茨城の日本酒【結ゆい(むすびゆい)】造り手の気持ちが伝わるやさしい酒

茨城の日本酒【結ゆい(むすびゆい)】造り手の気持ちが伝わるやさしい酒
出典 : 結城酒造サイト

「結ゆい(むすびゆい)」は、結城紬で知られる茨城県結城市にある蔵元、結城酒造が造る日本酒です。地元を愛する蔵元が、豊かな仕込み水と厳選した酒米を使って醸す「結ゆい」は、その名のとおり、人と街とを結ぶ願いを込めて造られる酒。そんな「結ゆい」の魅力を紹介します。

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「結ゆい」は結城紬の里でていねいに醸された酒

「結ゆい」は結城紬の里でていねいに醸された酒

出典:結城酒造フェイスブック

「結ゆい(むすびゆい)」を造る結城酒造は、日本最古の絹織物として知られる結城紬の産地、結城市に蔵を構える蔵元です。その歴史は古く、創業は安土・桃山時代の文禄3年(1594年)。以来、なんと400年以上にわたって、この地で酒を造り続けています。

結城酒造が酒造りを行う建物や貯蔵蔵、レンガ造りの煙突などは、いずれも江戸時代から明治時代にかけての建造物で、国の重要有形文化財に登録されています。

それだけ歴史ある蔵元の代表銘柄のため、「結ゆい」も伝統ある銘柄かと思われがちですが、その誕生は2009年と最近のことです。
「雄町」をはじめ厳選した酒造好適米を、鬼怒川水系の伏流水でていねいに仕込んだ「結ゆい」は、誕生からまもなく全国的な知名度をもつまでに成長。それまで普通酒造りを主体としていた結城酒造が、吟醸酒など特定名称酒のみを造る蔵へと転換するきっかけとなりました。

「結ゆい」を生み出した女性杜氏の想い

「結ゆい」を生み出した女性杜氏の想い

出典:結城酒造サイト

「結ゆい」の生みの親は、結城酒造に嫁ぎ、今では杜氏を務めている浦里美智子氏。近年、女性杜氏は増えてきましたが、そのほとんどは蔵元の家に生まれた娘さんです。嫁いできた女性が杜氏になるのは珍しく、美智子氏の存在は日本酒好きのあいだで話題となっています。

美智子氏が酒造りを行うようになったのは、普通酒を主体としていた結城酒造で特例的に造っていた吟醸酒を飲んだことがきっかけだったとか。それまで、何もわからないまま酒造りを手伝ってきた美智子氏は、改めて日本酒のおいしさに気づき、自ら志願して県の酒造研修に参加し、酒造りを一から学ぶことに。30代になってからの新しい挑戦でした。

その成果をもとに、酒造好適米「雄町」を50%に磨いて使った純米吟醸酒が評判を呼び、2014年には、雄町の生産県である岡山のJAが主催する「雄町サミット」で優等賞を獲得しました。これを端緒に、数々のコンクールでも入賞するまでに成長し、いまや全国区の存在となっています。

美智子氏がめざす酒造りは、とてもシンプル。それは「自分が飲みたいと思う、自分好みのお酒」を造ること。理想とするのは、やわらかな口当たりとやさしい味わい、華やかでありながら芯がしっかりしている日本酒。女性杜氏ならではの繊細さを活かして、「結ゆい」はこれからも進化を続けていきます。

「結ゆい」こだわりの人、酒、町を結ぶラベルデザイン

「結ゆい」こだわりの人、酒、町を結ぶラベルデザイン

出典:結城酒造サイト

「結ゆい」という銘柄名は、結城市の特産品である結城紬に由来しています。
また、独特なデザインのラベルは、地元の書道家である三木翠耿氏が手がけたもの。「糸」の輪の内に、おめでたい「吉」をあしらったデザインには、おいしいお酒が、人と人、人と酒、そして人と地元の結城を「結ぶ」、そんな「町おこし」につながってほしいという蔵元の願いが込められています。
このラベルデザインもまた、「結ゆい」が地酒好きから愛されている理由のひとつです。

誕生から10年を経て、「結ゆい」の評価はさらに高まり続けており、2018年の「SAKE COMPETITION」において、純米大吟醸部門で見事GOLDを獲得しました。
SAKE COMPETITIONは国際性の高いコンクールで、入賞によって多くの蔵元が海外への販路を得ています。「結ゆい」もこの受賞を機に、近い将来、異国のレストランのテーブルに届けられ、結城市と世界とを「結ぶ」ことになるかもしれません。

「結ゆい」といえば酒米「雄町」が評判ですが、そのきっかけは、良質な酒米を探していて相談した米専門店が都合してくれたのが雄町だった、という偶然の結びつきによるものでした。「結ゆい」の名にあやかって、お近づきになりたい人と一緒にたのしんでみてはいかがでしょうか。

製造元:結城酒造株式会社
公式サイトはこちら

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