日本酒と地酒は何が違う? 地酒の定義やたのしみ方

日本酒と地酒は何が違う? 地酒の定義やたのしみ方
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「日本酒」と「地酒」、この両者の呼び名の違いを知っていますか? どちらも同じものだと思っている人や、違いを説明できないという人も多いかもしれません。日本酒と地酒の違いを知って、日本酒の世界をより深くたのしんでみましょう。

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日本酒における「地酒」が指すもの

日本酒における「地酒」が指すもの

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「日本酒と地酒の違いは?」と聞かれて、すぐに答えられる人はそれほど多くないのではないでしょうか。

それもそのはず、じつは「これが地酒」という確固たる定義は存在しません。とはいえ、当然ながらすべての日本酒が地酒と呼ばれているわけではなく、全国規模で流通する大手メーカーの日本酒や、古くから日本酒の名醸地として知られる伏見(京都)や灘(兵庫)以外の地域で造られた日本酒を「地酒」と呼ぶのが一般的です。

こうした認識が根づいた背景には、日本酒の流通の歴史があります。江戸時代、全国規模で流通した日本酒は、当時から酒処として栄えた伏見や灘の日本酒に限られていました。
これに対し、そのほかの地域で造られる、全国に流通することのない日本酒、つまり生産地周辺のみで消費される日本酒を「地酒」と呼ぶようになったのです。

日本酒のブランドイメージを作る地酒銘柄

日本酒のブランドイメージを作る地酒銘柄

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「地酒」といえば、かつては伏見や灘などで造られる全国的な日本酒よりも格下の扱いだったといわれています。しかし近年では、そうしたイメージは払拭され、逆に価値あるものと捉える見方が広がっています。

地酒の価値が高まったきかっけのひとつが、昭和の終わりごろに到来した「地酒ブーム」です。全国的な流通網に乗らないことに加え、もともとの生産量が少ない地酒は、入手が困難なことで“幻の酒”とも称され、プレミアがつく銘柄も登場。以来、地酒は「日本酒の個性の違いを探求したい、日本酒通が好む酒」というイメージで語られるようになりました。

「地酒ブーム」がスタートしてから約30年が過ぎますが、人気のある地酒の銘柄は、時代によって変化しています。
当初の地酒ブームを牽引したのは「越乃寒梅」(新潟 石本酒造)や「一ノ蔵」(宮城 一ノ蔵)などの銘柄で、90年代には「天狗舞」(石川 車多酒造)、「久保田」(新潟 朝日酒造)などが人気を集めました。さらに近年では、田酒(青森 西田酒造店)や、十四代(山形 高木酒造)、飛露喜(福島 廣木酒造本店)、而今(三重県 木屋正酒造)、獺祭(山口 旭酒造)などの地酒が脚光を浴びています。

日本酒の個性や食材との組み合わせで地酒をたのしむ

日本酒の個性や食材との組み合わせで地酒をたのしむ

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日本酒はそれだけで味わってもおいしいですが、食中酒として料理とともにたのしむものでもあります。

では、地酒に合う食材や料理をどのように見つければよいかといえば、やはり同じ地域の産物と組み合わせるのが一番です。
日本酒の味わいは、造られる土地の風土に大きく影響されます。同じ風土で作られる食材や料理は、その土地の日本酒と好相性なものがほとんど。多くの蔵元は、地酒の味わいを決める際に、その土地の食事に合うことを意識するため、なおさら相性がよくなります。

近年では流通網の整備によって、日本のどこにいても、全国の地酒が味わえますが、できれば地酒の産地を訪れ、その土地の食事とともに味わうのが、最高の地酒のたのしみ方といえるのではないでしょうか。

日本酒は、造られる風土や造り手によって、それぞれに異なる個性が存在します。その土地ごとの地酒の味わいや香りを知って、好みの1本を探してみましょう。お気に入りの地酒を囲んで語らうひとときも、また至福の時間となるはずです。

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