「バカルディ・カクテル」にバカルディ社以外のラムを使うのが禁止されている理由

「バカルディ・カクテル」にバカルディ社以外のラムを使うのが禁止されている理由
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「バカルディ」は、世界中で愛されているプレミアムラム『バカルディ』を使用した、可愛らしいピンク色のショートカクテルです。じつは、このカクテル「バカルディ」には、必ずバカルディ社のラムを使わなければならない理由があるのです。今回はその理由を紹介します。

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カクテル「バカルディ」の基本的なレシピ

カクテル「バカルディ」の基本的なレシピ

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バカルディ社は、1862年にキューバで設立された世界最大のスピリッツメーカーの一つ。今回紹介するカクテルのベースとなる『バカルディ』は、バカルディ社の設立者であるドン・ファクンド・バカルディ・マッソ氏によって開発された、プレミアムラムのことを指します。

対して、「バカルディ」と名付けられたカクテルは、1933年に禁酒法が廃止になり、バカルディ社が販売促進のために生み出したカクテルのことを指します。

同じ名称が重なるので、わかりやすくするために、以降はラム酒を『バカルディ』、カクテルを「バカルディ・カクテル」と呼びます。まずはレシピを確認していきましょう。

<レシピ> バカルディ・カクテル

【材料】
バカルディ・スペリオール(ホワイト)…45ml
ライム・ジュース…15ml
グレナデン・シロップ…1tsp(1ティー・スプーンはおおよそ小さじ1杯)
※バカルディ・スペリオールは事前に冷やしておきましょう。

【作り方】
1.シェイカーの中にすべての材料と氷を入れ、シェイクする。
2.ショートグラスに注いで、完成!

ベースとなるラム酒は、甘い香りが特徴的なホワイトラム『バカルディ・スペリオール』を使うことが公式レシピとなっています。

「ダイキリ」と似たようなレシピですが、“ラム酒は必ずバカルディ・ラム”である点と、甘味のアクセントとなる材料にグレナデン・シロップを使う点が、「ダイキリ」とは異なります。

「バカルディ・カクテル」は、ピンク色をしたキュートなカクテルで、ほんのりと甘いラムの味わいと、ライムの爽やかな酸味が、口当たりのよい一杯を提供してくれます。

「バカルディ・カクテル」の偽物が現れ、訴訟問題に発展

「バカルディ・カクテル」の偽物が現れ、訴訟問題に発展

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『バカルディ』のラムが人気を集めていた1930年代後半、ニューヨーク市内にあるいくつかの悪徳バーやレストランが、「バカルディ・カクテル」を注文した客に、バカルディ社以外のラム酒を使って「バカルディ・カクテル」として提供していた事実が発覚しました。

これに対してバカルディ社は、偽物のカクテルを提供したニューヨーク市内の悪徳バーやレストランの一部に対し、訴訟を起こしたのです。

この裁判は1937年4月に、ニューヨーク州地方裁判所で行われ、「バカルディ・カクテル」は、バカルディ社のラム酒を使わなければならないと判決が下されました。このことが、バカルディの名が世界中に知れ渡るきっかけとなったのです。

「バカルディ・カクテル」にバカルディ社のラム以外を使うのが禁止されている背景には、このようなエピソードがあったのです。

なお現在では、バカルディ社以外のラムを使ったカクテルは、「ピンク・ダイキリ」と呼ばれ、「バカルディ・カクテル」とは明確に区別されていることを覚えておきましょう。

「バカルディ・カクテル」をたのしもう

バーやレストランでカクテルを注文する時には、「バカルディ・カクテル」と「ピンク・ダイキリ」を飲み比べてみるのもおもしろそうですね。機会があれば、プレミアムラム 『バカルディ』を使用した「バカルディ・カクテル」もぜひ味わってみてください。

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