焼酎が消毒にも使えるって本当?

焼酎が消毒にも使えるって本当?
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焼酎で消毒ができるという話を聞いたことはありませんか? 時代劇などで、武士が口にふくんだ焼酎を傷口に吹きかけるシーンを見たことがある人もいるかもしれません。ここでは、本当に焼酎が消毒に使えるのかを調べてみました。

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焼酎は江戸時代には消毒薬としても活躍

焼酎は江戸時代には消毒薬としても活躍

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焼酎が消毒に使えると聞いて、驚く人がいるかもしれませんが、実際、江戸時代ごろまで、焼酎は飲用だけでなく消毒薬としても用いられていました。アルコール度数が高く、日本酒よりも安価に手に入ることから、刀傷の殺菌用などに活用されていたのです。ちなみに、飲用の酒としては、甘味のある日本酒のほうが好まれたといいます。

現存するもっとも古い焼酎の記述は、戦国時代まっただなかの永禄2年(1559年)。薩摩の大工が書いた「焼酎を飲ませてもらえなかった」というよう内容のラクガキです。
その後、焼酎は飲用兼消毒薬として九州から東へと広がり、次第に全国へと普及していったと考えられます。明治10年(1877年)の西南戦争の際にも、西郷隆盛ら薩摩軍が、消毒液として焼酎を買い占めたとも伝えられています。

焼酎が消毒薬とされるのはアルコール度数の高さゆえ

焼酎が消毒薬とされるのはアルコール度数の高さゆえ

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焼酎を消毒薬として用いた理由は、そのアルコール度数の高さにあります。名前に「酎(強い酒)」という字が入っているとおり、焼酎は日本酒よりも総じて度数が高くなります。

アルコール度数が高くなるのは、日本酒が醸造酒であるのに対し、焼酎が蒸溜酒だからです。蒸溜とは、沸点の違いを利用して、異なる性質の液体を分離すること。蒸留酒は、醸造酒を蒸溜してアルコール分だけを取り出したお酒。アルコール度数が高くなるのも当然といえます。

とくに連続式蒸溜で造られる甲類焼酎は、蒸溜を繰り返すことで非常に強いアルコールを造り出せます。
これは焼酎に限らず、蒸留酒(スピリッツ)全般にいえることで、世界最強の酒として有名なスピリタスのアルコール度数は、なんと96度。70回以上も蒸溜を繰り返した結果、ほとんど純アルコールに近い度数になっています。

焼酎で消毒するよりも、消毒薬を使うべき

焼酎で消毒するよりも、消毒薬を使うべき

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焼酎、とくに連続式蒸溜による甲類焼酎は、高純度なアルコールのため、ある程度の消毒作用は期待できるかもしれません。しかし現在、日本で売られる焼酎にはアルコール度数の制限があるため、実際に消毒液の代わりとして使うことはおすすめできません。

アルコールの消毒作用は、浸み込む速度や蒸発までの時間から、度数80度前後がもっとも高くなるとされています。
この数値との比較から考えれば、焼酎甲類のアルコール度数は35度以下ですので、実用性は薄いと考えられます。

現在の日本では、消毒液は容易に入手できるので、消毒にはやはり食毒液を使って、焼酎は飲んでたのしむべきですね。

焼酎は古くから消毒薬としても用いられてきましたが、そこにはやはり、日本酒よりも安価という側面があったのではないでしょうか。現在の焼酎は、品質も価格も江戸時代とは大きく異なります。焼酎は飲んでたのしみ、けがには市販の消毒薬を使うようにしましょう。

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