焼酎のルーツといわれるタイの酒造り

焼酎のルーツといわれるタイの酒造り
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焼酎のルーツには、さまざまな説があります。焼酎は沖縄の泡盛とルーツを同じくするといわれています。このルーツをさらにさかのぼると、もとはタイのお酒だったという説が有力。焼酎がタイから伝わった経緯や、焼酎のルーツとされるタイのお酒を紹介します。

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焼酎のルーツがタイとされる理由とは?

焼酎のルーツがタイとされる理由とは?

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焼酎のルーツには諸説あり、はっきりとはわかっていません。さまざまな説のなかで、現在、有力とされているのが、タイから琉球(沖縄)を経由して薩摩(鹿児島)へもたらされ、全国に広まっていったという説です。

戦国時代の天文3年(1534年)、中国の使節が記した『陳侃使琉球録』のなかに、「琉球には“南蛮酒”というシャム(現在のタイ)から渡来した酒がある」という記述があります。
このころ、琉球とシャムの関係は良好で、交易も盛んに行われていました。シャムから伝わった南蛮酒が、現在もタイ米を原料として造られている泡盛です。

琉球は1404年から約150年間、薩摩を仲立ちとして室町幕府とも交易をおこなっていました。このときに日本に蒸溜技術が伝わり、現在の焼酎のルーツになったといわれています。

焼酎のルーツとされるタイの酒「ラオカオ」

焼酎のルーツとされるタイの酒「ラオカオ」

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焼酎が16世紀にタイから伝わったことを踏まえると、14~15世紀ころにはすでにタイで焼酎のルーツとなる蒸溜酒が飲まれていたと考えられます。タイ米を使って造るタイの伝統的な焼酎が「ラオカオ」です。

ラオカオは、泡盛とほぼ同じ原料と手法で造られますが、独特の匂いとクセのある味が特徴的。さらにアルコール度数も40度とかなり強めなので、どちらかというとツウ向けのお酒といえます。

タイ東北部にあるイサーン地方の農家などでは、今でも仕事の前や疲れたときの1杯として親しまれているようです。現地での飲み方は、ストレートの一気飲みが一般的。飲み干したら次の人へと回し飲みをしてたのしんでいるのだとか。こうしたおおらかなたのしみ方も、焼酎のルーツであることをうかがわせます。

焼酎のルーツがもうひとつ、高級タイ焼酎「モンシャム」

焼酎のルーツがもうひとつ、高級タイ焼酎「モンシャム」

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焼酎のルーツとして、もうひとつ考えられるのが、原料に高級タイ米を使う「モンシャム」。ラオカオ同様、古くからあるタイの焼酎で、アユタヤ時代(1351年~1767年)に琉球に伝わりました。

モンシャムという言葉には、「輝けるタイ」「タイの心意気」という意味があります。「カオ・ホム・マリ」という香り米を使い、竹炭でろ過することで、雑味を取り除いたさわやかな香りとコクを実現。こちらもアルコール度数は35度~40度と高めですが、同じ焼酎のルーツとされるラオカオとくらべても、さらりと飲みやすい味わいです。

飲み方は澄んだ香りをたのしめるオンザロックがおすすめ。もちろんタイ料理によく合うので、食中酒としてもうってつけですよ。

ふだん飲んでいる焼酎も、ルーツを知ると少し違ったたのしみ方ができるかもしれません。焼酎好きなら、一度はルーツであるラオカオ、モンシャムをためしてみてはいかがでしょうか。

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