけで、一味違った漬物ができあがります。
ビールでふっくらパンケーキ
ビールをパンケーキの生地に入れると、ふんわり、やわらかに焼き上がり、ほのかなビールの苦味がするしっとりとしたパンケーキに。ジャムやハチミツを乗せて甘みを加えれば、大人のデザートが完成です。
ビールとパンは、原料や製造工程、そして食文化に共通点が多いためか、好相性な取り合わせ。どちらも身近でリーズナブルなので、家飲みでたのしむには最適。パンとビールを使った一品にも、ぜひ挑戦してみてください。