「兼八(かねはち)」は麦チョコのような香りが魅力! 大分の蔵元・四ッ谷酒造が手がける幻の麦焼酎

「兼八(かねはち)」は麦チョコのような香りが魅力! 大分の蔵元・四ッ谷酒造が手がける幻の麦焼酎
出典 : 四ッ谷酒造有限会社サイト

「兼八」とは、大分県の四ッ谷酒造が手がける麦の風味がきわ立つ本格麦焼酎。その香ばしい風味から「麦チョコ系」麦焼酎の代名詞として親しまれています。今回は、「兼八」の特徴や造り手の焼酎造り、代表的な商品、おいしい飲み方、入手方法などを紹介します。

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「兼八」という個性派麦焼酎を知っていますか? その特徴や種類、おいしい飲み方などをみていきます。

幻の麦焼酎「兼八」とは?

麦焼酎「兼八」とは

dorry / PIXTA(ピクスタ)

「兼八」とはどのような焼酎なのでしょうか。基本情報から確認していきましょう。

「兼八」は麦本来の香ばしい香りと味わいが特徴の本格麦焼酎

「兼八」は、麦本来の風味を最大限に引き出した大分県生まれの本格麦焼酎。大分県といえば、麦と麦麹を使用した麦100%焼酎で焼酎ブームを牽引したことで知られていますが、「兼八」はこの地で造られる銘柄のなかでも突出した個性で注目を浴びています。

大分麦焼酎は、麦独特の香りとまろやかな飲み口が特徴。焼酎ブームの火つけ役となったのが軽やかで飲みやすい銘柄だったことから、すっきりとした味わいを想像する人が多いかもしれませんが、実際は万人受けする味わいのものから、通好みの個性派まで幅広く、「兼八」は個性派の代表格ともいうべき銘柄です。

特筆すべきは、一般的な麦焼酎とは一線を画す香ばしさ。「兼八」は、その香りと深みのある味わいから、焼酎ファンの間では「麦チョコ系」と表現されることがあります。

「兼八」は麦チョコ系麦焼酎の代表格

ささざわ / PIXTA(ピクスタ)

「兼八」が「麦チョコ系」と呼ばれるのはなぜ?

「麦チョコ」とは、麦パフをチョコレートでコーティングしたお菓子のことで、軽い食感と深みのある香ばしい味わいで子どもから大人まで幅広い層に親しまれています。そんな昔なつかしい「麦チョコ」のイメージで語られているのが、「麦チョコ系」と呼ばれる麦焼酎で、「兼八」はその代名詞としてコアなファンの熱視線を浴びています。

「兼八」が「麦チョコ系」と呼ばれる理由は、そのなつかしい風味とローストしたような麦の香ばしさにあります。

麦焼酎の原料に使われる大麦は、皮麦とはだか麦(裸麦)に分けられます。大麦には実と籾(もみ)が離れにくいものと離れやすいものがあり、前者を皮麦、後者をはだか麦と呼びます。
一般的な麦焼酎は、おもに皮麦を原料に造られますが、「麦チョコ系」と評される麦焼酎では多くの場合、はだか麦(裸麦)や焙煎大麦を使用しています。「兼八」の場合は、主原料、麹の原料ともに国産のはだか麦が使われています。

はだか麦はおもに主食用に使われ、麦みそ、麦茶の原料に用いられることもあります。炒って挽き粉末状にした「麦こがし(はったい粉)」は、香ばしい香味が特長で、団子やクッキーなどお菓子の材料として広く親しまれています。
製法による違いはありますが、はだか麦を原料に使用した麦焼酎は、香ばしい味わいに仕上がるといわれています。

「兼八」が幻の麦焼酎と呼ばれる理由

クオリティの高さから人気が集中し、入手困難になった焼酎を「幻の焼酎」と呼ぶことがあります。人の手でていねいに造られる「兼八」は、生産量が少ないうえ、その人気から需要に供給が追いつかないことから、「幻の麦焼酎」と呼ばれています。

「兼八」の造り手は大分県の四ッ谷酒造

大分県の四ッ谷酒造

出典:四ッ谷酒造有限会社サイト

「兼八」を手がける蔵元の焼酎造りやこだわりについてみていきましょう。

「兼八」の蔵元の斬新でトラディショナルな焼酎造り

「兼八」の造り手は、大分県宇佐市の老舗蔵元、四ッ谷酒造です。創業者は魚市場を経営していた四ッ谷兼八氏。九州各地で出会った焼酎の味が忘れられず、みずからうまい焼酎を造るべく大正8年(1919年)に四ッ谷酒造場を立ち上げました。

以来、100年以上にわたって歴史を紡いできた四ッ谷酒造が目指しているのは、斬新でトラディショナルな焼酎造り。アイデンティティとしてのスピリッツ(魂)と兼八氏の代から連綿と受け継がれてきた技を守りつつも、新しい味わいのスピリッツ(焼酎)を生み出しています。

麦焼酎「兼八」の名前の由来

「兼八」という銘柄名は、四ッ谷酒造の創業者で、明治、大正、昭和初期を生きた四ッ谷兼八氏の名前に由来しています。読み方は「かねはち」です。

現在、四ッ谷酒造を支えているのは、4代目の四ッ谷芳文氏と5代目の四ッ谷岳昭氏の2人。創業当初から受け継がれる技と志で、「兼八」をはじめとするおいしい焼酎を造り続けています。

「兼八」の代表的な商品を3つ紹介

「兼八」のおもなラインナップをみていきましょう。

兼八|麦チョコ系の代名詞といえばこの銘柄

麦焼酎「兼八」

出典:四ッ谷酒造有限会社サイト

原料麦は国産のはだか麦。麦と麦麹を使い、100年以上もの間受け継がれてきた伝統の技で、麦の個性を最大限に引き出した本格派の麦焼酎です。麦本来の香ばしい香りと深みのある味わいがたのしめるファン垂涎の逸品です。
アルコール度数は25度。

兼八 原酒|兼八の真髄を味わいつくす

兼八 原酒

出典:四ッ谷酒造有限会社サイト

「兼八」らしさを味わいつくすなら、加水せずに蔵内の状態をそのまま瓶詰めした「兼八 原酒」がおすすめ。麦の香ばしさや甘さを原酒のインパクトとともにたのしめるプレミアム商品です。
アルコール度数は42度。

トヨノホシ兼八|大分生まれの大麦品種とカボスから抽出した酵母の邂逅

トヨノホシ兼八

出典:四ッ谷酒造有限会社サイト

大分県農林水産指導センターと大分県酒造協同組合(当時)が共同で開発した焼酎用大麦新品種「トヨノホシ」を100%使用し、大分県の特産品であるカボスから抽出した「焼酎用大分酵母」でアルコール発酵させた大分づくしの麦焼酎。

「兼八」らしい香ばしさのなかにも焼酎用大分酵母ならではのフルーティーな味わいが生きたクセになる1本です。

ほかにも、伝統の技で麦本来の香味を最大限に引き出した麦焼酎の原酒を小楢(コナラ)樽で熟成させた「森のささやき兼八」などがあります。

麦チョコ系麦焼酎「兼八」ならではの飲み方

「兼八」のおいしい飲み方

dorry / PIXTA(ピクスタ)

「兼八」ならではの香ばしい香りや深みのある味わいを堪能するなら、まずはストレートやロックを試してみてください。もちろん、水割りでもおいしくいただけます。「兼八」独特の香りを満喫したいときは、お湯割りもおすすめです。

「兼八 原酒」はアルコール度数が42度とやや高めですが、まずは冷凍庫でボトルごとキンキンに冷やし、パーシャルショットやロックで麦の甘味や香ばしさとともに原酒ならではのインパクトと味わってみてください。

「兼八」の飲み方にこれといった決まりはありません。いろいろ試して、好みの飲み方を見つけてくださいね。

「兼八」は一般的な焼酎を扱う販売店で買える? 入手方法を確認

「兼八」の購入は四ッ谷酒造の特約店で

通りすがり / PIXTA(ピクスタ)

「兼八」を造る四ッ谷酒造は、家族中心の小規模な焼酎蔵元。そのうえ手造りの製法でていねいに造られているため、製造量がとても少なく、入手が難しいといわれています。そのため、ネットでは高値で取り引きされる例も多く、オークションサイトでは、何年も前に販売終了となった「兼八 10年貯蔵」という名酒が高値で出品され、「本物か? 」との声まで浮上しているほど。

四ッ谷酒造では、直売所や蔵元運営ECなどの小売販売を手がけていません。また、一般的な焼酎を扱う酒販店やスーパー、コンビニではあまり販売されていないのが実情です。

ではどこで購入すればよいのでしょうか。四ッ谷酒造では、「兼八」などの商品を全国の正規特約店に販売を委託しています。必ずしも在庫があるわけではありませんが、特約店情報は四ッ谷酒造の公式サイト上で確認できるので、特約店のサイトやSNSをチェックするか、こまめに店舗に立ち寄るのが現実的です。

なかには期間限定で販売している特約店や、ネット通販が可能な特約店もあるので、ネットオークションなどに釣られることなく、じっくりチェックしてみてください。

「兼八」は麦チョコを思わせる香ばしい香りとほどよいコクが魅力の個性派麦焼酎。人の手でていねいに造られるため生産が追いつかず、入手は難しいかもしれませんが、特約店で見つけた際はチャンスを逃さず手に入れたいものです。

製造元:四ッ谷酒造有限会社
公式サイトはこちら

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