おいしく焼酎を飲むための道具がおもしろい!
米、麦、芋、蕎麦などいろいろな原料から造られる焼酎。さらにストレート、ロック、お湯割り、水割りなどの飲み方だけでなく、それを味わう盃や徳利などの酒器をはじめ、焼酎をたのしむアイテムもじつに多彩です。そんな焼酎をよりおいしく、楽しくさせる道具のあれこれを紹介します。
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地域によって違う酒器
写真/熊本県
焼酎王国の九州には、ご当地の焼酎をよりおいしく味わうための容器や盃などの酒器が満載です。中でも芋焼酎の本場・鹿児島を代表する酒器が「ジョカ」、そして「薩摩切子」。
「ジョカ」は直火で燗が付けられる陶器製の徳利。焼酎の水割りを「ジョカ」に入れ、常温で一晩寝かせます。それを弱火で温め、焼酎の香りと旨味を引き立てる40~45度のぬる燗で味わいます。
「薩摩切子」は江戸後期に薩摩藩が興した伝統ガラス工芸品。紅、藍紫、緑などの鮮やかな色彩とガラスの厚みから生まれる独特のぼかし、そしてヨーロッパ風の繊細なカットが特徴です。手のひらに収まるサイズのものが多く、特にロックグラスでは、焼酎の味わいも一層キリっと、清涼感溢れる一杯に演出してくれます。
一方、球磨焼酎の本場・熊本にあるのが「ガラ」と「チョク」、そして「ソラキュウ」。
「ガラ」とは直火にかけられるフラスコ型の陶磁器製の徳利。それを受ける徳利が「チョク」で、水で割らずに味わう球磨焼酎ゆえ、献杯返杯を差しつ差されつつ飲む習慣から「チョク」はやや小さめに作られています。
対して、「ソラキュウ」は底がとがったお猪口。テーブルに置くことができない形なので「ソラ!」と注がれたら「キュウ!」と飲むしかないことから、その名が付いたともいわれています。
さらに泡盛の本場・沖縄では、大酒のみのお坊さんが作ったとされる徳利「カラカラ」や農夫たちが携帯用に作った陶器の酒樽「抱瓶」(だちびん)、さらに結婚式などのハレの日用の酒器「嘉瓶(ゆしびん)」などもあります。
このような伝統酒器をはじめ、お好みをマイグラス、マイお猪口、マイ徳利を探して、よりたのしくおいしい焼酎タイムを楽しんでみませんか?
焼酎サーバーって?
KPG Payless2/ Shutterstock.com
焼酎の品質を落とさずに長く保存するだけでなく、その味わいをよりおいしくさせる「焼酎サーバー」も、おいしい焼酎ライフに欠かせない道具。
「焼酎サーバー」とは、甕や壺型をした陶器製で、下部に蛇口が付いている焼酎専用のサーバーのこと。瓶から直接、酒器に注ぐよりも雰囲気を盛り上げるだけでなく、陶器により、焼酎保存に大敵な光を完全にシャットアウトします。さらに遠赤外線効果で焼酎を適度に温めながら自然対流を起こし、陶器の内部にある微細な孔によって焼酎が呼吸をしながら、熟成を促進させます。さらに、出荷前に加えられた割水とアルコール分もサーバー内でよりなじみ、瓶から注いだ状態とは全く異なる、まろやかな口当たりが生まれます。
また、芋焼酎の本場である宮崎、鹿児島で古くから行われている焼酎をよりおいしく味わう技法「前割り」を作る際にも、この焼酎サーバーは大変便利。焼酎ファンならぜひ手に入れたいアイテムです。
焼酎を飲む際はいろいろなたのしい酒器などを揃えて試してみるのもおもしろいですね。