日本酒のプリン体含有量は?ほかのお酒とも比較
日本酒のプリン体含有量や健康リスク、痛風について解説します。健やかにお酒をたのしむためにも、プリン体のとり過ぎに注意しましょう。
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プリン体はなぜ体に悪いの?
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プリン体とは、穀物、肉、野菜など、食品全般に含まれている旨みの成分です。通常、プリン体は体内で分解後、尿酸として排出されますが、分解が追い付かず体内に蓄積されると、痛風の原因となるといわれています。鶏レバー、マイワシ干物、イサキ白子、あんこう肝酒蒸しなどはとくにプリン含有量が多く、100グラムあたり300ミリグラム以上のプリン体が含まれています。成人の1日のプリン体摂取量は400ミリグラム以下が望ましいとされるので、これらの食品をとり過ぎないよう注意が必要です。
日本酒やその他のアルコールに含まれる量
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食品に比べると、アルコールに含まれるプリン体はそれほど多くありません。ちなみに、醸造酒には多く含まれており、蒸留酒にはあまり含まれていません。100ミリリットルあたりで比較すると、ビールが3.3~8.4ミリグラム、紹興酒が7.7~11.6ミリグラム、日本酒が1.2~1.5ミリグラム、ワインが0.4~1.6ミリグラム、となっています。
※SUNTORYより抜粋
ただ、アルコールの代謝に関連して尿酸値が上昇することもあるため、1日あたりの飲酒量の目安は、ビール500ミリリットル、日本酒1合、ウイスキー60ミリリットル程度が推奨されています。
痛風という病気
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痛風は、尿酸が体の中にたまり、それが結晶になってある日突然、足の親指の付け根などの関節が腫れて痛みだす病気です。たいていの場合、1週間から10日で治まるようですが、尿酸値が高いまま放置すると、痛風発作を繰り返し、腎臓が悪くなったり、尿路結石ができたり、最終的には重症の慢性痛風になる可能性もあります。
日本の痛風患者は、1960年代から急激に増え始め、現在では全国に数10万人の痛風患者がいると推定されています。食生活が欧米化し、動植物性蛋白質の摂取量が増えたこと、飲酒量の増加などがその理由として考えられています。痛風は「贅沢病」ともいわれ、いわゆる「おいしいもの」を食べ過ぎる人に多い傾向があります。
美食と飲酒をたのしめるのは健康な体があってこそ。プリン体を意識して、適度な飲酒、食生活を心がけたいですね。