ワインもチェイサーで上手にたしなむ《シニアソムリエ監修》

ワインもチェイサーで上手にたしなむ《シニアソムリエ監修》
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ワインと合わせてチェイサーを飲む理由を知っていますか? 一般的にチェイサーといえば、ウイスキーやテキーラなどのアルコール度数の強いお酒とともに飲むもの、というイメージがありますが、ワインをよりたのしむためにもチェイサーは効果的です。ワインをたしなむ際のチェイサーの意味や種類について紹介します。

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チェイサーをワインとともに飲む意味と役割は?

チェイサーをワインとともに飲む意味と役割は?

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チェイサーとは、ウイスキーなどを飲む際に、合わせて飲む水などの飲み物のこと。ウイスキーを追いかけるように飲むことから、「チェイサー」と呼ばれます。

チェイサーを飲む大きな役割は、アルコールによる体への負担を軽減すると同時に、悪酔いや二日酔いなどを起こりにくくすること。
ワインはアルコール度数が平均10~15%と、決して強いお酒ではありませんが、たのしい席でついつい飲みすぎてしまえば、当然、体にも悪影響をおよぼします。
体内でアルコールを分解するためには、多くの水分を必要としますが、アルコール自体に利尿作用があることなどから、お酒を飲んでいると体が脱水状態になりやすい傾向にあります。そこで、チェイサーでこまめに水分を摂ることで、脱水症状を防ぐとともに、アルコールの分解を促進できます。

さらに、チェイサーを用いることで、アルコールで鈍くなった舌の感覚をリフレッシュさせることができます。ワインの繊細な味やフレーバを、つねに新鮮に味わうためにも、ワインを飲む際にはチェイサーを準備する習慣をつけておくとよいでしょう。

ワインのチェイサーは水だけではない

ワインのチェイサーは水だけではない

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チェイサーといえば、一般的に水か炭酸水というイメージがあります。しかし、ワインと合わせるチェイサーは、決してそれだけではありません。
そもそもチェイサーは「メインで飲むお酒よりもアルコール度数の低い飲み物」とされていて、お酒や好みによって、さまざまなチェイサーが用いられます。

たとえばテキーラなど、強いお酒のチェイサーに、ビールなど度数の低いアルコール飲料を飲むこともあります。また、甘めのウイスキーのチェイサーとして牛乳を飲む人もいます。日本酒の場合は、とくに「和らぎ水」と呼ばれ、日本酒を造る際の仕込み水やミネラルウォーターなど、水を飲むことが人気です。

ワインの場合、水だけではなく、温かいコンソメスープも相性がいいチェイサーです。お酒に合う、自分の好みのチェイサーを選べばいいのです。

ワインと一緒にチェイサーを飲む際の注意点

ワインと一緒にチェイサーを飲む際の注意点

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ワインを飲むときに、チェイサーの量はどれくらい必要なのでしょうか? アルコールに弱い、強いなどの個人差はありますが、一般的に飲んだワインと同量または2倍の水分を摂取するのが理想的、といわれています。

また、水をチェイサーにする場合は、温度に注意が必要です。氷を入れた冷たすぎる水は舌が冷えるため、味覚が鈍感になってしまいます。お腹が冷えすぎないようにするためにも、常温の水を飲むことをおすすめします。

ワインは基本的に、料理を食べながら飲むシーンが多く、胃には負担がかかりづらいといわれていますが、それでも飲みすぎは禁物。ついつい飲みすぎてしまいそうなときには、チェイサーでこまめに水分補給をしながら、ワインをたのしみたいものです。

監修者

工藤貴祥

工藤貴祥

(一社)日本ソムリエ協会認定ソムリエ・エクセレンス、同SAKE DIPLOMA、きき酒師、焼酎きき酒師、日本ビール検定2級。29年以上お酒業界にいて、特に日本酒愛、ワイン愛、ビール愛が止まらない。もちろんこれ以外のお酒も(笑)。料理やアウトドア、古典酒場巡りが趣味。

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