プレミアムビールの人気の秘密を探ってみよう!

プレミアムビールの人気の秘密を探ってみよう!
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「プレミアムビール」という、なぜか人の気を引く呼び方はすっかり定着しましたが、そもそもプレミアムビールとはどんなビールでしょうか? ここでは、プレミアムビールの生い立ちや、その製法などをひもとき、プレミアムビールの魅力と秘密に迫ります。

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プレミアムビールの定義とは?

プレミアムビールの定義とは?

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「プレミアムビール」といえば、今では私たち日本人にとってはすっかりおなじみの存在です。しかし「いったい何がプレミアムなの? 」と聞かれて、すぐに答えられる人はどれだけいるでしょう。

かつて日本地ビール協会が実施したアンケートに、興味深い結果があります。「通常のビールとプレミアムビールの違いは?」という質問に対し、1位は「メーカーがプレミアムビールとして販売している」、2位は「プレミアムビールは通常よりも高額」というものでした。この結果だけ見ると、プレミアムビールかどうかは、原料や味、製法などではなく、メーカーが「プレミアムビール」として、通常よりも高額で販売しているビールということになります。

では、実際にプレミアムビールの定義を調べてみると、じつはプレミアムビールについては明確な定義は存在しません。各ビールメーカーが、「高級感」や「高品質」を前面に打ち出し、それぞれ独自の個性をもたせて開発したビール。いわば、通常のビールとは一線を画した、高付加価値なビールを総称して「プレミアムビール」と呼んでいるようです。

選び抜かれた原料や特別な酵母、独自の製法など、メーカーごとに工夫を凝らして造られるプレミアムビールは、お値段は通常のビールよりも少し高めになりますが、それだけの価値があるもの。通常のビールでは味わえない深い満足感に、一度飲むと次も飲みたくなると、とりこになっているビール愛好家も多いようです。

プレミアムビールを開発する大手メーカーの戦略

プレミアムビールを開発する大手メーカーの戦略

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プレミアムビールは、どのような経緯で市場に登場したのでしょうか? その歴史をひもといてみましょう。

一般にプレミアムビールの元祖といわれるのは、明治以来の歴史をもつ「ヱビスビール」でしょう。1971年にサッポロビールのブランドとして復活を遂げたヱビスビールは、「麦芽100%」「厳選されたアロマホップ」などの特徴を掲げ、やや高額な高級商品として販売され、“自分へのご褒美として飲む贅沢なビール”として、今も絶大な支持を集めています。

一方、実際に「プレミアムビール」というジャンルを活性化させた存在といえるのが、サントリーの「ザ・プレミアム・モルツ」でしょう。このビールが登場した2003年といえば、長引くデフレの影響を受け、ビールよりも低価格な発泡酒が市場を席巻し、「第三のビール」も登場したころです。
通常のビールよりも高額なプレミアムビールは、こうした時代の逆を行くように見えて、その裏には確かな戦略がありました。

「ザ・プレミアム・モルツ」は、あえて高級路線を貫き、モンドセレクション受賞、デザイン、テレビCMなどで確かな品質をアピール。これにより、普段飲みではなく、誕生日や記念日などのパーティー用、贈答品用など、“特別な日に飲むちょっと高級なビール”として定着したのです。

こうしてプレミアムビールは、発泡酒とも、従来のビールとも競合することのない新たな市場を創造。他のメーカーからも、それぞれ独自の特徴を掲げたプレミアムビールが次々と登場し、各社がその個性と品質を競い合うことで、今日の状況が生まれたのです。

プレミアムビールおすすめ1 プレミアムビールの元祖「ヱビスビール」

プレミアムビールおすすめ1 プレミアムビールの元祖「ヱビスビール」

出典:サッポロビールサイト

ここからは、いくつか代表的なプレミアムビールを紹介しましょう。

日本のプレミアムビールの先駆けといえるのが、先述した「ヱビスビール」です。ヱビスビールは、サッポロビールの前身である日本麦酒醸造から、明治23年(1890年)に「恵比寿ビール」として誕生しました。
1906年にはビール出荷用の「恵比寿停車場」の近くに旅客用の駅も開設。「恵比寿ビール」は、当時から品質が高く評価され、東京を代表するビールとして人気を集めており、その認知度の高さから、後に「渋谷区恵比寿」という地名にまでつながっていきます。

第二次大戦中にはビールが配給品となり、すべての商標が姿を消しました。戦後になってビール会社が再編され、サッポロビールが誕生。かつての名品を懐かしむ声が高まるなか、昭和46年(1971年)に「特製ヱビスビール」として復活します。

ヱビスビールの特徴は、ビールの本場・ドイツで500年も前に制定された「ビール純粋令」にもとづいていること。
ビールの原料を「大麦、ホップ、水、酵母」に限定するという厳格なルールを踏まえ、副原料は一切使用せず、麦芽100%と厳選されたアロマホップ、そして門外不出の「ヱビス酵母」だけで造られ、通常の1.5倍の熟成期間を経て出荷されます。
こうしたこだわりによって、クリーミーな泡と、「ヱビス香」と呼ばれる独特の香り、美しい透明感のある黄金色、深いコクとキリッとした味わい、そしてのどごしのよさを実現しています。長く愛飲されているのも納得ですね。

最近では、「ヱビス プレミアムブラック」「ヱビス 華みやび」といったバリエーションも登場し、ヱビスビールを使ったカクテルレシピも公開されています。120年を超える歴史をもちながらも、ヱビスビールはさらに進化を続けているのです。

製造元:サッポロビール株式会社
公式サイトはこちら

プレミアムビールおすすめ2 プレミアムの名を広めた「ザ・プレミアム・モルツ」

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