「ボウモア」がスコッチの聖地、アイラの女王と称される理由

「ボウモア」がスコッチの聖地、アイラの女王と称される理由
出典 : サントリーサイト

「ボウモア」は、スコットランド西岸沖にある“スコッチウイスキーの聖地”、アイラ島で造られるウイスキー。この島で作られるウイスキーは「アイラモルト」と呼ばれ親しまれていますが、なかでも“アイラの女王”と称されるボウモアの魅力を紹介します。

  • 更新日:

「ボウモア」を生んだスコッチの聖地、アイラ島

「ボウモア」を生んだスコッチの聖地、アイラ島

出典:サントリーサイト

ボウモア蒸溜所のあるアイラ島は、スコットランド北西の海上に並ぶ多くの島々のひとつ。スコッチウイスキーの生産地としては、これらの島々がまとめて「アイランズ」と分類されますが、その最南端にあるアイラ島だけは、「アイラ」として独立した分類とされています。それだけ、この島で造られるウイスキーに独自の魅力があるということでしょう。

アイラ島の南端から海の向こうを眺めれば、そこにはアイルランドを見ることができます。アイラ島のウイスキー職人たちが「ウイスキー造りは、はるかな昔に、アイルランドから海をわたってこの島にもたらされた」と語るように、アイラ島は、ウイスキー発祥の地であるアイルランドと密接な関係にありました。

アイラ島の大きさは、淡路島よりもわずかに大きい程度。人口は3,500人にも満たないこの島は、大麦を中心とした農業や製麦工場も含めて、島内の産業のほとんどがウイスキー関連という、世界でも珍しい“ウイスキー島”。
ボウモア蒸溜所を含めて8つものモルトウイスキーの蒸溜所があり、それも、ボウモアをはじめ、アードベッグ、ブルックラディ、ラガヴーリン、ラフロイグ、ブナハーブン、カリラ、キルホーマンと、ウイスキーマニアにとっては垂涎のビッグネームばかり。それゆえ、「スコッチウイスキーの聖地」として愛されています。

これら8つの蒸溜所を巡るツアーも人気で、世界中から多くの観光客が訪れます。ツアーでは、ウイスキーの製造過程を見学したり、個性豊かなアイラモルトを試飲したり、ランチをたのしんだりと、それぞれの蒸溜所で違ったサービスが受けられるのも人気のひとつ。また、手つかずの美しい自然、そして野生動物の宝庫でもあるなど、島そのものの美しさも大きな魅力です。

美しい自然と海に囲まれた、この島の風土から生まれるウイスキーは、麦芽を乾燥させる際に使用するピート(泥炭)に由来するスモーキーさと、荒々しい海から漂う潮の香りが特徴です。「アイラモルト」と呼ばれるこの島のウイスキーのなかでも「ボウモア」は、潮の香りを存分に蓄えつつも、洗練された上品な味わいをもつ“海のシングルモルト”として広く知られています。

ボウモア蒸溜所はアイラ島で最古の蒸溜所

ボウモア蒸溜所はアイラ島で最古の蒸溜所

出典:サントリーサイト

ボウモア蒸溜所の創業は1779年。日本でいえば江戸時代の中頃にあたるといえば、その古さがイメージできるでしょうか。アイラ島内で最古の蒸溜所であり、スコットランド全体でも指折りの歴史をもつ蒸溜所です。
ちなみに「ボウモア」とは、蒸溜所が位置する、島の中心部にある村の名前に由来していて、現在もボウモア町の象徴的な存在として親しまれています。

これだけの歴史と伝統ゆえに、ボウモア蒸溜所は数あるスコッチウイスキーの蒸溜所のなかでも別格的な存在とされており、それゆえか、イギリス王朝とも何かと縁があります。

1980年には、女王エリザベス二世がボウモア蒸溜所を訪れ、女王が見守る前で、蒸溜したての原酒が樽に詰められたのだとか。このときの樽が開けけられたのは、じつに20年以上も経た2002年のこと。女王の戴冠50周年のお祝いとして、熟成された美酒が王室に献上されたのです。

こうした歴史的な背景も、ボウモアが「アイラの女王」と称えられる理由のひとつといえるでしょう。

「ボウモア」の品質を支える伝統製法、フロアモルティング

「ボウモア」の品質を支える伝統製法、フロアモルティング

出典:サントリーサイト

ボウモア蒸溜所がウイスキーファンのあいだで別格の存在とされている理由は、その歴史の古さだけではありません。長い歴史を誇る蒸溜所が多いスコットランドでも、いまや希少となった伝統的な製法を守り続けていることも、大きな理由です。

その代表格が、製麦会社に委託するのでなく、自ら「フロアモルティング」によって麦芽を造っていること。
フロアモルティングとは、仕込み水に浸した大麦を床に広げて発芽を促すこと。空気にしっかりと触れさせ、均一に発芽させるよう、熟練の職人が木製のシャベルで時折すき返すなど、根気を要する行程です。これだけの手間ひまをかけることで、ボウモア蒸溜所の独自の麦芽が育まれます。

発芽した大麦は、キルン(麦芽乾燥塔)に運び込まれ、ピートを焚いて乾燥させます。これは、ウイスキー造りに最適な状態で成長をストップさせるためです。
このピートには、アイラ島を囲む海からの潮風がたっぷりと浸み込んでおり、麦芽にアイラモルト特有のスモーキーなフレーバー「ピート香」をもたらします。

ピート香は、スコッチウイスキーに共通の特徴でもありますが(もちろん、なかには例外もあります)、アイラモルト、なかでも「ボウモア」のピート香は、強い海風によって運ばれてきた海草のヨード香りを強く含んでおり、それが独自の個性となっています。
荒々しい海の香りを感じさせる“海のシングルモルト”。「ボウモア」の特徴は、こうした伝統的な麦芽造りに支えられているのです。

ボウモア蒸溜所が誇る、海抜0メートルの貯蔵庫

おすすめ情報

関連情報

大人の基礎知識

  • ビールの基礎知識
  • 日本酒の基礎知識
  • ワインの基礎知識
  • ウイスキーの基礎知識
  • 焼酎の基礎知識
  • カクテルの基礎知識