ベトナムのビール文化とおすすめ銘柄
ベトナムのビールを飲んだことはありますか? ベトナムは「アルコール=ビール」と言われるほどのビール大国。歴史的にはフランス植民地時代に持ち込まれ、ベトナム戦争時に一般に普及しました。ここでは、ベトナムのビール事情と、日本でも飲める代表的なベトナムビールの銘柄を紹介します。
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ベトナムビールの特徴と文化
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ベトナムのビールの歴史は、フランス統治時代の1890年代にフランス人によって持ち込まれたことから始まったとされています。
当時、ビールはベトナム人の舌になじまず、本格的に普及したのはベトナム戦争が始まった1960年代のことでした。
戦争により主食の米が不足するなか、ビールの原料である麦は比較的入手が容易だったようで、そうした状況下で生まれたのが「ビア・ホイ」(ビアホール)で生ビールをたのしむ文化でした。
もちろん、現在では瓶ビールや缶ビールも多くの銘柄が販売されていますが、ベトナムの人にとっては、ビールといえば、やはり「ビア・ホイ」で生ビールをたのしむのが主流なのだとか。
ベトナムビールの価格事情
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ベトナムのビール消費量は世界第9位、アジアでは中国・日本に次いで第3位(「キリンビール大学」レポート 2017年国別ビール消費量)を誇ります。こうした消費量の多さは、ビール人気の高さもさることながら、価格の安さも影響しているようです。
一般的な350ミリリットルの国産缶ビールの価格は、日本円で約50円と、他の清涼飲料水と同程度の価格です。ただし、物価は日本の5分の1程度なので、日本人にすれば缶ビール1本250円という感覚でしょうか。
前述のように、ベトナム人の多くがたのしむビールは、「ビア・ホイ」で味わう生ビール。タンクから直接グラスへ注がれる生ビールは、1杯が日本円で24円から34円と格安。これがベトナムのビール消費量を引き上げている大きな要因かもしれません。
ベトナムビールのおすすめ銘柄1 「333(バーバーバー)」
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「ベトナムでビール」と言えば、1875年創業で国内シェアの約4割を占めるSABECO(サベコ)社のビールです。同社の銘柄のなかでダントツのシェア7割強を誇るのが「333(バーバーバー)」。
副材料に米を使用しているため、味はやや薄めですが、その分、泡立ちのよさが特徴。苦味と炭酸が他のベトナムビールより強く、アルコール度数も5.3度と高めで、330ミリリットル缶が6000ドン(日本円で約30円)。日本での販売価格は、330ミリリットル缶が270円程度です。
ベトナムビールのおすすめ銘柄2 「BIA SAIGON(ビアサイゴン)」
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ベトナムのビール銘柄のもうひとつのおすすめは、「333」と同じSABECO社が造る「BIA SAIGON(ビアサイゴン)」です。
この銘柄には4タイプの商品があり、定番はアルコール度数が4度の緑ラベル「ラガー」と、アルコール度数が4.9度と高めの赤ラベル「エクスポート」。さらに、モルト100%の「スペシャル」と、柑橘系の香りがたのしめるプレミアム版の「ゴールド」となります。
いずれも、のどごしはカラッとして、ライトな味わいが女性にも飲みやすいビールです。ベトナムのビールのなかでも麦の味がしっかりと感じられ、日本のビールにもっとも近いかもしれません。
代表格の緑ラベル「ラガー」は、450ミリリットル瓶で12,000ドン(日本円で約60円)。日本では「サイゴンスペシャル」として330ミリリットル瓶が販売されていて、価格は約340円です。
参考:記事内の日本円換算は、2019年3月現在のレートで、1日本円=208ベトナムドンとして計算しています。
製造元:SABECO(サベコ:Saigon Beer Alcohol Beverage Corporation)
公式サイトはこちら
ベトナムのビール事情をみてきました。日本でたのしむなら缶ビールや瓶ビールですが、ベトナムの人々にとっては、ビアホール「ビア・ホイ」で飲む生ビールが一般的です。ベトナムへ出かける機会があれば、ぜひ生ビールを味わってみてください。
※商品価格は記事執筆時点のものとなります。ご購入の際には価格が異なる場合がありますのでご注意ください。