年代物のウイスキーは価値が高い?
ウイスキーの年代物には、希少価値の高いものが多く、世界中にコレクターが存在します。ひと口に「年代物」といっても「熟成期間が長いもの」と「製造時期が古いもの」の2つに分けることができます。それぞれの魅力を紹介しましょう。
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「年代物」とは? 製造時期が古いウイスキー
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ウイスキーの年代物と聞いて、まず思い浮かぶのは「製造した年代が古いウイスキー」のことでしょう。製造時期が古いということは、それだけ残存する数が少ないため、希少価値が高くなります。
たとえば、スコッチの750ミリリットルサイズのものや、日本の酒税改訂前の特級表示のあるものなど、現在では存在しないものほど希少価値があるとされ、コレクションの対象となることが多いようです。
年代物とは? 年数表記のある銘柄
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ウイスキーの「年代物」という表現が、「ウイスキーの熟成期間の長さが表示されている銘柄」を意味する場合もあります。「12年もの」とか「20年もの」とか銘打たれているウイスキーの場合は、この熟成期間のことを指しています。
ただし、「12年もの」とされるウイスキーが、必ずしも「12年熟されたもの」とは限らないので注意しましょう。
というのも、ウイスキーの製造工程では、ボトルごとの味を均一化させるため、最終的な瓶詰め工程の前に、複数の樽で熟成された原酒をブレンドする工程があります。このとき、同じ熟成年月の原酒だけでなく、異なる熟成期間の原酒を混ぜる場合が多いのです。
では、ボトルに表示された「12年」などの表示は、何を意味しているのでしょう? これは、ブレンドに使った原酒のなかで「もっとも若い熟成年数」を指しているのです。
実際に、12年もののウイスキーに、30年を超える熟成年数の原酒が使われていることも決して珍しくないようです。
年代物のウイスキーのたのしみ方
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「年代物」と呼ばれるウイスキーのなかでも、多くのものは、日本でもネットや専門店で販売されていて、誰でも入手することができます。しかし、本当に希少価値の高いウイスキーは、世界中にコレクターが存在し、ときにはネットオークションなどで驚くほどの高額で取引されています。
これは、年代物のウイスキーを投資の対象としたり、利益を得るために転売をしたりする人が多くいるのが原因のひとつ。ウイスキーをこよなく愛する人からすれば決してありがたい話ではないかもしれません。
年代物のウイスキーを本当の意味でたのしむためには、こうしたマネーゲームに踊らされることなく、古きよき時代に造られたウイスキーの歴史に思いを馳せながら、お酒本来の魅力をゆっくりと味わいたいものです。
ウイスキーの年代物に興味がある人は、まず自分の生年と同じ年に生まれたウイスキーを試してみてはいかがでしょう。自身の歴史と重ね合わせながら、同じだけの歴史を経てきたウイスキーをたのしむというのも、粋なものです。