“もうこれ以上のカクテルはない”といわせる「XYZ」のドリンクレシピ
カクテル「XYZ」のネーミングは、「これ以上おいしいカクテルは存在しない」という評判が由来だといわれていますが、これに対して異論を唱える人もいるようです。今回は「XYZ」のレシピとともに、このカクテルにまつわるエピソードを紹介します。
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最高のカクテル「XYZ」
まずは「XYZ」のレシピから紹介します。“これ以上のカクテルは存在しない”と思わせるほどおいしいカクテルです。
<レシピ>XYZ
【材料】
ラム…40ml
レモンジュース…10ml
コアントロー(オレンジの香りとまろやかな甘さが特徴のリキュール)…10ml
【作り方】
1.ラム、レモンジュース、コアントローと氷をすべてシェーカーに入れる。
2.シェークしてカクテルグラスに注いで完成!
「XYZ」は、ベースのリキュールを変えると他のカクテルに変身します。レシピのベースをウォッカにすると「バラライカ」、ジンなら「ホワイトレディ」、ブランデーなら「サイドカー」となります。混ぜる材料で味の変わり方がわかりやすいため、「XYZ」を軸にして味比べをしてもよいでしょう。
「XYZ」=最高のカクテル説が広まった理由
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カクテル「XYZ」は、1990年頃に日本で流行したといいます。その理由は、当時大人気だった少年漫画『シティーハンター』の作中で、“XYZ”(後がないから助けて欲しい)と新宿駅東口の掲示板に書き込むと、どこからともなく主人公が助けに来てくれる…といった描写があったからというのが有力な説です。
その後、そもそもXYZがアルファベットの最後の3文字であることに加え、上述の漫画の影響もあり、“XYZ=後がないカクテル”とする説が広まります。さらに、話に尾ひれがついて、“XYZよりおいしいカクテルを作ることはできない”という説まで誕生しました。
ちなみに、「XYZ」のカクテル言葉は “究極”。女性を口説くときにも用いられるカクテルのようです。カクテル言葉が誕生した時期は不明ですが、「XYZ」を最高のカクテルという風潮は一般的になっています。
XYZの本当の意味は「未知」?
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“XYZ=これ以上ない”という説に対し、ライターの石垣憲一さんは『カクテル ホントのうんちく話』(柴田書店刊)内で異を唱えています。
かんたんに要約すると、バーテンダーが3種類の材料でカクテルを作ってX、Y、Zに対応するリキュールは何か、飲む人にクイズを出していたのではないか? そのため、「XYZ」の本当の意味は“ナイショ”と考えたほうがよいと述べています。
上で紹介した一般的な「XYZ」の説とはまったく異なりますが、英語のネイティブスピーカーは「X」や「Z」に対して未知というイメージを持っているようです。また英語圏では秘密という意味で使われることもあり、「レシピがナイショのカクテル」とする説は間違いではないのかもしれません。
秘密レシピのカクテルをエピソードとともに味わおう
今ではレシピが明らかな「XYZ」ですが、当時はレシピを秘密にしていたカクテルだったようです。ここからは想像ですが、バーテンダーがクイズにしてお客に答えさせたくなるほど 「おいしい」カクテルだったからかもしれません。どちらの説も知っておくと、「XYZ」の味により深みが増すのではないでしょうか。ぜひこのエピソードとともに「XYZ」をたのしんでみてください。