日本酒が二日酔いしやすいって本当?
お酒の種類にかかわらず、飲み過ぎてしまえば二日酔い、悪酔いするのはどのお酒も同じはずです。では、なぜ日本酒が悪者にされてしまうのことが多いのでしょう? その理由を探ってみます。
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二日酔いになる原因
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まずは、二日酔いのシステムについて解説しましょう。
二日酔いになる原因のひとつは、アルコールによる脱水症状です。たくさんのアルコールを分解するためには、たくさんの水分が消費されます。加えて、アルコールには利尿作用もあるため、体内の水分が足りなくなります。人は脱水症状を起こすと、吐き気や頭痛を始めとするさまざまな症状が出てくるのです。
ふたつめはアセトアルデヒドによる作用です。肝臓でアルコールが分解されるとアセトアルデヒドという中間物質ができます。このアセトアルデヒドは強い毒素を持っていて、血管を膨張させて吐き気や頭痛を引き起こす場合があります。過剰なアルコールを摂取すると肝臓に負担がかかって働きが弱くなり、アセトアルデヒドが体内に長居して困った症状が長引きます。
その他、明らかな飲み過ぎによる低血糖症、アルコールによる過剰な胃酸分泌なども、二日酔いの原因になります。
冷酒より熱燗の方が残らない?
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このような辛い二日酔いを避けるためには、「冷酒より熱燗の方がよい」といわれます。温かい燗酒は早く体内に吸収されるので、すぐに酔いが回ります。それに比べて冷酒は口当たりが格別によく、燗酒に比べて体内で吸収される速度も遅いため、ついついハイペースで飲んでしまいます。
とくに「生原酒」のような酒の場合、一般的な日本酒(13~15%)よりもアルコールの濃度が高く(17~20%)、口当たりもよいため、酔いが回った時にはすでに飲み過ぎていることも。こういった理由で日本酒、とくに冷酒は「翌日に残りやすい」という印象になっているようです。冷酒でも、燗酒でも、自分のペースと酒量を守って飲むように心がけましょう。
二日酔いから回復する方法
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二日酔いになってしまったら、まずは水分を多くとりましょう。少しでも早くアルコールを分解し、尿の量を増やすことでアセトアルデヒドの排出を促します。飲み物は常温がよいでしょう。フルーツやトマトもおすすめです。ビタミンCやクエン酸は肝臓の働きを助け、トマトに含まれているリコピンは、アセトアルデヒドの作用を抑えてくれるそうです。
また、ウコンに含まれているクルクミンはポリフェノールの一種で、アセトアルデヒドの分解を促してくれます。しじみの味噌汁もよいでしょう。しじみに含まれているオルニチンは、アンモニアの解毒や肝機能を保護してくれるアミノ酸です。食欲が出てきたら、消化のよい食事をとり、アルコールで失われた栄養分を補給しましょう。
二日酔いにならないように、お酒は適量でたのしみましょうね。