ビールの「定義」とは?「発泡酒」や「第三のビール」との違いって?

ビールの「定義」とは?「発泡酒」や「第三のビール」との違いって?

仕事後の1杯のビールは、その日の疲れをとる特効薬?! でも、最近は健康を気にして、糖質ゼロやカロリーゼロといった健康志向の発泡酒や第三のビール、新ジャンルを飲む人も多いようです。味はビールと遜色ないようなのに、何が違うのでしょうか?

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2018年3月までのビールの定義

2018年3月までのビールの定義

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ビールには「ビール」と呼ぶための定義があるのを知っていますか? 現在、ビールのほかに、それに類似するアルコール飲料は「発泡酒」と「第三のビール」や「新ジャンル」などと呼ばれていますが、そもそも、どんな違いがあるのでしょうか?

2018年3月時点で、3つの違いは、おもに麦芽の使用量です。ザックリと麦芽の使用量が3分の2以上(67%以上)ならば「ビール」。

酒税法で認められていない原料を使用する場合は「発泡酒」扱い。麦芽以外の原料の使用量が3分の1以上なら「発泡酒」。

「第三のビール」や「新ジャンル」は、麦芽比率50%未満の発泡酒にスピリッツなどを加えたもの、または、糖類、ホップ、水及び麦芽以外のもの(穀物など政令で定めるもの)を原料として発酵させたものなどをいいます。

また、それぞれ酒税が異なることも特徴のひとつです。ビールは、税率の高いことでも有名。日本ではワインなどに比べビールの税率が突出して高いのです。

90年代初頭にビールの低価格競争が始まったとき、低税率の発泡酒が生まれ、注目を集めます。ビールの半額程度の値段である発泡酒は、家計の救世主として人気を博しました。ですが、発泡酒の税率は10年で2度も改訂されています。そしてその戦いは、第三のビールや新ジャンルと呼ばれる別次元へと移行し、各社趣向を凝らした新しい“ビール系”飲料が続々と生まれています。ちなみに、これまでお話したのは、2018年3月までのことです。

2018年4月でどう変わった?

2018年4月でどう変わった?

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じつは2018年4月から前述した定義が改訂になりました。麦芽の量が改訂され「麦芽比率が50%以上」をビールと呼ぶことになります。3月までは「67%以上」だったので大きな改訂です。今まで発泡酒に分類されていたものが、ビールに分類されるものも出てくるため、税金もビールと同様になります。

どのジャンルのお酒を飲むのかは、味わいの好みによるところも大きいですが、やはり価格の安さは魅力です。酒税が抑えられている発泡酒や第三のビール、新ジャンルは、おいしさに加え価格の優位性も魅力のひとつでした。

2018年3月までの酒税は、いずれも350ミリリットルあたり、ビール77円、発泡酒約47円、第3のビール(新ジャンル)約28円でした。ところが、2018年4月の定義改訂により一部の発泡酒は、価格の優位性を失うことになります。

逆に個性的で特徴のある発泡酒を造っていたブルワリーの一部は、「ビール」として売り出すことができ、ビールのバリエーションが増えることにもつながりそうです。

ビール類の税率は今後も段階を経て改訂され、現在の新ジャンルの価格優位性は失われていきます。逆にビールの税率は少し下がっていき、2026年10月にはビール系飲料の酒税は1本化され、一律54.25円になる予定です。気になる人は国税庁のホームページを覗いてみてください。

今後、ビール市場の変化に注目ですね。

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