モルト(大麦麦芽)から生まれる、モルトウイスキーの種類を知ろう!

モルト(大麦麦芽)から生まれる、モルトウイスキーの種類を知ろう!
出典 : Jaime Pharr/ Shutterstock.com

ウイスキーのなかでモルト(大麦麦芽)だけを原料とするウイスキーがモルトウイスキー。原材料として使われる二条大麦とはどんな麦なのか、なぜ発芽させるのか。そんなモルトにまつわる豆知識を、モルトウイスキーの種類も含めて紹介しましょう。

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モルトの主原料“二条大麦”とは?

モルトの主原料“二条大麦”とは?

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モルトウイスキーの原料である大麦は、世界最古の穀物といわれ、古代エジプトの時代からパンやビールの原料として使われてきました。

大麦にも幾つかの種類がありますが、モルトウイスキーの原料としておもに使われるのは「二条大麦」。穂を上から見ると2列の実がついていることからその名がついています。

二条大麦の栄養分を調べてみると、胚乳(発芽時の養分)に含まれる85%がデンプン、10%がタンパク質です。一般的に食用や麦茶などに利用される「六条大麦」にくらべると、デンプンが多くタンパク質が少ないことが特徴です。

また、二条大麦は六条大麦にくらべて粒が大きいのも特徴。このため二条大麦を「大粒大麦」、六条大麦を「小粒大麦」と呼ぶこともあります。

モルトが持つ発芽の力

モルトが持つ発芽の力

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モルトウイスキー造りの第一段階は、二条大麦に水を含ませて発芽させることから始まります。

なぜ、わざわざ発芽させるのでしょうか? それは発酵を進みやすくするためです。
穀類のデンプンは、そのままでは酵母によるアルコール発酵が進みません。このため、日本酒や焼酎などは麹(こうじ)で米のデンプンを分解し、アルコール発酵させています。
ところが、大麦は発芽するときに、デンプンを分解する酵素を自ら造り出すことができます。この特性に気づいた人間が、ウイスキー造りに利用しようと知恵と工夫を重ねた結果、モルト(大麦麦芽)ウイスキーが生まれたのです。

モルトウイスキーの種類とは?

モルトウイスキーの種類とは?

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モルトだけを使ったモルトウイスキーの種類についてみてみましょう。

【シングルモルト】

ひとつの蒸溜所で製造された、モルト原酒だけで造られたウイスキー。それぞれの蒸溜所の風土や水、気候など独特の味わいが特徴です。

【ブレンデッドモルト】

「ヴァッテッドモルト」とも呼ばれ、複数の蒸溜所で造られたモルト原酒を混合(ヴァッティングという)したウイスキー。ブレンダーが意図した味わいのモルトウイスキーを造り出すことができます。

【シングルカスク】

モルト原酒を貯蔵していた単一の樽から瓶詰めしたウイスキー。同じ蒸溜所でも樽によって品質が異なることから、ラベルには銘柄ではなく樽番号が書かれています。非常に個性が強く、アルコール度数も50〜60度のままであることが多いです。

【ピュアモルト】

その名のとおり「純粋なモルト」を意味していて、モルト原酒100%のウイスキーを指します。多くの場合、シングルモルトと同じ意味で用いますが、ブレンデッドモルトを指す場合もあります。

ウイスキーにとってモルトは、なくてはならない原料です。発芽で生まれる酵素を利用するという人間の知恵と工夫が生んだモルト。この不思議な力を実感しながらモルトウイスキーをたのしんでみましょう。

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