【ウイスキーの香り】4種類の“香りを表現するキーワード”を解説!

【ウイスキーの香り】4種類の“香りを表現するキーワード”を解説!
出典 : Culture Motion/ Shutterstock.com

ウイスキーの香りを表現する言葉はじつに多彩です。その理由は、ウイスキーには原料から貯蔵の状態、熟成期間など、さまざまな環境から生まれる無数の香りが潜んでいるからです。ここでは、ウイスキーの製造過程を追いながら香りのキーワードを紹介しましょう。

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ウイスキーの原材料がもつ香り「モルティー」

ウイスキーの原材料がもつ香り「モルティー」

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ウイスキーの香りを表現する言葉のうち、もっともポピュラーなもののひとつが「モルティー」です。
モルティーは、ウイスキーの原料である大麦・ライ麦・小麦・トウモロコシといった穀類に由来する香りです。

パンを焼くと生まれる「加熱臭」や、「麦芽エキスの香り」ともいわれ、イメージとしては“ビスケット”“コーンフレーク”“焼き立てのトースト”“全粒粉クラッカー”など。ときには「段ボールのような香り」と表現されることもあります。

ウイスキーのピートがかもす香り「スモーキー」

ウイスキーのピートがかもす香り「スモーキー」

Jaime Pharr/ Shutterstock.com

ウイスキーの香りの表現として、とくにマニアのあいだでよく使われるのが「スモーキー」です。
スモーキーは、ウイスキーの製造過程でモルト(大麦麦芽)を乾燥するときに燃料として使われるピート(泥炭)に由来する香り。ピートは枯れたシダ類やコケ類、葦(あし)などが積もってできた腐葉土です。燃やすことで独特のいぶした香りを発生させ、モルトに染み込んでゆきます。

ピートは産出地の気候風土の違いや、手掘りか機械掘りかという掘り出し方の違いによっても、香りが変わってくるのだとか。スコットランドのアイラ島で造られるアイラモルト原酒のように、いぶした香りだけでなく、海藻や潮の香りを感じられるウイスキーもあります。

ウイスキー樽由来の香り「ウッディー」

ウイスキー樽由来の香り「ウッディー」

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ウイスキーの香りの表現のなかでも、熟成感を示すのが「ウッディー」です。
ウッディーは、貯蔵熟成に用いられる木樽由来の香りで、樽ごとにバラエティーに富んだ香りが造られます。

代表的な樽材には「オーク」や「ミズナラ」があり、オーク樽で貯蔵したウイスキーは、バニラやナッツのような香りが、ミズナラ(「ジャパニーズ・オーク」ともいわれる)樽ではキャラメルのような香りが特徴です。

さらに、バーボン樽やシェリー樽など、ウイスキー以外の酒類が貯蔵されていた樽を使うこともあり、それぞれ独自の香りをもたらします。バーボン樽はウイスキー用の樽材が不足していたときに積極的に使われ、バニラやキャラメルの香りのなかにわずかなスモーキー香が残ります。シェリー樽で貯蔵したウイスキーは、深い紅色と華やかでドライフルーツのような甘美な香りが特徴です。

ウイスキーの熟成が放つ香り「エステリー」

ウイスキーの熟成が放つ香り「エステリー」

Razoomanet/ Shutterstock.com

ウイスキーの香りの表現のなかでも、ひときわ多彩な香りを表すのが「エステリー」です。
「エステリー」は、樽から溶け出す成分とアルコールが、長期熟成期間中に化学反応を起こして生まれる「エステル」という物質がかもす香りです。

「フルーティ」と表現される果実系や、「フローラル」といわれる花系の香りも、エステルによって生まれたもの。バーボン樽で貯蔵したウイスキーのなかには「接着剤の香り」といわれるものまであり、一言で表現するのが難しいのが「エステリー」という香りではないでしょうか。

ウイスキーの香りを形成するのは、製造過程で生まれる要素だけではありません。蒸溜所がある土地の気候風土も大きく影響します。さまざまな環境が育む、複雑で豊かなウイスキーの香り。生まれた土地の個性を感じながら、その香りをたのしんでみましょう。

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