世界最古のワイン文化を持つ「ブルガリア」ってどんな国?
ブルガリアと言うと皆さんはどんなイメージを持っていますか?多くの方は、「東欧の国」「バラの谷」「ヨーグルト」というイメージがありますが、実は世界最古のワイン文化を持つ国です。
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ブルガリアの伝統的なサラダと白ワインをペアリング
1つ目のペアリングは、代表的なブルガリアのサラダ「ショプスカ・サラダ」とブルガリア産の白ワイン「ロゴダジ シャルドネ・ヴェルメンティーノ」です。淡い黄金色で熟した果実のリッチな香り、酸味はまろやかで芳醇な果実味が特徴のワインです。
里井氏:乳製品と野菜の良い香りがします!これはどんなサラダですか?
イリヤナ氏:「ショプスカ・サラダ」は、きゅうり、トマト、玉ねぎを入れて、場合によってはパプリカやピーマンを入れます。この上にかかっているホワイトチーズ「シレネ」は欠かせない存在です。ラキアやワインのおつまみになるサラダです。
里井氏:「ショプスカ」とは何かの名前ですか?
イリヤナ氏:ブルガリアの首都ソフィアの周辺は、ショプスキ地方として知られています。ですから、「ソフィア地方のサラダ」という意味ですね。
里井氏:簡単に作ることができる点でも良いですね。チーズは癖がなくて味のアクセントになっていて美味しい!バランスが良いですね。いくらでも食べられそうです。
ジャガイモと挽き肉を使った「ムサカ」と赤ワイン
2つ目のペアリングは、ジャガイモと挽き肉のオーブン焼き料理「ムサカ」とブルガリア産の赤ワイン「ロゴダジ
カベルネソーヴィニヨン・カベルネフラン・メルロー」です。熟した果実のようなふくよかな香りで、口当たりは優しいですが、タンニンはしっかりしたワインです。
イリヤナ氏:バルカン半島の各地に「ムサカ」がありますが、国によって微妙にレシピが違います。ブルガリアの「ムサカ」は、ジャガイモとニンジン、玉ねぎ、挽き肉を使います。上の黄色部分はヨーグルトと卵をベースに、場合によってはチーズや小麦粉を加えます。そしてブルガリアの独特のハーブとヨーグルトを添えるんです。
里井氏:「ムサカ」、とてもいい香り!お肉、チーズも入って贅沢なお料理ですよね。ヨーグルトソースがすごく美味しいです。
イリヤナ氏:ヨーグルトソースをかけることによって、お肉や脂っぽいお料理でも味はまず健康的になりますよね。マイルドな部分が食べやすく、ヨーグルトににんにくとディルと塩を入れることでソースになるのでいろんなお料理に使えるんです。
里井氏:日本人だと、ヨーグルトは果物とか甘いものと一緒に食べることが多いので、お料理にソースとして使うとより楽しみが広がりますよね。
イリヤナ氏:ブルガリアでヨーグルトは、日本で言うと味噌のような調味料でお料理に使うことの方が多いです。甘くいただくときはジャムやはちみつ、果物を入れますが、お料理で使うときはスープの味を変えるためにヨーグルトを入れます。ちょうど味噌汁のようですね。
里井氏:温かいチーズと、酸味がとてもワインに合ってお食事が進みますね。ワインも飲み飽きない味です。飲みやすい+食べやすいの組み合わせですね。
イリヤナ氏:一緒にペアリングしているこのワインは「ロゴダジ」というワイナリーで、トラキア平原のちょうどトラキア人が住んでいたと言われていた場所で造られたワインです。
ブルガリアの「おふくろの味」とブルガリアの土着品種ワイン
3つ目のペアリングは、ブルガリアの伝統的なお料理「カヴァルマ」とブルガリアの土着品種であるマヴルットが入った赤ワイン「メゼック カベルネソーヴィニヨン」です。このワインは、地中海性気候特有の十分な果実味とバランスが良い酸味とタンニンに支えられたフルボディーのワインです。
「カヴァルマ」が入った土鍋の下のお皿は、「トロヤン焼き」というブルガリアの特徴的なお皿です。
ひとつひとつ手作りで造られているので、色味や絵柄も少しずつ違います。
イリヤナ氏:「カヴァルマ」の味のベースはトマトで豚肉や鶏肉の角切り肉に玉ねぎやトマト、ピーマンなどのお野菜をたっぷり入れます。ブルガリアでは火を通してカリカリにした卵でとじます。
里井氏:スパイスがすごく利いていますね。トマトの味が強すぎるとワインと喧嘩しますが、これはほっこり和める味わい。玉ねぎのコクとお豆の甘味があって美味しい。思い立ったらすぐ作れる点も「おふくろの味」ですね!