世界5大ウイスキーのひとつを知る!「スコッチの聖地」アイラ島
スコッチに興味を持った人にぜひ試していただきたいのが、スコッチ6大産地のひとつ「アイラ」のモルト。“スモーキー”“ピーティー”など、アイラスコッチを表現する言葉がいくつもあるように、スコッチのなかでも独特のフレーバーを持っていることが特徴です。
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スコッチとはどんなウイスキー?
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世界5大ウイスキーのひとつであるスコッチウイスキー。ウイスキー発祥の地といわれるうえ、世界のウイスキー全消費量の約6割がつくられているなど、5大ウイスキーのなかでも別格の存在です。
スコッチウイスキーのおもな種類は、原料と製法の違いで「モルトウイスキー」と「グレーンウイスキー」に大別されます。
スコッチの始まりは前者のモルトウイスキーでしたが、製法の進化によりグレーンウイスキーがつくられるようになって、モルトとグレーンを混ぜあわせた「ブレンデッドウイスキー」が誕生。
この進化がスコットランドの地酒を世界に広げるきっかけとなりました。スコットランドでウイスキー造りが盛んになった背景にあるのは、原料となる大麦とスコッチ特有の「ピート」の特産地であることに加え、熟成に向いた冷涼な気候がウイスキー造りに理想的な環境があったから。なかでも「ピート」由来の風味は“スコッチらしさ”を語るうえで欠かせない要素となっています。
アイラがスコッチの聖地と呼ばれるわけ
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スコッチウイスキーの味わいをもっとも象徴するのが、「ピート」由来のスモーキーフレーバー。これは煙のような風味のことで、煙香の強弱や風味の特徴などがそのまま蒸留所の個性につながっています。
スコッチのなかでもとくにピートを積極的に使い、個性的な味わいのウイスキーを作っている地域が、スコッチ6大産地のひとつ「アイラ島」。島の4分1がピート湿原に覆われる特殊な環境を持っていることが、ウイスキー造りにピートを活用することにつながりました。
また、この島の蒸留所はすべて海岸縁に建ち、熟成中に潮や海藻のような香りもプラス。通好みの個性的なウイスキーを生みだす環境が整っていたのです。アイラ島は日本の淡路島ほどの小さな島ですが、アードベッグ、ボウモア、ブルックラディ、ラガヴーリン、ラフロイグ、ブナハーブン、カリラ、キルホーマンとスコッチを代表する名門銘柄が集中。それが“ウイスキーの聖地”といわれる所以です。
初心者にも試してほしいアイラスコッチ
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スモーキーフレーバーが特徴のアイラスコッチですが、その風味の強弱も味わいの奥行きも様々。ウイスキー初心者にまずおすすめしたいのが、“アイラの女王”と呼ばれている「ボウモア」です。アイラスコッチのなかでは比較的ピート香が柔らかく、味わいも華やかでスイート。洗練された味わいはアイラ入門にぴったりです。
続いて、ボウモアでピート香に慣れた人に試してもらいたいのが“アイラの王”と呼ばれる「ラフロイグ」。英国のチャールズ国王御用達で、モルト蒸留所ではじめてプリンス・オブ・ウェールズ御用達の認定を受けたことでも知られている銘柄です。ラフロイグ蒸留所では海藻や海苔をたっぷり含んだピートをフロアモルティングという伝統的な手法で炊き込み、ヨード臭や磯の香りの強いアイラらしいスコッチを作り続けています。
ぜひ、個性豊かなアイラスコッチを飲み比べてみてください。